金メダルに映える監督の姿

金メダルに映える監督の姿

ピョンヤンスポーツ団の器械体操監督キム・チュンピルさんは世界的な器械体操の強豪を育てた有能な人です。ピョンヤンスポーツ団の器械体操のチーフ監督リ・チョルスさんのお話です。

「キム・チュンピルさんは30年以上も体操分野に携わる豊富なキャリアの監督です。これまでキムさんが育てた多くの選手の中には名誉称号を受けた選手が20数人もいます。人民スポーツマンの称号を受けた監督のキム・グァンスクさんとホン・ウンジョン選手もキムさんの門下生です」

「キム・グァンスク飛び」と共に世界の体操界に広く知られた人民スポーツマンのキム・グァンスクさんはキム・チュンピルさんの初の門下生です。ピョンヤンスポーツ団で器械体操の監督を務めるキム・グァンスクさんのお話です。

「今も忘れられないのは、訓練の合間にキム監督が自分が貰った金メダルを私のネックにかけてやりながらこれは何かと聞いたことです。私は金メダルだと答えました。その時、キム監督は単なるメダルだと考えてはならない、もし、キム・グァンスクさんが金メダルを獲得すれば共和国の国旗が国際舞台に翻り、世界の人々に朝鮮について知らせることになる、その時の誇りは何にも例えられないものだと言いました」

キムさんのこのような愛国心はそのままキム・グァンスクさんに伝えられました。キム・グァンスクさんは国際舞台に国旗を揚げる思い一つで訓練に励んで女子段違い平行棒でオリジナルな「キム・グァンスク飛び」を完成し、国の栄誉を轟かせました。人民スポーツマンの称号を受けたホン・ウンジョンさんもやはり、世界体操界に名の知られた選手です。第29回オリンピック競技大会、ワールドカップ体操競技大会、ユニバーシアードの第27回大会、第45回世界器械体操選手権大会と第17回アジア競技大会の体操女子跳馬で金メダルを獲得して祖国の栄誉を轟かせたホンさんも朝鮮の体操界の自慢です。

いつでしたか、国際競技を控えてホンさんが腕首を少し負傷したことがありましたが、その時もキムさんはいつものように訓練に励むよう厳しく要求したとのことです。悲しい思いで今にも涙が出ようとしているホンさんに、キムさんはあなたの今日の空白が国を輝かせる道を遅くするということを知るべきだと叱咤したと言います。

その時、ホンさんは金メダルで国の栄誉を轟かせるスポーツ選手のあり方はどうあるべきかを肝に銘じたとのことです。「玉磨かざれば光なし」、これがキムさんのモットーです。それでキムさんは昼は新しい難度を求める動作を熟達させるため選手と共に汗ぐっしょりになり、夜は世界器械体操の趨勢を圧倒する特技の研究に没頭しています。

家庭の幸福より、国の尊厳と栄誉を轟かせる体操選手を育てるために全身全霊を打ち込んでいるキムさんです。

人民スポーツマンの称号を受けたキム・チュンピルさんのお話です。

「国の栄誉を轟かせる体操選手の元手となる、これが私の一番の幸せです」

金メダルに映える監督の姿、それは巨木を支える根そのものでした。