思い出の60年

思い出の60年

チュチェ48（1959）年12月16日、朝鮮のチョンジン港に在日朝鮮人を乗せた初の帰国船が着きました。世人から「資本主義から社会主義への民族の大移動」と称されたこの驚くべき現実の主人公たちは、帰国の喜びを抑えきれず、感激の涙を流しました。

当時のことを思い起こして、金日成賞受賞者で労働英雄、アカデミー会員、教授、博士のリ・リョンアムさんはこう話しています。

「帰国してから早60年の歳月が流れました。この60年間、朝鮮労働党の信頼と配慮、社会主義制度のありがたさを肌で感じ、幸せで張り合いのある人生を送ってきました。その思い出は実に美しいものですが、中でも偉大な金日成主席が私の家を訪れた日のことを忘れられません」

その日は、リさん夫婦が帰国して10日余りした12月29日でした。金日成主席は、生活で少しの不自由もないよう、親心で暖かく顧みました。夫婦ともども大学に通っているということを聞いて、とても喜び、熱心に学んで立派な人になるようにと、その将来を祝福しました。その日の主席の言葉は、リさんの一生の座右の銘となりました。

採掘部門のアカデミー会員であるリさんは、チュチェ50（1961）年に大学を卒業してから今まで科学研究で多くの成果を収めました。経済発展に役立つ10数本の単行本を著わし、90編余りの小論文を発表し、国際学術討論会に何度も参加しました。また、20件近くの発明権と科学研究の成果の登録証書を授かり、10数人の教え子が30代、40代に博士号を取得しました。

国ではリさんの功績を高く評価して、金日成賞、労働英雄の称号を授け、全国英雄大会、全国知識人大会を始め多くの大会のひな壇にも招き、誕生日祝いの贈り物も送りました。

「幸せと栄光に満ちた過ぎし日々を振り返ってみますと、国の恩情と信頼に比べて、私がしたことが余りにも少ないのが気にかかります。80もだいぶ過ぎましたが、ありがたい祖国に少しでも足しにならなければと思って、本の執筆や後進育成に尽力しています」

リさんは今年85歳ですが、一生に幕を下ろすまで、ありがたいこの国のために公民として、科学者としての本分を尽くそうというその心は衰えていません。

（今日の朝鮮）