長編小説「15少年物語」(36) をテンプレートにして作成
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*長編小説「15少年物語」(36) [#m3c126a5]
冬将軍は成哲らを降参させようと、吹雪や烈風をおしたてて荒...
冬将軍が影をひそめると、春がかすみの衣をまとって、そっと...
日だまりの丘に雪どけの水が流れ、黄緑の新芽が顔をのぞかせ...
海に張りつめていた分厚い氷も、東南のそよ風に音を立てて割...
氷山や氷塊の上では、大きなオットセイが長い首をのばし、目...
ある日、少年たちは春先の海を見物しに行った。ものすごい音...
「おい、あれを見ろっ」
誰かが指さす方角を見ると、これまで見たことのない大きな海...
春の色が濃くなると、少年たちの仕事が多くなった。
冬のあいだは、のろし台の番をするほかほとんど部屋に閉じこ...
氷がとけて船路が開かれると、かれらはもっと熱心にのろしを...
しかし、いつ来るともしれない船を、じっと待っているわけに...
少年たちは大地がゆるむと、南向きの空地に畑を少し起こして...
農具らしいものがほとんどなかったので、オノオレの木で足り...
文基が少しばかり盗み食いしたけれど、その後保管に注意した...
南の国へ飛んで行った渡り鳥が、シロクマ島の古巣に帰って来...
また、アマツバメ、ヤツガシラ、力ワセミその他多くの渡り鳥...
少年たちは木立を駆けまわって渡り鳥の足を調ベたが、輪のつ...
ある日、山菜を摘んで来た茂英たちが、途中で足に輪をつけた...
「どのへんだ。一緒に行ってみよう」
いちばん喜んだのは俊浩だった。
「まだその場所にいるかしら」
明玉が心配した。
「よけいな心配はしないで、ただ鳥がどこに止まっていたかを...
俊浩はわなを持って来て、徳善に声をかけた。
「おれは万洙らと一緒に、アザラシ網をあまなくちゃならない...
「そんならおれが行こう」と言って、基昌が立ちあがった。二...
山の出ばなをまわったところに、トドマツやハリモミがまばら...
女の子たちを帰したあと、二人はあたりの木立に青い鳥の巣が...
「草むらに巣を作ったかもしれないから、そっちを探してみよ...
基昌は、足で草かぶをかき分けながら探しはじめた。
「そんなにしたら探せないよ。あの岩かげに隠れて待とう。い...
こう言って大きな岩のうしろに行きかけた俊浩が、くずれた丘...
「おーい、ここに穴があるよー」
基昌が駆け寄ってのぞきこんだ。
「へビかネズミの穴じゃないのか」&br;
「違うよ。へビやネズミは縦に穴をほるんだ。これは横穴だろ...
「卵があるかもしれないな」
基昌がこう言って手を突っこもうとするのを、俊浩はあわてて...
俊浩は基昌の手を取って、岩かげに身をひそめた。
「ここに隠れていよう。すぐ鳥が来るはずだ」
二人は息を殺して待った。
やがて、海の方から青い鳥が飛んで来て、丘の上にちょこんと...
あたりを見まわしていたカワセミは、穴の前へ飛びおり、すっ...
「穴をふさごう」
基昌がささやいた。俊浩は頭を横に振った。
そのうちカワセミは穴から出て、さえずりながら海の方へ飛ん...
俊浩はすかさず駆けて行って、穴の中にわなを仕掛け、岩かげ...
「鳥が飛んで来たら絶対にしゃべるなよ。鳥はすごく耳ざとい...
カワセミはすぐ帰って来た。二人は地べたにうつぶして鳥の動...
そこで鳥の足に糸をつなぎ、わなを仕掛け直して待っていると...
「こいつをつかまえたとき、穴の様子が変わったんだ、きっと...
「じゃ、もうつかまえられないのか」
俊浩はそれには答えないでため息をつき、鳥の足にゆわえた糸...
「放してやるのか」&br;
「うん、これを放さないと、あの鳥はもうここへ来なくなるよ」
放たれた鳥は、まっすぐ海の方へ飛び去った。
二人は翌朝出直して昼まで待ったが、鳥はついに姿を見せなか...
「もう見こみがないよ。あの二羽は別れ別れになって、遠くへ...
「卵を産まなかったんだろうか」&br;
「おそらくね」
二人は鳥の穴を見に行った。基昌がそでをたくしあげて、穴の...
足輪は調べられなかったが、魚の骨を敷いて産卵するカワセミ...
午後、少年たちは手製のアザラシ網をかついで、海へ出た。氷...
アザラシは使い道の多い動物だった。肉は食べられるし、あぶ...
かれらは相談の末、細く切った皮ひもでアザラシ網をあんだ。...
子どもたちはいかだに乗って、高さ3メートル、幅45メートルの...
(芸術、文芸作品―その他)
'''※「#35」はサイトに掲載されず。それか番号の間違いで、こ...
RIGHT:'''2020年の記事'''
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//(文芸作品―その他 2020.12.06)
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*長編小説「15少年物語」(36) [#m3c126a5]
冬将軍は成哲らを降参させようと、吹雪や烈風をおしたてて荒...
冬将軍が影をひそめると、春がかすみの衣をまとって、そっと...
日だまりの丘に雪どけの水が流れ、黄緑の新芽が顔をのぞかせ...
海に張りつめていた分厚い氷も、東南のそよ風に音を立てて割...
氷山や氷塊の上では、大きなオットセイが長い首をのばし、目...
ある日、少年たちは春先の海を見物しに行った。ものすごい音...
「おい、あれを見ろっ」
誰かが指さす方角を見ると、これまで見たことのない大きな海...
春の色が濃くなると、少年たちの仕事が多くなった。
冬のあいだは、のろし台の番をするほかほとんど部屋に閉じこ...
氷がとけて船路が開かれると、かれらはもっと熱心にのろしを...
しかし、いつ来るともしれない船を、じっと待っているわけに...
少年たちは大地がゆるむと、南向きの空地に畑を少し起こして...
農具らしいものがほとんどなかったので、オノオレの木で足り...
文基が少しばかり盗み食いしたけれど、その後保管に注意した...
南の国へ飛んで行った渡り鳥が、シロクマ島の古巣に帰って来...
また、アマツバメ、ヤツガシラ、力ワセミその他多くの渡り鳥...
少年たちは木立を駆けまわって渡り鳥の足を調ベたが、輪のつ...
ある日、山菜を摘んで来た茂英たちが、途中で足に輪をつけた...
「どのへんだ。一緒に行ってみよう」
いちばん喜んだのは俊浩だった。
「まだその場所にいるかしら」
明玉が心配した。
「よけいな心配はしないで、ただ鳥がどこに止まっていたかを...
俊浩はわなを持って来て、徳善に声をかけた。
「おれは万洙らと一緒に、アザラシ網をあまなくちゃならない...
「そんならおれが行こう」と言って、基昌が立ちあがった。二...
山の出ばなをまわったところに、トドマツやハリモミがまばら...
女の子たちを帰したあと、二人はあたりの木立に青い鳥の巣が...
「草むらに巣を作ったかもしれないから、そっちを探してみよ...
基昌は、足で草かぶをかき分けながら探しはじめた。
「そんなにしたら探せないよ。あの岩かげに隠れて待とう。い...
こう言って大きな岩のうしろに行きかけた俊浩が、くずれた丘...
「おーい、ここに穴があるよー」
基昌が駆け寄ってのぞきこんだ。
「へビかネズミの穴じゃないのか」&br;
「違うよ。へビやネズミは縦に穴をほるんだ。これは横穴だろ...
「卵があるかもしれないな」
基昌がこう言って手を突っこもうとするのを、俊浩はあわてて...
俊浩は基昌の手を取って、岩かげに身をひそめた。
「ここに隠れていよう。すぐ鳥が来るはずだ」
二人は息を殺して待った。
やがて、海の方から青い鳥が飛んで来て、丘の上にちょこんと...
あたりを見まわしていたカワセミは、穴の前へ飛びおり、すっ...
「穴をふさごう」
基昌がささやいた。俊浩は頭を横に振った。
そのうちカワセミは穴から出て、さえずりながら海の方へ飛ん...
俊浩はすかさず駆けて行って、穴の中にわなを仕掛け、岩かげ...
「鳥が飛んで来たら絶対にしゃべるなよ。鳥はすごく耳ざとい...
カワセミはすぐ帰って来た。二人は地べたにうつぶして鳥の動...
そこで鳥の足に糸をつなぎ、わなを仕掛け直して待っていると...
「こいつをつかまえたとき、穴の様子が変わったんだ、きっと...
「じゃ、もうつかまえられないのか」
俊浩はそれには答えないでため息をつき、鳥の足にゆわえた糸...
「放してやるのか」&br;
「うん、これを放さないと、あの鳥はもうここへ来なくなるよ」
放たれた鳥は、まっすぐ海の方へ飛び去った。
二人は翌朝出直して昼まで待ったが、鳥はついに姿を見せなか...
「もう見こみがないよ。あの二羽は別れ別れになって、遠くへ...
「卵を産まなかったんだろうか」&br;
「おそらくね」
二人は鳥の穴を見に行った。基昌がそでをたくしあげて、穴の...
足輪は調べられなかったが、魚の骨を敷いて産卵するカワセミ...
午後、少年たちは手製のアザラシ網をかついで、海へ出た。氷...
アザラシは使い道の多い動物だった。肉は食べられるし、あぶ...
かれらは相談の末、細く切った皮ひもでアザラシ網をあんだ。...
子どもたちはいかだに乗って、高さ3メートル、幅45メートルの...
(芸術、文芸作品―その他)
'''※「#35」はサイトに掲載されず。それか番号の間違いで、こ...
RIGHT:'''2020年の記事'''
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//(文芸作品―その他 2020.12.06)
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