半世紀近くも教壇に立って
教員は誰でも教壇に立った最初の日のことが大事な思い出として心に残るものです。ピョンヤン教員大学の博士、助教授のソン・スンオクさんも教員のキャリアが50年近くになりますが、今もその時のことを忘れずにいます。
当時、ソンさんは色々と参考書を見たり、古い教員に手伝ってもらったりして教案を作成し、夜を明かして授業の練習もしてみました。それ以来、学生たちのために全てを尽くしました。昼は学生たちの中にいて、時間が経つのも忘れていました。そして夜は授業の方法を研究し、学生たちの実力を挙げる方法を探し出すのに精魂を傾けましたので、夜が明けるのも知らないほどでした。
その日々に学生たちの教育実践能力を高める方法、認識能力を正しく評価する独特な試験法など教授の新しい方法を多く出しました。また、国の教育の発展に役立つ教科書と参考書、論文も著しました。学生たちは厳しい師でありながら優しい母のようなソンさんに心から従いました。
ソンさんは病気で授業に参加できなかった学生がいれば、夜、帰り道にその学生の家に立ち寄り、学んだ内容を説明してあげました。また立ち後れた学生を個別に指導するため夜も多くの時間を費やしました。ソンさんは卒業した教え子たちも私心を去って援助しました。このような師の姿から、学生たちは未来の自分たちの姿を描いてみるとのことです。
ソン・スンオクさんのお話を聞いて見ましょう。
「常々、学生たちに強調することがあります。教え子たちを誰もが思う存分学ぶありがたいこの国のために、自分の全てを捧げる立派な人に育てて欲しい、ということです」
教育部門の重鎮となったソンさんの教え子の中には英雄称号を受けた教員もいれば、人民称号、功労称号を受けた教員もいます。真面目な教育者として一生を過ごしたソンさんは、噂が立つほどの偉勲や晴れ晴れとした功績を残してはいません。
けれど、学生たちのために、教え子のためにすべてをそっくり捧げる正真正銘の教育者なので、数十年前に卒業した教え子たちも「担任の先生」と親しく呼んで、よく母校を訪ねています。
（今日の朝鮮）
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