「世界のマジック王」に育ててくれる

「世界のマジック王」に育ててくれる

金日成賞受賞者、労働英雄、人民俳優のキム・テクソンさんのお話です。

「偉大な金正日総書記の誕生日、2月16日の光明星節を迎えるたびに、総書記への切なる思いが募るばかりです。名もなき一俳優を『世界のマジック王』に育ててくれた金正日総書記です。チュチェ60（1971）年10月のある日、金正日総書記は当時のピョンヤン・サーカス劇場で私たちの公演を見た後、私を身近に呼びました。感極まっている私を優しく眺めていた総書記は、ご苦労だったが、今日、公演を見ると余りにも単純で手品に偏っている、音楽や機材など何一つ気に入るものがないと言いました。

当時のマジックは、サーカス公演の幕間に挟む、観客の緊張をほぐすための芸に過ぎませんでした。金正日総書記は、マジックは人間の知恵と思考力を健全なものにし、文化・情緒を高めるのに寄与すべきだ、マジックの古い枠を抜本から破り、大まかにしながらも人間生活を反映すべきだと言いました。朝鮮のマジックの行く手を示す指針とも言える教えでした。その後も、総書記は何度となく私たちの作品を指導して妙案を教え、演技の細部に至るまで細やかな関心を払いました。音楽や小道具、機材、舞台衣装の一切を作品に徹底的に服従させるべきだと言ってその対策を立ててくれ、悪天気をものともせず空港に出て、初の地方ツアーを成功裏に行うよう励ましてくれたこともありました。

チュチェ61（1972）年4月、私たちは欧州のある国で開かれる国際現代マジック祭典に参加しました。祭典の審査員は、初めて参加した私たちに半信半疑の面持ちでした。ところが、初公演から私たちの公演は嵐のような歓呼と拍手喝采を受けました。『花かご』と『絹の滝』、この二つの作品は人気を独り占めにしました。私たちは祭典で一位になりました。その後も、私たちは新作をもって何度も国際祭典に参加しました。公演を見た人たちは、朝鮮のマジックは人間の生活をありありと描く立派なものだと賛辞を惜しみませんでした。

チュチェ70（1981）年の第16回国際現代マジック祭典で私たちは『世界マジック王』、『マジック女王』の称号を授かりました。金正日総書記は劇場に出て私たちを祝ってあげ、一緒に記念写真も取りました。私はこの光栄をいつまでも忘れず、才能のある後進の育成に余生を尽くすつもりです」

（今日の朝鮮）