長編小説「15少年物語」（10） をテンプレートにして作成
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*長編小説「15少年物語」（10） [#oa217a81]
あくる朝は空が曇り、冷たい風が吹いた。
子どもたちは、震えながらたき火をたいた。文基はまだ腰が痛...
成哲は上着を文基にかけてやって、シャツ姿のまま夜を明かし...
けさも、朝食がわりの焼き魚をかこんで座った。文基とヤムジ...
「なにも食べないで、どうやって歩くんだ。無理にでも食べろ...
成哲がいくらすすめても無駄だった。
ヤムジョンは出発の準備をするときになって、やっと起きあが...
「どう、歩けそう」
茂英が聞いた。
「歩けるだけ歩かなくちゃ。1人でここに寝ているわけにはいか...
勇日と永洙も身支度をした。
成哲は心配でならなかった。
いまは病人が4人だが、このまま行軍をつづけたら、もっと増え...
出発に先立って成哲はまず、鳥やけだものが集まる場所を注意...
結局小さい子らと病人は年上の子を1人つけて、みなが帰るまで...
成哲は病人を残して行くのが心配だったが、探険を他人に任せ...
さて、いよいよ出発というときに、達柱が草むらに寝転んだま...
手で目のあたりをおおっていたので、眠っているのか、ただ寝...
「おい、出発だ。早く起きろよ」
京三が肩を揺さぶったが、さっぱり反応がなかった。
「こいつ眠ってばかりいやがって、起きろったら起きろ。出発...
今度は昌植が、達柱のしりをけった。
「なにをするんだ。おれをボールだと思ってるのか」
達柱は寝転んだまま、目を怒らせた。
「ふん、タヌキ寝入りしてたんだな。お前行かないつもりなの...
「行こうと行くまいとおれの勝手だ。お前こそ、早く行けばい...
達柱はまた手で目をおおった。
「はっきり言えよ。お前は行かないつもりなのか」
昌植の声も荒かった。
「人の気持ちも知らないでなんだ。おれが行けるかどうか、そ...
達柱はぱっと起きあがると、ゴムぐつを脱ぎ、足をくるんだ布...
「さあ、よく見ろ。こんなにまめができてるのに、それでも歩...
「なんだ、それくらいのことで泣きごと言ってるのか。おれの...
昌植は草むらに座って足の裏を見せた。達柱の足よりもっとひ...
「まめがそんなにできたのに、どうして黙ってたんだ。茂英、...
「さあ、足を出すんだ」
俊浩は昌植の足のまめに針を通して、糸を短く切った。
「じきになおるよ。達柱も足を出してみな」
俊浩が近寄ると、達柱は、「余計なお世話だ」と言って、ごろ...
俊浩はあきれてその様子を見た。
「それじゃ、達柱が病人の面倒を見ることにして、俊浩はおれ...
徳善がこう提案すると、俊浩は即座に賛成した。
「なんだと、おれに子守をしろって言うのか。そのうち船が来...
「なに、船をつかまえるって」
俊浩はあっけにとられた。
「お前らは、おれを寝坊助だと思ってるらしいけど、おれはな...
「ここに残るのもいやだし、一緒に行くのもいやなら、いった...
「おれがいつ一緒に行かないって言ったんだ」
達柱は起きあがって頭をかくと、足を突きだした。俊浩はクス...
「達柱、お前の家じゃ、おばあさんがお前をネコかわいがりし...
昌植から一本やりこめられて、達注は「なに言ってやがるんだ...
行軍はつづいたが、その日もむなしくすぎ去った。
翌日も朝早く出発した。疲れはてた子どもたちは、重い足を引...
行軍はあいかわらず苦しかった。険しい谷間や斜面に密生した...
うす暗い森を通るときは、なにかに首や腕、すねをさされるの...
子どもたちは道もない密林をかき分けながら、山頂に登って行...
きょうも真っ先に頂上に登り、両手を振って万歳を叫んだ。茂...
「やっぱり徳善が一番乗りだな」
万洙が笑顔を向けた。
「徳善が一番先に占領したんだから、この峰を徳善峰と呼ぼう...
昌植は、探険家が島や大陸や海峡を発見すれば、その名がつけ...
「徳善峰か。それはいい。また呼びやすいしな」
成哲の言葉にみなうなずいた。
成哲は島を見わたした。
東と北の岸がずっと遠くにあるのをみると、かなり大きい島だ...
「木がこんなに茂って、地味もよさそうなのに、どうして人間...
徳善が成哲に言った。
「ここだけじゃないよ。この島より大きくて木が茂り、地下資...
こんな話をやりとりしているあいだ、ほかの少年たちは高い峰...
だが成哲の心は晴れなかった。
かれは近くに大陸があったら、という一縷の希望をいだいてい...
もう助け船を待つほかなかった。まずほら穴と泉を見つけるこ...
「ここでひと休みしながら、昼飯を食ベようじゃないか」
みなはさっそく大きな岩の前に場所を取って、弁当包みをほど...
「きようの昼は、達柱が水筒を出す番だよ」と、万洙が言った。
唇が乾き、のどが焼けつきそうなのをがまんしていた子どもた...
ところが、達柱は茂漢の顔を盗み見るばかりで、水筒を出そう...
「どうしたんだ」
かれは自分の様子を見守っている万洙の問いにも、うなだれた...
「おれが出してやろう」
隣にいた京三が、達柱の背負い袋から水筒を取りだした。そし...
「からっぽだよ。ほら」
京三は水筒を突きだして振ってみせた。水筒を受け取った成哲...
「おい、達柱。気は確かなのか。いったいなんてことだ」
めったなことでは腹を立てない成哲が、達柱の前に水筒を投げ...
「この野郎」
昌植はさっと立ちあがって、達柱の胸ぐらをつかんだ。万洙も...
達柱は手向かおうとしなかった。
「手を放せよ」
成哲が昌植の手をほどいた。
「お前、ただではすまんと思えよ」
昌植はこぶしをふるわせて、達柱をにらんだ。
「みな座れ」
成哲の激した声に、昌植はため息をついて座った。
達柱は一歩あとずさりして、岩に腰かけた。万洙はいまいまし...
「達柱、お前はどうする気なんだ。自分さえ生き残れば、ほか...
声は高くなかったが、成哲の口調はきびしかった。
達柱の顔が真っ赤になり、唇がひきつった。みなの視線をまと...
「なにも、おれだけ生きようとしたんじゃないんだ。 のどが乾...
達柱はからの水筒を力なく振ってみせた。
「なんだと、唇をぬらした。でたらめもいいかげんにしろ」&br;
「お前だけのどが乾いていると思っているのか。おれも唇がか...
「水筒をからっぽにしながら、よくもぬけぬけとそんなことが...
「いますぐどこかへ行って、水をくんで来い」
みながかんかんになっているのを、黙って見ていた茂漢が口を...
「のどが乾いてたまらないので、少しずつ飲んだっていうのに...
「お前はまたなんだ。その言いぐさは・・・」
昌植が腹立ちまぎれに、茂漢にくってかかった。
「なんだとはなんだ。人間だ」
茂漢の声も荒くなった。
「それを聞いてるのか。どうしてお前は、約束を破って水を全...
「なに、おれが達柱の水を飲んだって？ おい、人を馬鹿にす...
「いいかげんもくそもあるものか。水がどんなに大切か知って...
「泉を見つければいいじゃないか。それぐらいのことで、あん...
「泉を見つければいいって？ そんならお前はこれまで本気で...
茂漢は昌植のその言葉にとりあわなかったが、心はおだやかで...
（ふん、おれが見つけられないと思ってるのか。どんなことが...
茂漢の頭に1つの考えがひらめいた。谷間をしんぼうづよく探せ...
（きっと泉を見つけて達柱をなぐさめてやり、あいつをいじめ...
このとき、成哲がなだめるように言った。
「飲んじゃった水について、とやかく言ってもはじまらないさ...
成哲は腹が立つのをこらえて包みを広げ、焼き魚をちぎりはじ...
「ちくしょう、一食抜いたからって死にはしないだろう。おれ...
昌植は焼き魚を包み直した。
茂漢は風呂敷をほどこうともしないで、からの水筒を肩にかけ...
「おい飯も食わないでどこへ行くんだ」と、成哲が声をかけた。
「水筒一杯の水ですったもんだしてるのに、じっとしていられ...
茂漢はこう言い捨てると、あともふり返らずに、足早に谷間へ...
成哲は立ちあがってなにか言おうとしたが、茂漢の姿は見えな...
「あいつどこへ行く気なんだ？ 引っ張って来て、痛い目にあ...
徳善がげんこつを固めて、成哲に言った。
「小さい子じゃないのに、放っておけよ。キイチゴでも取って...
茂漢は昼食が終わっても戻らなかった。
物思いに沈んでいた成哲は、無意識のうちに、茂漢が消えた谷...
考えただけでもぞっとする。
水の入った水筒がまだいくつかあるが、それは1日分かせいぜい...
そのときまで泉が見つからなかったら、おれたちはどうなるだ...
しかしそれもなくなったらどうするのだ。飲み水がないばかり...
それではあまりにも残酷すぎる。
ふと勇日と永洙の姿が浮かんだ。約束を守って、潮水を飲みな...
（おれたちのなかには、そういう子も大勢いるんだ。それに見...
成哲はもとの場所へ戻った。茂漢はまだ帰っていなかった。
かなり時間がたったが、やはり姿を見せなかった。
泣いている茂英を気の毒そうに見ていた成哲は、急に不安にな...
「じっとしていないで、茂漢を探そう」
成哲が立ち上がると、みなぶつぶつ言いながらも、その言葉に...
（芸術）
RIGHT:'''2020年の記事'''
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//（芸術 2020.08.22）
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*長編小説「15少年物語」（10） [#oa217a81]
あくる朝は空が曇り、冷たい風が吹いた。
子どもたちは、震えながらたき火をたいた。文基はまだ腰が痛...
成哲は上着を文基にかけてやって、シャツ姿のまま夜を明かし...
けさも、朝食がわりの焼き魚をかこんで座った。文基とヤムジ...
「なにも食べないで、どうやって歩くんだ。無理にでも食べろ...
成哲がいくらすすめても無駄だった。
ヤムジョンは出発の準備をするときになって、やっと起きあが...
「どう、歩けそう」
茂英が聞いた。
「歩けるだけ歩かなくちゃ。1人でここに寝ているわけにはいか...
勇日と永洙も身支度をした。
成哲は心配でならなかった。
いまは病人が4人だが、このまま行軍をつづけたら、もっと増え...
出発に先立って成哲はまず、鳥やけだものが集まる場所を注意...
結局小さい子らと病人は年上の子を1人つけて、みなが帰るまで...
成哲は病人を残して行くのが心配だったが、探険を他人に任せ...
さて、いよいよ出発というときに、達柱が草むらに寝転んだま...
手で目のあたりをおおっていたので、眠っているのか、ただ寝...
「おい、出発だ。早く起きろよ」
京三が肩を揺さぶったが、さっぱり反応がなかった。
「こいつ眠ってばかりいやがって、起きろったら起きろ。出発...
今度は昌植が、達柱のしりをけった。
「なにをするんだ。おれをボールだと思ってるのか」
達柱は寝転んだまま、目を怒らせた。
「ふん、タヌキ寝入りしてたんだな。お前行かないつもりなの...
「行こうと行くまいとおれの勝手だ。お前こそ、早く行けばい...
達柱はまた手で目をおおった。
「はっきり言えよ。お前は行かないつもりなのか」
昌植の声も荒かった。
「人の気持ちも知らないでなんだ。おれが行けるかどうか、そ...
達柱はぱっと起きあがると、ゴムぐつを脱ぎ、足をくるんだ布...
「さあ、よく見ろ。こんなにまめができてるのに、それでも歩...
「なんだ、それくらいのことで泣きごと言ってるのか。おれの...
昌植は草むらに座って足の裏を見せた。達柱の足よりもっとひ...
「まめがそんなにできたのに、どうして黙ってたんだ。茂英、...
「さあ、足を出すんだ」
俊浩は昌植の足のまめに針を通して、糸を短く切った。
「じきになおるよ。達柱も足を出してみな」
俊浩が近寄ると、達柱は、「余計なお世話だ」と言って、ごろ...
俊浩はあきれてその様子を見た。
「それじゃ、達柱が病人の面倒を見ることにして、俊浩はおれ...
徳善がこう提案すると、俊浩は即座に賛成した。
「なんだと、おれに子守をしろって言うのか。そのうち船が来...
「なに、船をつかまえるって」
俊浩はあっけにとられた。
「お前らは、おれを寝坊助だと思ってるらしいけど、おれはな...
「ここに残るのもいやだし、一緒に行くのもいやなら、いった...
「おれがいつ一緒に行かないって言ったんだ」
達柱は起きあがって頭をかくと、足を突きだした。俊浩はクス...
「達柱、お前の家じゃ、おばあさんがお前をネコかわいがりし...
昌植から一本やりこめられて、達注は「なに言ってやがるんだ...
行軍はつづいたが、その日もむなしくすぎ去った。
翌日も朝早く出発した。疲れはてた子どもたちは、重い足を引...
行軍はあいかわらず苦しかった。険しい谷間や斜面に密生した...
うす暗い森を通るときは、なにかに首や腕、すねをさされるの...
子どもたちは道もない密林をかき分けながら、山頂に登って行...
きょうも真っ先に頂上に登り、両手を振って万歳を叫んだ。茂...
「やっぱり徳善が一番乗りだな」
万洙が笑顔を向けた。
「徳善が一番先に占領したんだから、この峰を徳善峰と呼ぼう...
昌植は、探険家が島や大陸や海峡を発見すれば、その名がつけ...
「徳善峰か。それはいい。また呼びやすいしな」
成哲の言葉にみなうなずいた。
成哲は島を見わたした。
東と北の岸がずっと遠くにあるのをみると、かなり大きい島だ...
「木がこんなに茂って、地味もよさそうなのに、どうして人間...
徳善が成哲に言った。
「ここだけじゃないよ。この島より大きくて木が茂り、地下資...
こんな話をやりとりしているあいだ、ほかの少年たちは高い峰...
だが成哲の心は晴れなかった。
かれは近くに大陸があったら、という一縷の希望をいだいてい...
もう助け船を待つほかなかった。まずほら穴と泉を見つけるこ...
「ここでひと休みしながら、昼飯を食ベようじゃないか」
みなはさっそく大きな岩の前に場所を取って、弁当包みをほど...
「きようの昼は、達柱が水筒を出す番だよ」と、万洙が言った。
唇が乾き、のどが焼けつきそうなのをがまんしていた子どもた...
ところが、達柱は茂漢の顔を盗み見るばかりで、水筒を出そう...
「どうしたんだ」
かれは自分の様子を見守っている万洙の問いにも、うなだれた...
「おれが出してやろう」
隣にいた京三が、達柱の背負い袋から水筒を取りだした。そし...
「からっぽだよ。ほら」
京三は水筒を突きだして振ってみせた。水筒を受け取った成哲...
「おい、達柱。気は確かなのか。いったいなんてことだ」
めったなことでは腹を立てない成哲が、達柱の前に水筒を投げ...
「この野郎」
昌植はさっと立ちあがって、達柱の胸ぐらをつかんだ。万洙も...
達柱は手向かおうとしなかった。
「手を放せよ」
成哲が昌植の手をほどいた。
「お前、ただではすまんと思えよ」
昌植はこぶしをふるわせて、達柱をにらんだ。
「みな座れ」
成哲の激した声に、昌植はため息をついて座った。
達柱は一歩あとずさりして、岩に腰かけた。万洙はいまいまし...
「達柱、お前はどうする気なんだ。自分さえ生き残れば、ほか...
声は高くなかったが、成哲の口調はきびしかった。
達柱の顔が真っ赤になり、唇がひきつった。みなの視線をまと...
「なにも、おれだけ生きようとしたんじゃないんだ。 のどが乾...
達柱はからの水筒を力なく振ってみせた。
「なんだと、唇をぬらした。でたらめもいいかげんにしろ」&br;
「お前だけのどが乾いていると思っているのか。おれも唇がか...
「水筒をからっぽにしながら、よくもぬけぬけとそんなことが...
「いますぐどこかへ行って、水をくんで来い」
みながかんかんになっているのを、黙って見ていた茂漢が口を...
「のどが乾いてたまらないので、少しずつ飲んだっていうのに...
「お前はまたなんだ。その言いぐさは・・・」
昌植が腹立ちまぎれに、茂漢にくってかかった。
「なんだとはなんだ。人間だ」
茂漢の声も荒くなった。
「それを聞いてるのか。どうしてお前は、約束を破って水を全...
「なに、おれが達柱の水を飲んだって？ おい、人を馬鹿にす...
「いいかげんもくそもあるものか。水がどんなに大切か知って...
「泉を見つければいいじゃないか。それぐらいのことで、あん...
「泉を見つければいいって？ そんならお前はこれまで本気で...
茂漢は昌植のその言葉にとりあわなかったが、心はおだやかで...
（ふん、おれが見つけられないと思ってるのか。どんなことが...
茂漢の頭に1つの考えがひらめいた。谷間をしんぼうづよく探せ...
（きっと泉を見つけて達柱をなぐさめてやり、あいつをいじめ...
このとき、成哲がなだめるように言った。
「飲んじゃった水について、とやかく言ってもはじまらないさ...
成哲は腹が立つのをこらえて包みを広げ、焼き魚をちぎりはじ...
「ちくしょう、一食抜いたからって死にはしないだろう。おれ...
昌植は焼き魚を包み直した。
茂漢は風呂敷をほどこうともしないで、からの水筒を肩にかけ...
「おい飯も食わないでどこへ行くんだ」と、成哲が声をかけた。
「水筒一杯の水ですったもんだしてるのに、じっとしていられ...
茂漢はこう言い捨てると、あともふり返らずに、足早に谷間へ...
成哲は立ちあがってなにか言おうとしたが、茂漢の姿は見えな...
「あいつどこへ行く気なんだ？ 引っ張って来て、痛い目にあ...
徳善がげんこつを固めて、成哲に言った。
「小さい子じゃないのに、放っておけよ。キイチゴでも取って...
茂漢は昼食が終わっても戻らなかった。
物思いに沈んでいた成哲は、無意識のうちに、茂漢が消えた谷...
考えただけでもぞっとする。
水の入った水筒がまだいくつかあるが、それは1日分かせいぜい...
そのときまで泉が見つからなかったら、おれたちはどうなるだ...
しかしそれもなくなったらどうするのだ。飲み水がないばかり...
それではあまりにも残酷すぎる。
ふと勇日と永洙の姿が浮かんだ。約束を守って、潮水を飲みな...
（おれたちのなかには、そういう子も大勢いるんだ。それに見...
成哲はもとの場所へ戻った。茂漢はまだ帰っていなかった。
かなり時間がたったが、やはり姿を見せなかった。
泣いている茂英を気の毒そうに見ていた成哲は、急に不安にな...
「じっとしていないで、茂漢を探そう」
成哲が立ち上がると、みなぶつぶつ言いながらも、その言葉に...
（芸術）
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//（芸術 2020.08.22）
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