地域の情勢に害を及ぼす日本の「脅威」のうたい文句

地域の情勢に害を及ぼす日本の「脅威」のうたい文句

日本の安倍政権が「朝鮮の脅威論」をクローズアップさせる為必死です。

先日作成された2018年の防衛白書がそれを示しています。日本の反動勢力は2018年の防衛白書に、「史上初めて行われたシンガポールでの朝米首脳会談以後も朝鮮の脅威に対する基本的認識に変化はない」と明記しました。また「共和国が嘗て無く重大で差し迫った脅威だ」とまたもや難癖を付けました。

北朝鮮脅威論は日本が国是として長期間変わる事無く実施して来た朝鮮敵視政策の表れで、真新しい事ではありません。しかし朝鮮半島と地域に平和の新時代が到来している今になってまで、その雰囲気に水を差し使い古した脅威の謳い文句を並べているのですから、実に笑止に耐えない事だと言わざるを得ません。

これは決して時の流れを知らないか、もしくは被害妄想症に罹ったと見るだけの事ではありません。この5月、日本は海洋基本計画を改正して中国と共に共和国を「脅威」と明記し、次いで公開した2018年版の外交青書にも「共和国が日本と国際社会の平和と安定に対する嘗て無く重大で差し迫った脅威だ」と明記しました。日本が移り変わった情勢には拘りなく「誰かの脅威」なるものを執拗に唱えているのは、「外部からの脅威」なるものが切実に必要である事をそのまま示しています。

今、安倍政権は極右的な政策と汚職事件等で深刻な支配危機に瀕しており、対外的にも色々な経済実態との貿易摩擦と外交面での疎外論難等に巻き込まれています。その為安倍政権の軍国主義野望の実現に歯止めが掛けられ、よってそこからの活路を北朝鮮の脅威論に求めようとしているのです。これまで朝鮮半島の情勢悪化から桁外れの利益を得た日本は、緊張緩和と平和へと進む目下の情勢の中でもその悪習を捨てずにいるのです。

しかし時の流れは日本の政治的ニーズによるものではありません。アナクロの朝鮮敵視政策に執着して「脅威」の謳い文句を引き続き並べ立てるほど、自分の野望を果たす為なら地域の情勢に害を及ぼしてまで「脅威」のフィクションを作り上げる日本の反動勢力の卑劣な下心を、国際社会に克明に認識させるだけです。

「日本の当局者は誰も信じない『脅威』の謳い文句を並べ立てるのはもう止めて、再侵略の企みを捨てるべき」、これが世界の公正な世論です。

（時事評論）