不幸の涙、しおれる未来

不幸の涙、しおれる未来

「一国の未来を知りたければ、子供を見るがよい」と言われています。では子供を通じて所謂“最高の文明”を誇る資本主義諸国の未来を見てみましょう。

助けてちょうだい

ある時、アメリカのシカゴに住む10歳前後の児童約900人が、市長に手紙を送った事があります。

友達が毎日のように銃に撃たれ拉致される事に恐れおののいて書いたもので、「銃口の脅威を逃れるように、身内の人が死んでいないか毎日毎時電話しなくても済むように、安心し外で遊び隣にも行けるように警察を増やしてほしい」という内容でした。7歳の子は「この悪魔の現実が恐ろしい、助けてちょうだい」と哀願しました。

あどけない子供達のこの手紙は笑いも希望も丸ごと奪い取った資本主義社会への血の絶叫です。

憎悪が蔓延する社会

資本主義社会では多くの子供が厄介な存在・憎悪の対象となり、生を与えてくれた親で無い親から苦痛と死を強いられています。

東京の或る食堂で1歳の捨て子が発見された事があります。赤ちゃんの母たる女性は「自分は自由に遊びたいから子供は不用だ」と公然と言いました。真冬に生後8ヶ月にしかならない娘に暴行を加えて数10箇所も骨折させ、20時間もトイレに放置し凍傷を負わせた女性もいます。

2018年に日本で発覚した児童虐待事件は1380件に達しましたが、それにより被害を受けた子供は1394人になるといいます。これは2017年に比べ其々21.3％、19.3％増えたもので、史上最高だといいます。

日増しに増える児童虐待は資本主義の未来を予測します。

専ら自分だけの為の社会

人間憎悪と道徳的腐敗が蔓延る社会が正に資本主義社会です。

或る国で児童遺棄を許す法案が採択され20人余りの子供を捨てる記録を立てた女性もいます。また西欧の或る国で『子を産まない理由40』という本が出版されて女性の関心を集め西側諸国で出生率が落ちる等、自分だけの為の資本主義社会の真骨頂を赤裸々に見せています。

堕落を強いる社会

資本主意社会で子供を堕落させるマスメディアもまた重大な問題となっています。

アメリカの或るテレビ局が放映する教育番組を見ても、10代の児童を主人公とするエロ映画を大々的に流しています。また12歳の子供と大人とのコンサルタントのコーナーでは“10代のママが守るべき衛生知識”等を解説し、青少年の年齢と趣味は眼中に無くエロと堕落を強いています。

このように人間も社会も、国と民族の未来である子供達まで堕落へと追い込む資本主義社会。この不遇な土壌に根を下ろした若芽が苦痛と死を強いられ涙を流しています。

不幸の涙と共に資本主義の未来が萎れています。

（時事評論）