一番駆け

一番駆け

ご紹介するのはリ・グァンイルさん。カンウォン道*1の海辺の村に生まれ育ち、金日成総合大学を卒業して現在、数学部の教師を勤めています。年は40歳、奥さんと12歳の娘がいます。家庭では優しい父、大学ではさっぱりした人柄の人気者です。

このリさんが2006年、第4回世界指紋コントラストコンクールで優勝しました。アメリカとイタリア、スペインの4団体が主催し、数百のアルゴリズムが出品されたコンクールで、朝鮮のものが最優秀と評価されました。それはリさんが10数年前から、教授の傍ら研究を続けて開発した人間の生体識別プログラムの一つです。

金日成総合大学数学部の教師チェ・チョルグクさんのお話です。

「リ・グァンイル先生は頭も切れますが、一度立てた目標はあくまで達成する気概と情熱を身に付けています。前にリ先生は生体識別分野で世界の覇権を握ると言ったことがあります。そして、その目標目指してこの10年あまり学習と研究に日夜腐心しました」

リさんの成果はこれだけではありません。リさんの講座は数年前から「成長の道」、「花咲く村」など、過去に制作された白黒映画をカラー映画にする研究を始めました。この分野の参考資料など何もない状況で行なう、とても難しいことでした。その先頭に、最先端技術を身に付け豊かな開発経験を持つリさんが立ちました。数十万枚の静止画のカラー化に必要なプログラムの作成で何ヶ月も研究室で夜を明かし、とうとう核心技術の開発に成功しました。

では、リ・グァンイルさんにお話を聞いて見ましょう。

「白黒映画をカラー映画にする技術を開発した国もありますね」
「はい、一、二ヶ国だそうです」
「じゃ、講座の成果は大したものだと言えますね」
「そうです。多くの国が合作を申し入れています」

リさんの燃えるような情熱の根底には何があるのでしょうか？それについてチェ・チョルグクさんはこう話しています。

「それは、共和国を世界的な科学技術の強国につくる上に自分も寄与したいと言う野心と熱い愛国の心ではないでしょうか」

2010年、偉大な金正日総書記はリ・グァンイルさんや講座の人たちがカラー映画にした「花咲く村」を見て感謝を述べました。身に余るお褒めに預かった講座の人たちは総書記に手紙を送りましたが、総書記は多忙な中にもその手紙を読みました。リさんと講座の教師たちは手紙に書いたとおり総書記の遺訓を実行する一念に燃えています。

今、リ・グァンイルさんは顔と音声など、人間の多様な識別プログラムの開発に取り組んでいます。

「私は、国の情報処理技術を世界の最先端レベルに引き上げるために頑張るつもりです」