父母の多い兄妹

父母の多い兄妹

平壌市*1平川区域*2平川第一洞*3に住む、リ・ヒョクイルさんとリ・ヨンヨンさんです。2人は兄妹です。ヒョクイルさんは15歳、ヨンヨンさんは13歳です。父は10数年前に難病で亡くなり、数年前は母まで帰らぬ人となりました。

兄のヒョクイルさんが通っている彰徳学校*4です。偉大な金日成主席の母校で朝鮮の英才学校の1つです。

チャンドク学校の教師　ムン・ヒナム

「ヒョクイルさんは格別サッカーが好きです。ところが、学校に入った当初は、なかなかボールを蹴ろうとしませんでした。友達に言わせますと、一番好きなのがサッカーだと言うのに、その時初めて、両親を失ってボールを遠ざけたことに気付きました。その翌日から毎日、サッカーをさせました」

 

2019年の新学年度が始まって間も無く、学校では1年生の科目別の担任教師のカンファレンスが行なわれました。

チャンドク学校の教師　イム・スリョン

「校長先生はヒョクイルさんの学力向上のための会議だと言いました。みな首を傾げました。ヒョクイルさんて、誰なの？、カンファレンスまで行なうとは、すると、校長先生が、母を失って2ヵ月しかならない子だが、みなが父と母になった思い出その子の学力を高めて上げましょうと言うのでした」

 

この写真はヒョクイルさんが1年生の学科コンテストで優等生になって撮った写真です。写真のバックに自筆があります。

優等生という栄誉を胸に先生と共に
2020年2月
父と共に

余りにも小さい時に父を喪ったヒョクイルさんにとって父のイメージは朧げなものでした。しかし情け深くて厳格な先生達の姿にヒョクイルさんは父の姿を見ました。

この生徒はヒョクイルさんの妹であるリ・ヨンヨンさんです。今、歌手の早期教育を行なう中区域*5東岸高級中学校の早期声楽クラスに通っています。

チュン区域トンアン高級中学校の早期声楽クラスの分科長　オ・ジョンユン

「ヨンヨンさんは全科目の優等生で、壁新聞にも載りました。この早期声楽クラスでは、1人の生徒に6人の教師がつき、専門教育を行なっています。ソルフェージュ*6を始めピアノ、音楽の基礎、リズムなどの教育を受けています。ヨンヨンさんも自分の才能を思う存分伸ばして、歌手になるだろうと思っております」

 

チュン区域トンアン高級中学校の早期声楽クラスの教師　シン・ウンジョン

「始業の日に10人程の人がヨンヨンさんと一緒に来ました。大家族だと思ったのですが、後で孤児だと分かりました。一緒に来た人たちは、居住人民班*7の班長を始め隣人たちでした」

 

多くの人が2人の為真心を尽くしています。皆がヒョクイルさんとヨンヨンさんの産みの親、骨肉も同じでした。

リ・ヒョンボク

「3月8日の国際婦人デーにヨンヨンさんの家を訪ねると、二人がニコニコ顔で迎えてくれました。本当に嬉しかったです。家の中に通されるが早く、ヨンヨンさんが自分の歌を聞いて欲しいと言うのでした。はにかみ屋だったので歌を歌うのはめったに聞いたことがありませんでした。『空は青く、心楽し』、歌の始まりにみなが胸にじーんと来るものを感じました。誰もがよく知っている歌ですが、ヨンヨンさんの歌を聞くと、なおさら深い感銘を受けました」

 

『われら幸せ歌う*8』、どこでもこの歌が響き渡り、助け合い導き合いながら苦楽を共にする国。

国中が睦まじい大家庭を成した社会主義制度の下で、この2人だけでなく人民皆が睦まじく暮らしています。

（フィーチャー）

---