朝鮮の声郵便箱200510

「朝鮮の声」郵便箱 2020.05.10

呉英淑（オ・ヨンスク）：「朝鮮の声」放送へようこそ。

シン・ヨンイル：「朝鮮の声」放送へようこそ。

呉英淑：緑が段々濃くなって行くこの頃の平壌ですが、皆さんの地方では如何ですか？

シン・ヨンイル：そうですね。昔から平壌は『公園の中の都市』と言われていますが、その名に相応しく都市全体が緑一色に飾られていますね。

手紙の紹介及び子供の伝統の遊び

呉英淑：さて、東京都のさえきよしのりさん、さえきよしのりさんから次のような内容のお手紙が届いた事がありますが、お読みしましょう。

「朝鮮の子供達の遊びについて教えて下さい。朝鮮に道具が無くても体だけで出来る子供の遊びは無いのですか？　あるなら是非放送の中でお聞かせ下さい。今後共、朝鮮についての興味深いお話しをお願いします」

シン・ヨンイル：朝鮮にも季節と場所、子供の年齢や情緒、心理に合う遊戯や遊びが沢山あります。その中には『隠れん坊*1』もありますが、今日はそれについてお話しましょう。さえきさんは日本にも『隠れん坊』があると言われましたが、朝鮮のものとどう違うかよくお聴きになり、ご感想を送って下さい。

呉英淑：朝鮮では『隠れん坊』を地方によって『スレ取り』、『スレ遊び』と呼んでいます。この遊びを見ますと先ず、じゃんけんポンで負けた者や一列に並んで最後に残る者がスレ、つまり鬼となります。この鬼となった者が物陰の大きな木や岩等にもたれて目を瞑ったまま大きい声で1、2、3と、或いは50乃至100まで数字を数えます。

シン・ヨンイル：その間に他の者達は各々身を隠します。鬼はなるべく早く数字を数えて他の者達に身を隠す暇を与えません。数え終えた鬼は隠れた者達を探し出しますが、発見された者の名前と隠れ場所を大きい声で言いながら物陰に戻って手と足を木や岩などに当てます。

呉英淑：すると発見された者は死んだ事になりますね。

シン・ヨンイル：はい。また鬼が物陰に戻らず発見された者を追いかけて捕らえる方法もあります。

呉英淑：また鬼に発見されても物陰に鬼より先に着いた時は死なない事になります。

シン・ヨンイル：鬼は隠れた者達を全部見つけ出さなければなりませんね。

呉英淑：はい、そういう事です。この時鬼に発見されて死んだ者と捕らえられずに生き残った者達は、物陰に集まって歌を歌いながら隠れた者達に鬼が近づいて来る事を知らせたりします。この時の歌は地方毎に違います。

シン・ヨンイル：隠れていた者達が鬼に見つからない内に走って来て物陰に手や足を当てながら、男の子は「チム」、女の子は「ランラン」と言えば死んだ者達も生きる事になります。

呉英淑：このようにして隠れていた者達が全部現れると終わりです。

シン・ヨンイル：次は捕らえられた者達同士じゃんけんポンでまた鬼を選び、それで遊びは続きです。

呉英淑：『隠れん坊』は子供達が明るく愉快に遊びながら、周りの環境に対する鋭い観察力と判断力を培い体を鍛える伝統の遊びの一つです。

シン・ヨンイル：ただいままで、さいきよしのりさんをはじめ朝鮮の子供達の伝統の遊びに興味をお持ちのリスナーの皆さんの為、朝鮮の『隠れん坊』につてご紹介しました。日本にもある『隠れん坊』、朝鮮のそれとどう違うのか理解出来たでしょうか？

呉英淑：今後共、朝鮮の伝統の遊びに興味をお持ちのリスナーの皆さんの為、楽しい番組作りに励みますのでどうぞ宜しく。

シン・ヨンイル：では今日はこの辺で失礼します。リスナーの皆さん、次のこの時間にまたお会いしましょう。

（「朝鮮の声」郵便箱）