敵対勢力の軍事的脅威に対応するためのロシアの努力

敵対勢力の軍事的脅威に対応するためのロシアの努力

最近、アメリカ主導のNATO加盟国がロシアの脅威を既成事実として、ロシア国境付近で大々的な軍事演習を繰り広げています。

この6月だけでもルーマニアとブルガリア、ハンガリーでNATOの軍事訓練が行われ、リトアニアでは10数カ国のNATO加盟国の約4000人の兵力と1000台余りの戦闘技術器材が動員された大規模な軍事訓練が開始されました。バルト海水域ではNATOの海上軍事演習が繰り広げられました。これにはアメリカをはじめ18カ国のNATO加盟国の各種艦船と潜水艦、航空機が投入されました。

これだけではありません。米軍偵察機RC-135がバルト海の上空からロシアの国境に接近する事件が起き、アメリカ空軍のB-52H核戦略爆撃機がロシア国境への接近を試みてロシアの戦闘機に追跡されました。アメリカとNATOの一層表面化する反ロシア行為はロシアの強い警戒心を呼んでいます。

最近、ロシア国家会議国際問題委員会委員長がタス通信のインタビューに答えてアメリカの武力増強を非難しました。ロシア国家会議国際問題委員会委員長は「アメリカがロシアの脅威を盾に取って東側への軍事膨張を続け、ロシアに対するNATOの包囲網の形成を計画的に進めている」と非難しました。

そして先日、アメリカ議会が提出したバルト海沿岸でロシアの侵略を阻む事に関する法案について指摘し、「それが反ロシア政策によるもので、ロシア国家会議はこの法案の討議の過程を綿密に注視するだろう」と明言しました。また「法案が採択される場合ロシア指導部と議会が対応措置を執るだろう」と強調しました。

アメリカとNATOからの軍事的脅威を感じたロシアは国防力強化の積極的な措置を執っています。先日ロシアで次世代航空機のエンジンの実験が成功裏に行われました。このエンジンは色々な先端技術の材料を利用して製作されたといいます。また動力システムを新しく製作して従来のエンジンより倍以上の力を出せるといいます。

今ロシアは、近い内に軍部隊にレーザーと超音速技術を利用した新型の兵器の導入を計画し、初の試作品は既にテスト導入しています。同時に第6世代の飛行機用の新型エンジンも開発中だといいます。

アナリストは、「国防力の強化に大きな力を入れて国の自主権を守り、強力な国家建設の戦略的目標を達成する為のロシアの努力はこれからも続くだろう」と評しています。

（時事評論）