志遠

志遠

「志遠」と言うのは文字通り、遠大な志を抱くという意味です。これは、不屈の革命家キム・ヒョンジク*1先生の生涯の座右の銘でした。

1894年7月10日、マンギョンデ*2に生まれたキム・ヒョンジク先生は、朝鮮の民族解放運動の草分けの1人です。先生は「志遠」の大志を抱いて、民族解放偉業に尽力しました。「志遠」には、革命勝利の固い信念と代を継いで革命を続けなければならないと言う思想、民衆の力を信じ、民衆を結集させて、朝鮮の独立を朝鮮人民自らの力で勝ち取らなければならないと言う民衆重視の思想と自主独立の思想が盛り込まれています。

1905年の日本帝国主義の朝鮮占領以降、反日秘密結社が一部に現われましたが、中核が弱く、広範な大衆の中に根を下ろさなかったため、日帝の暴圧に持ちこたえられず、そのほとんどが解散を余儀なくされました。これに鑑みて、キム・ヒョンジク先生は地下革命組織の結成の準備を積極的に進める一方、国内外の各地で革命組織の中核を育て、広範な人民を教育し、目覚めさせて、大衆的基盤を固めるのに力を入れました。

そして、新しくつくる組織の闘いの目的と課題を示し、組織の形と組織指導システムをひとつひとつ完成する一方、これに基づいて、革命組織の闘争綱領と活動規範を決め、創立宣言を作成するのに精力を傾けました。長期にわたって地下革命組織の結成の準備を綿密に進めてきたキム・ヒョンジク先生は、チュチェ6（1917）年3月23日、朝鮮国民会を結成しました。

朝鮮国民会は、全ての朝鮮民族が一致団結して、朝鮮人自らの力で国の独立を達成し、真の文明国を建てることを目的とする秘密結社です。朝鮮国民会は、国内外の組織のうち一番規模の大きい反日地下革命組織の1つでした。朝鮮国民会の結成により、反日愛国勢力の統一を実現する道が開かれ、朝鮮の反日民族解放運動は正しい道に沿って力強く前進することができました。

キム・ヒョンジク先生が一生を捧げて残した不滅の業績の中で最大のものは、国の独立のための朝鮮人民の闘いを民族主義運動から無産者の革命へと舵を切って、朝鮮の反日民族解放運動を新たに高揚させたことです。

（偉人伝）