山間部の郡の発展のために

山間部の郡の発展のために

ピョンアン南道*1のソンチョン郡*2は国の解放前、経済と文化の面で極めて立ち遅れた山間部の郡でした。日本帝国主義者が非鉄金属の略奪のために開発した鉱山があっただけで、農作は粟、キビ、オート麦のような収量の少ない作物や一部の工芸作物の栽培が精々でした。

国の解放後のチュチェ37（1948）年5月、ソンチョン郡を訪れた偉大な金日成主席は、郡内の人たちと分け隔てなく膝を交えました。そして、ソンチョン郡は眺めも良く、地下資源も豊かで特産物も多いところだとし、郡を発展させるための方途を話し合いました。

主席は、われわれは亡国の民の運命を繰り返さないために、解放されたわが国をわれわれの手で建設しなければならないと言いました。そして、農作に励み、生活必需品もより多く生産して、人民生活を向上させるべきだと1つ1つ教えました。

その後も、主席はソンチョン郡を何度も訪れました。主席は、山の多いわが国で平野地帯並みに山間地帯の農作も重要だとし、ソンチョン郡の山間部の各農場を訪れました。日暮れまで傾斜地の畑を上り下りして農作の状況を把握し、日差しがかんかん照りつける畑のヘリで収量を高める妙策も見つけました。

主席の労苦が秘められている郡を自力でつくろうとの郡民の愛国の熱意によって、ソンチョン郡は今、見まがうほど姿を一新しました。機関所在地地区には多層住宅が、山を控えたところには瀟洒な住宅が建てられました。

ソンチョン郡人民委員会副委員長のチャ・ジョンホさんのお話です。

「昨年は870戸以上の住宅を、今年は700戸近くの住宅を建てましたが、これらすべてを自力でやり遂げたことを誇らしげに思っています。明日のソンチョン郡はもっと素晴らしいだろうと思うと、夜を明かして働いても疲れません」

機関所在地地区には、住宅エリアにふさわしく、サービス施設が立ち並び、学校、幼稚園、病院とアパレル工場、食品工場、製紙工場をはじめ地場産業の工場があります。郡では、最近だけでも河川を整理して郡の姿を一新し、国の財産である土地を保護し、低温湿地を改良して、穀物のヘクタール当たりの収量を大幅に増やしています。

チャさんは続けて話します。

「農地の90パーセントが畑で、それも60パーセント以上が傾斜地の畑であるソンチョン郡を山間部の農作のモデルにするのが主席の構想であり、願いでした。その願いが今、実現しています」

数年前までやせた傾斜地と低温湿地の畑で豊かな実りを期待できなかった地域が今は、毎年、穀物生産の計画を上回って達成する郡となりました。ソンチョン発電所で生産される電気は郡内の人民の需要を満たしています。

ソンチョン郡のどこにも、自力が一番との自力更生の息吹が強く感じられ、郡内の人民の生活は日増しに向上しています。

（偉人伝）