長編小説「15少年物語」(28) をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
|
ログイン
]
開始行:
*長編小説「15少年物語」(28) [#w43e4419]
徳善らは失敗にめげす、とうとう釜を焼きあげた。俊浩の組も...
大小の釜を9つ海べに並べただけで、もう塩づくりに成功したよ...
万洙らは1号釜に海水をみたして火をくべた。湯気が立ち、水が...
煮つまった海水は順を追って次の釜に移され、だんだん水分が...
9番目の一番小さい釜に移されたとき、子どもたちは塩ができる...
海水は塩分を含んでいるから、水を蒸発させれば当然塩が残る...
「おかしいな。やっぱり・・・」
京三がなにか言いだして、言葉じりをにごした。
「やっぱりどうしたんだ」
昌植が聞きとがめた。京三は照れくさそうに笑った。
海の神さまのしわざだと思ったが、仲間の攻撃を恐れて、口を...
「海の神さまをまつらないから、塩ができないって言うのかい」
「でなかったら、なぜできないんだ」
京三を言い負かすことはできなくても、誰もそれに同意はしな...
成哲は、作り方に手落ちがあるようだからよけいな苦労をしな...
太陽はいつしか水平線のかなたに沈んだ。
しょんぼりと小屋に帰って、夕食をすませたあと、どうして塩...
「神さまのたたりだって言うのに、それがわからなきゃ、勝手...
京三は部屋の片隅にごろりと寝転んだ。ほかの子らも1人、2人...
「仕事はまだ山ほどあるのに、もう冬が来たのか」
成哲は塩焼き釜の方へ向かって、足を早めた。けさは試しに水...
夜のあいだに火はすっかり消えていた。ずらりと並んだ釜を順...
(いったいどういうわけだ。まさか、誰か夜中に持って来て、...
成哲はそれを指先につけてなめてみた。しょっぱかった。
「塩だ」
成哲はこおどりして塩を一つかみつかむと、丸太小屋へすっと...
「おーい、塩だ。塩ができたぞー」
庭に駆けこむなり叫ぶ声に、明玉とヤムジョンが台所から飛び...
「やー、本物の塩だ」&br;
「おれも行ってみよう」
歓声をあげ、われ先に海べへ走って行った子どもたちは、塩を...
「ここにも塩ができてるぞ」
8号釜をのぞいた万洙が、声をはりあげた。7号釜にもかなりた...
(ゆうべはなかったのに、どうして夜中のうちにできたんだろ...
成哲は首をかしげたが、煮つめた海水がさめた結果としか考え...
「今度は9号釜はたかないで、煮つめた水を入れるだけにしてみ...
成哲の提案通りにすると、はたして塩ができた。これで塩づく...
万洙らはそのまま塩を作り、昌植の組は冬越し用のまきを用意...
成哲らも午後から魚を取った。海草が多いので、魚が群れをな...
塩もどんどん作られた。魚取りと塩づくりは昼も夜もつづけら...
いのがこの島の特徴だった。まだ夏着の子どもたちは、また大...
「寒がると、よけい寒くなるもんだ。どっちが勝つか真剣勝負...
万洙がこういってばりばり働くので、ほかの少年たちも負けま...
丸太小屋に残った子たちも、その日大手柄をたてた。戦場に出...
してやれないだろうかと考えたが、なかなかいい考えが浮かば...
糸さえあれば冬着を作ってやれるのに、と思いながら毛皮をい...
(そうだ。皮を細く切れば、糸の代わりになるはずだ)
さっそく皮を細く切って引っ張ってみると、なかなか丈夫だっ...
「ヤ厶ジョン、成功よ。もういくらでも作れるわ」
明玉は喜んで叫んだ。
「なんのことなの、急に」&br;
「これを引っ張ってごらん。毛皮が縫えるわ」&br;
「うん、糸よりずっと丈夫ね。早く服を作ろうよ」
ヤムジョンはもちろん、小さい子たちも大喜びだった。
4人はすぐ仕事にとりかかった。明玉とヤムジョンが毛皮を裁ち...
キンヨウル村のおばさんたちから、縫い物が上手だとほめられ...
「はやく裁ったらどう。いじってばかりいないで」&br;
「そんなにあわてることないわ。裁断師は下手にはさみを入れ...
明玉はこう言いながら、ちびた鉛筆で型をとり、刃物できれい...
やがて2人は服を縫いはじめた。最初は服になりそうに思われな...
「おれが着てみようか」
勇日がそでを通した。すそがひざの下にき、だぶだぶのオーバ...
「縫い物は姉ちゃんたちに任せて、おれたちが晚めしをこしら...
こう言って立ちあがる勇日につづいて、永洙も台所へ下りた。
漁に出かけた少年たちは、日が沈むころ、ぶるぶるふるえなが...
「やあ。これ、どうやって縫ったんだ」
成哲は上着を取って、のどをつまらせた。そして一番寒がって...
「観賞用じゃないんだから、早く着ろよ。みな一緒にふるえる...
「うん、寒くてたまんないから、とにかくおれ着るよ」
成哲にうながされて京三が先に着ると、ほかの2人も手を通した。
「これなら、氷の上で転がりまわっても平気だ。おい、おれた...
「うん、そうしよう」
京三の言葉に2人も賛成した。
「それよりか、今夜は総がかりで服を作ろう。それに帽子や靴...
子どもたちは、明るいともし火の下で笑いさざめきながら、計...
「冬よ、来るなら来い。おれたちゃ負けんぞ」
防寒帽子までかぶった京三が、片手をかざして声を張りあげた...
あくる日の朝早く、少年たちは冬着に身を固めて漁にでた。そ...
5日後の朝、北の空が明るくなりはじめた。みぞれがやんで晴れ...
ところが午後から吹雪が荒れだし、空や陸地、海の見分けがつ...
荒れ狂う吹雪で目があけられず、烈風にいまにも吹き飛ばされ...
あくる日も風の勢いは衰えず、吹雪はいっそう吹きつのった。...
(芸術、文芸作品―その他)
RIGHT:'''2020年の記事'''
#br
----
#include(boys_navi,notitle)
----
#include(vok_navi01,notitle)
//(文芸作品―その他 2020.11.07)
終了行:
*長編小説「15少年物語」(28) [#w43e4419]
徳善らは失敗にめげす、とうとう釜を焼きあげた。俊浩の組も...
大小の釜を9つ海べに並べただけで、もう塩づくりに成功したよ...
万洙らは1号釜に海水をみたして火をくべた。湯気が立ち、水が...
煮つまった海水は順を追って次の釜に移され、だんだん水分が...
9番目の一番小さい釜に移されたとき、子どもたちは塩ができる...
海水は塩分を含んでいるから、水を蒸発させれば当然塩が残る...
「おかしいな。やっぱり・・・」
京三がなにか言いだして、言葉じりをにごした。
「やっぱりどうしたんだ」
昌植が聞きとがめた。京三は照れくさそうに笑った。
海の神さまのしわざだと思ったが、仲間の攻撃を恐れて、口を...
「海の神さまをまつらないから、塩ができないって言うのかい」
「でなかったら、なぜできないんだ」
京三を言い負かすことはできなくても、誰もそれに同意はしな...
成哲は、作り方に手落ちがあるようだからよけいな苦労をしな...
太陽はいつしか水平線のかなたに沈んだ。
しょんぼりと小屋に帰って、夕食をすませたあと、どうして塩...
「神さまのたたりだって言うのに、それがわからなきゃ、勝手...
京三は部屋の片隅にごろりと寝転んだ。ほかの子らも1人、2人...
「仕事はまだ山ほどあるのに、もう冬が来たのか」
成哲は塩焼き釜の方へ向かって、足を早めた。けさは試しに水...
夜のあいだに火はすっかり消えていた。ずらりと並んだ釜を順...
(いったいどういうわけだ。まさか、誰か夜中に持って来て、...
成哲はそれを指先につけてなめてみた。しょっぱかった。
「塩だ」
成哲はこおどりして塩を一つかみつかむと、丸太小屋へすっと...
「おーい、塩だ。塩ができたぞー」
庭に駆けこむなり叫ぶ声に、明玉とヤムジョンが台所から飛び...
「やー、本物の塩だ」&br;
「おれも行ってみよう」
歓声をあげ、われ先に海べへ走って行った子どもたちは、塩を...
「ここにも塩ができてるぞ」
8号釜をのぞいた万洙が、声をはりあげた。7号釜にもかなりた...
(ゆうべはなかったのに、どうして夜中のうちにできたんだろ...
成哲は首をかしげたが、煮つめた海水がさめた結果としか考え...
「今度は9号釜はたかないで、煮つめた水を入れるだけにしてみ...
成哲の提案通りにすると、はたして塩ができた。これで塩づく...
万洙らはそのまま塩を作り、昌植の組は冬越し用のまきを用意...
成哲らも午後から魚を取った。海草が多いので、魚が群れをな...
塩もどんどん作られた。魚取りと塩づくりは昼も夜もつづけら...
いのがこの島の特徴だった。まだ夏着の子どもたちは、また大...
「寒がると、よけい寒くなるもんだ。どっちが勝つか真剣勝負...
万洙がこういってばりばり働くので、ほかの少年たちも負けま...
丸太小屋に残った子たちも、その日大手柄をたてた。戦場に出...
してやれないだろうかと考えたが、なかなかいい考えが浮かば...
糸さえあれば冬着を作ってやれるのに、と思いながら毛皮をい...
(そうだ。皮を細く切れば、糸の代わりになるはずだ)
さっそく皮を細く切って引っ張ってみると、なかなか丈夫だっ...
「ヤ厶ジョン、成功よ。もういくらでも作れるわ」
明玉は喜んで叫んだ。
「なんのことなの、急に」&br;
「これを引っ張ってごらん。毛皮が縫えるわ」&br;
「うん、糸よりずっと丈夫ね。早く服を作ろうよ」
ヤムジョンはもちろん、小さい子たちも大喜びだった。
4人はすぐ仕事にとりかかった。明玉とヤムジョンが毛皮を裁ち...
キンヨウル村のおばさんたちから、縫い物が上手だとほめられ...
「はやく裁ったらどう。いじってばかりいないで」&br;
「そんなにあわてることないわ。裁断師は下手にはさみを入れ...
明玉はこう言いながら、ちびた鉛筆で型をとり、刃物できれい...
やがて2人は服を縫いはじめた。最初は服になりそうに思われな...
「おれが着てみようか」
勇日がそでを通した。すそがひざの下にき、だぶだぶのオーバ...
「縫い物は姉ちゃんたちに任せて、おれたちが晚めしをこしら...
こう言って立ちあがる勇日につづいて、永洙も台所へ下りた。
漁に出かけた少年たちは、日が沈むころ、ぶるぶるふるえなが...
「やあ。これ、どうやって縫ったんだ」
成哲は上着を取って、のどをつまらせた。そして一番寒がって...
「観賞用じゃないんだから、早く着ろよ。みな一緒にふるえる...
「うん、寒くてたまんないから、とにかくおれ着るよ」
成哲にうながされて京三が先に着ると、ほかの2人も手を通した。
「これなら、氷の上で転がりまわっても平気だ。おい、おれた...
「うん、そうしよう」
京三の言葉に2人も賛成した。
「それよりか、今夜は総がかりで服を作ろう。それに帽子や靴...
子どもたちは、明るいともし火の下で笑いさざめきながら、計...
「冬よ、来るなら来い。おれたちゃ負けんぞ」
防寒帽子までかぶった京三が、片手をかざして声を張りあげた...
あくる日の朝早く、少年たちは冬着に身を固めて漁にでた。そ...
5日後の朝、北の空が明るくなりはじめた。みぞれがやんで晴れ...
ところが午後から吹雪が荒れだし、空や陸地、海の見分けがつ...
荒れ狂う吹雪で目があけられず、烈風にいまにも吹き飛ばされ...
あくる日も風の勢いは衰えず、吹雪はいっそう吹きつのった。...
(芸術、文芸作品―その他)
RIGHT:'''2020年の記事'''
#br
----
#include(boys_navi,notitle)
----
#include(vok_navi01,notitle)
//(文芸作品―その他 2020.11.07)
ページ名: