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ピョンヤン市*1モランボン区域*2のケソン*3という町に住むムン・ヘバンさんの手記です。
「早や私の歳も70を越えました。歳を取れば追憶に生きるといいますが、よくアルバムを開いて過ぎし日を思い起こす私です。特に朝鮮が日帝の植民地支配から解放された8月15日を迎える時はなおさら思いが深まるのです。私の母は国を解放して凱旋した偉大な金日成主席に初めて花束を捧げる幸運に恵まれました。その日の感激が余りも大きくて母は国の解放翌年のチュチェ35（1946）年に生まれた私の名前を解放の意味の『ヘバン』とつけてやりました。母はよくその日のことを聞かせてくれたものです。
金日成主席が国を取り戻して下さらなかったなら、日雇い労働者の娘がどうして国の主人となり、幸せな人生を営むことができるだろうか、と。正に、国の解放とともにこの国の家々に幸せが訪れ、人みな新しい人生を迎えました。工場では建国のハンマーの音が、学校では子供たちの文読む声が、国のどこでも男性と同等の権利を持って社会生活に胸を張って参与する女性たちの歌声が響き渡りました。私の両親も新しい国造りのため知恵と情熱の限りを尽くし、私たち3人兄弟を育てながら幸せに暮らしました。
まだ幼い時のことですが、夜になると両親が私の歌を聴いてとても上手だと拍手したことが思い出されます。私たち3人兄弟は思う存分学び、希望を叶えました。私は経済部門の活動家に、弟は党活動家に成長し、科学者になった妹は価値ある研究の成果を多く出して朝鮮知識人大会に参加しました。歳月の流れと共に解放翌年に生まれた私も二人の息子の母親となりました。私は国の配慮で、衣食住や教育、治療の心配など知らずに二人の息子を育てました。ありがたいこの国を守るため夫は一生を通して軍に服務し、二人の息子も人民軍将校を勤めています。
今は家族も大きく増えました。私はよく息子や孫たちと連れ立って凱旋門広場を訪ね、凱旋演説を行う主席を描いたモザイク画に見入ります。花束を手にして解放の恩人である金日成主席を仰ぎ、声を限りに万歳を叫ぶ人々、その中から主席に初めて花束を捧げた私の母の姿を描いてみたりします。そして家族の皆に国を解放した主席の恩について、また国を失えば、またもや植民地奴隷の運命を強いられるということについて言い聞かせたりします。
正にこの国の全ての家庭と同じく、主席が国を解放しなかったなら幸せと希望、未来について全く考えられないわが家です。歳はとっても、甲斐ある人生を与えた国のためになることを進んでやり、息子や孫たちも国の繁栄に尽くすよう手伝ってやりたい思いです」
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