優しい母

ピョンヤンにマンギョンデ革命学院があります。抗日の女性英雄金正淑女史は生前、マンギョンデ革命学院を度々訪れて、国の解放のための戦い半ばにして倒れた抗日革命家などの遺児たちを親心で暖かく顧みました。

チュチェ36（1947）年11月のある日、学院に熱病にかかった子供たちがいることを知った女史は、ためらうことなく隔離室に行きました。学院の教員たちは、絶対に入ってはならない、と引き留めました。女史は、金日成将軍が一番大事にする子供たちなのに、その親たちならそのまま引き返さなかったでしょうと言って、隔離室に入りました。

思いがけず、女史に見えた子供たちは床を蹴って起きましたが、熱病を患っている身で女史に抱きつくことは出来ないと思って、その場に立ち尽くしていました。女史は、そうする子供たちを暖かく抱いて、ご飯は食べたの、何が食べたいの、とやさしく尋ねました。肉親の愛情に喉が詰まって、静かに涙を流していた子供たちは、「お母さん！」と呼んで、女史に抱きつきました。