マンギョンデと共に伝えられる「ふるさとを思う歌」

万景台と共に伝えられる「ふるさとを思う歌」

4月と言いますと、朝鮮では暖かい春です。この春、朝鮮人民は偉大な金日成主席の生誕日である4月15日、民族一番の祝日、意義深い太陽節を迎えます。

金日成主席はチュチェ1（1912）年4月15日、マンギョンデに生まれました。太陽節を迎えるたびに朝鮮人民は主席が作って歌った「ふるさとを思う歌」にまつわる話を思い起こしたりします。

マンギョンデの生家に鳴り響く「ふるさとを思う歌」

古里を発つ朝　わが母は
門に出て涙ぐみ
さあ、おゆき　その言葉
あ、耳を打つ
…

意義深い太陽節を迎えて生家を訪れる人皆が聞くことのできる「ふるさとを思う歌」。この歌は聞く人みなを感動させます。日本帝国主義者に奪われた国を取り戻すため、ふるさとを後にして20年の長きにわたる戦いを繰り広げながら、一刻も忘れたことのないふるさとと父母兄弟、主席の熱い祖国愛がそのまま込められている「ふるさとを思う歌」。この歌とともに伝えられる話があります。

朝鮮革命博物館の学術研究部の学芸員キム・チョンイルさんのお話です。

「金日成主席が抗日武装闘争を展開していたチュチェ25（1936）年、中国東北地方の漫江というところであったことです。主席は抗日の女性英雄金正淑女史が女性隊員と共に森の中の小川で歌う故郷の歌を聞きました。この日、主席は故国を離れた人はいつも故郷の春が格別懐かしいものだ、朝鮮はこの頃ともなれば本当に美しい、4月のマンギョンデは花にうずもれ、絵のように美しかったと故郷のマンギョンデのことを色々と思い起こしました。そして『志遠』の思想を一生のモットーとして試練に満ちた革命の道を歩んだ父について、また、苦労の限りを尽くし、革命活動を手伝った母について、組織されたばかりの反日人民遊撃隊を率いて南満州への遠征に発つとき見送ってくれた母との最後の別れについて語りました。話を終えて、深い思いに耽っていた主席は静かな声で『ふるさとを思う歌』を歌い始めました」

主席を仰ぐ金正淑女史は熱い祖国愛を覚えました。そして必ず国を解放する意志を固める主席のその姿は女史の脳裏に焼きつきました。

抗日革命参加者ファン・スンヒさんの手記「『ふるさとを思う歌』を歌うたびに」

4月になりますと「ふるさとを思う歌」が耳元に聞こえてくるようです。この歌のメロディーとともに数々の思い出がよみがえってきます。

チュチェ61（1972）年4月、金日成主席は抗日革命参加者たちをマンギョンデに呼びました。戦友たちと一緒に写真を撮って話し合っていた主席は、抗日武装闘争の時、密林の焚き火のそばでマンギョンデを懐かしく思いながら「ふるさとを思う歌」を歌ったことが思い浮かぶと言いました。

金日成主席は生前、この歌をとても愛唱しました。主席はこの歌を心の中に秘めて血みどろの抗日の試練に耐えて朝鮮の解放をもたらしました。そして解放された国で朝鮮労働党を創立して共和国を創建し、正規の革命武力を建設する日々にも、またアメリカの侵略を退ける戦争に勝ち抜いてチュチェの社会主義を建てる時もこの歌を歌いました。

主席が好んで歌った「ふるさとを思う歌」は、今、闘いと生活の歌として朝鮮人民の心の中に深く刻み込まれています。

主席のように国を愛し、ふるさとの春を愛しなさい！

これが、4月の春、マンギョンデを訪れて革命の第1世、抗日の戦友たちの名で次の世代に残したいことです。

外国の人たちが歌った「ふるさとを思う歌」

朝鮮で行われる4月の春親善芸術祭で外国の人たちは不朽の名作「ふるさとを思う歌」を演奏したり、歌ったりしました。4月の春親善芸術祭に参加したロシア・モスクワ国立アカデミー・フィルハーモニー名優団のナゼージュダ・トカレバさんがこの歌を見事に演奏して観客の絶賛を博したことがあります。

トカレバさんは、モスクワの音楽大学時代にもはや、国際コンクール入賞者になった才能のある芸術家です。トカレバさんは、今までたくさんの世界名曲を演奏しましたが、「ふるさとを思う歌」のように深い感動の中、演奏した曲はなかったと言いました。

世界各国の芸術家が集まる4月の春親善芸術祭で披露する演目を準備していたトカレバさんは、朝鮮名曲集から「ふるさとを思う歌」を見ました。心を強く捉える名曲でした。「ふるさとを思う歌」に心を奪われて演奏を重ねていたトカレバさんは、その歌が偉大な金日成主席がマンギョンデを懐かしく思いながら創作した歌だということが分かりました。

深く感動したトカレバさんは主席が生まれたマンギョンデを訪ねて見たい、と思いました。願いが適ってマンギョンデを訪れたトカレバさんは「ふるさとを思う歌」をつくった主席の気高い愛国の精神と音楽の世界に惹きつけられました。熱烈な愛国者だけが、そのようにりっぱな名曲を作ることができるのです。トカレバさんは熱い思いをバイオリンのメロディーに込めて演奏しました。

―ふるさとを思う歌をいつまでも心に刻んで生きたい―

これはトカレバさんだけでない、外国の人皆の思いでした。