朝鮮民話「恩知らずのトラ」 をテンプレートにして作成
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*朝鮮民話「恩知らずのトラ」 [#c5948b5a]
クァンモ峰のいただきにほら穴が一つありますが、むかし、そ...
トラはそこで、毎日食べては眠るだけの味気ない暮らしをして...
ある日、ノロの足をたいらげたトラは、なにかたいくつしのぎ...
（この年になるまで広い世間も知らずに、むだな歳月を送った...
目をパチパチさせてこう考えたトラは、やがてのっそりと立ち...
トラは、昼は狩人の目をさけて森にかくれ、夜は谷を抜けて10...
高くそびえる峰、清い谷のせせらぎ、びょうぶをめぐらしたよ...
谷から谷へとその見事な景色を見てまわったトラは、タンバル...
ところが、そのあいだ幾日も休まずに歩いたので、さすがのト...
それで、なにか餌はないものかとあたりを見まわしていると、...
耳をそばだてて、声のする方へのそりのそりと歩いていったト...
久しぶりに餌を見つけたトラの腹の虫がグウグウ鳴りました。
さっそく子犬にとびかかろうとした瞬間、不吉な予感が頭をか...
（飼い犬が山の中にいるなんておかしいぞ。人間はずるいから...
こういうときには、ひもじくても用心が肝心だと思いなおした...
でもこのまま引きさがるのは残念だし、山の王さまのこけんに...
（ここでうしろを見せるのは、トラの名おれというものだ。わ...
カーッと頭にきたトラは、「ウォーッ」と山がくずれるような...
一瞬、ガタンと音をたてて戸がしまり、トラは身動きができな...
びっくりぎょうてんしたトラは、するどい爪で壁をひっかきな...
トラは目の前が真っ暗になりました。これでは、とても助かり...
「ほとけさま、あわれなトラを助けてください」
トラは前足をすりあわせ、泣き声をあげて、いっしょうけんめ...
トラは一日中檻の中にとじこめられていました。すっかりあき...
トラはほそ目をあけて、音のする方をうかがいました。細道を...
「ここであの男の手にかかって死ぬのか。せめて思いっきりほ...
トラは声をふりしぼって、「ウォーッ」とほえました。
肝をつぶした男は、その場に立ちすくんでしまいました。それ...
山で暮らしているトラは、お坊さんが生き物をあわれむことを...
「なさけ深いお坊さま、クムガン山に修業にいく道中で、運悪...
トラの話を聞いてお坊さんは、立ち止まりました。
（すんでに、罪をおかすところだったわい。あれをおきざりに...
一生をほとけに仕えてきたお坊さんはこう心でつぶやいて、ト...
「助けてやったら、わしを食い殺しはしないだろうね」&br;
「め、めっそうもない。いくらけだものだって、命の恩人にそ...
トラがしきりに哀願するので、お坊さんは戸をあけてやりまし...
「おかげさまで命拾いをしました。このご恩をどうお返しした...
頭を地面にすりつけて礼を言ったトラは、森に向かって歩き出...
「お坊さま、もう一つよいことをしてください」&br;
「よいこととはなんのことじゃ」&br;
「ほとけさまにお仕えするお坊さまが、それをおたずねになる...
トラは本性を現して、ぬけぬけと言い放ちました。
「恩知らずめ。畜生とはいえ、恩を仇で返すとはなんと恥知ら...
あっけにとられたお坊さんは、声をあらげて叱りました。
トラは、たけだけしく言い返しました。
「このおいぼれめ。ほとけの教えを守ろうというのがなんで悪...
#ref(ike240620003_001.jpg,wrap,around,right,165x120)
トラは真っ赤な口をあけて、お坊さんに噛みつこうとしました。
せっぱつまったお坊さんは、トラに言いました。
「ひもじいだろうが、わたしを食べてもたたりがないか、誰か...
たたりと聞いてトラは、背すじがひやりとしました。
「それもそうだな」
さきほど、かるはずみなことをしてわなにかかったトラは、用...
お坊さんは、そばのツタに声をかけました。
「わなにかかったあのトラを助けてやったら、わしを食い殺す...
ツタは体をよじらせて、にくにくしげに答えました。
「坊主なんか、見ただけでもむなくそが悪くなるわ。人間ども...
トラはツタの答えを聞くと、きばをむきだしてお坊さんに飛び...
お坊さんは、もういちど頼みました。
「それはツタの思いちがいだ。今度はあのウサギに聞いてみよ...
お坊さんは、ウサギにたずねました。
「わなにかかったトラを助けてやったら、わしを食い殺すとい...
横からトラが口をはさみました。
「ひもじいものに食べ物をほどこせというのは、ほとけさまの...
#clear
#ref(ike240620003_002.jpg,wrap,around,right,78x120)
ウサギはけげんそうに耳をかしげて、たずねました。
「話を聞いただけでは様子がわからないな。どんなふうだった...
トラとお坊さんは、そうすることにしました。檻に向かってか...
「じゃ、戸はどのようにしまっていたんだい？」
お坊さんは、元どおり戸をしっかりしめました。
それを見てウサギははじけるような声で笑いました。
「わかったよ。さあ、助けるなり、かみつくなり、好きなよう...
「ウォーッ」
トラは檻の中でほえましたが、あとの祭でした。
「どうもありがとう」
あやうく虎口を逃れたお坊さんは、ウサギの頭をなでました。
「悪者になさけをかけてはいけない、ということを忘れないで...
「もう、お前のような恩知らずを助けてくれる者はいないぞ」
ウサギは、ピョンピョンと森へかけていきました。
檻の中のトラは、それ以上、クムガン山見物もできず、狩人の...
#clear
（コンテンツ―本）
RIGHT:'''2024.07.03の記事'''
LEFT:[[朝鮮民話（一覧）>た行#id174c41]]
#br
----
#include(vok_navi01,notitle)
//（コンテンツ―本 2024.07.03）
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*朝鮮民話「恩知らずのトラ」 [#c5948b5a]
クァンモ峰のいただきにほら穴が一つありますが、むかし、そ...
トラはそこで、毎日食べては眠るだけの味気ない暮らしをして...
ある日、ノロの足をたいらげたトラは、なにかたいくつしのぎ...
（この年になるまで広い世間も知らずに、むだな歳月を送った...
目をパチパチさせてこう考えたトラは、やがてのっそりと立ち...
トラは、昼は狩人の目をさけて森にかくれ、夜は谷を抜けて10...
高くそびえる峰、清い谷のせせらぎ、びょうぶをめぐらしたよ...
谷から谷へとその見事な景色を見てまわったトラは、タンバル...
ところが、そのあいだ幾日も休まずに歩いたので、さすがのト...
それで、なにか餌はないものかとあたりを見まわしていると、...
耳をそばだてて、声のする方へのそりのそりと歩いていったト...
久しぶりに餌を見つけたトラの腹の虫がグウグウ鳴りました。
さっそく子犬にとびかかろうとした瞬間、不吉な予感が頭をか...
（飼い犬が山の中にいるなんておかしいぞ。人間はずるいから...
こういうときには、ひもじくても用心が肝心だと思いなおした...
でもこのまま引きさがるのは残念だし、山の王さまのこけんに...
（ここでうしろを見せるのは、トラの名おれというものだ。わ...
カーッと頭にきたトラは、「ウォーッ」と山がくずれるような...
一瞬、ガタンと音をたてて戸がしまり、トラは身動きができな...
びっくりぎょうてんしたトラは、するどい爪で壁をひっかきな...
トラは目の前が真っ暗になりました。これでは、とても助かり...
「ほとけさま、あわれなトラを助けてください」
トラは前足をすりあわせ、泣き声をあげて、いっしょうけんめ...
トラは一日中檻の中にとじこめられていました。すっかりあき...
トラはほそ目をあけて、音のする方をうかがいました。細道を...
「ここであの男の手にかかって死ぬのか。せめて思いっきりほ...
トラは声をふりしぼって、「ウォーッ」とほえました。
肝をつぶした男は、その場に立ちすくんでしまいました。それ...
山で暮らしているトラは、お坊さんが生き物をあわれむことを...
「なさけ深いお坊さま、クムガン山に修業にいく道中で、運悪...
トラの話を聞いてお坊さんは、立ち止まりました。
（すんでに、罪をおかすところだったわい。あれをおきざりに...
一生をほとけに仕えてきたお坊さんはこう心でつぶやいて、ト...
「助けてやったら、わしを食い殺しはしないだろうね」&br;
「め、めっそうもない。いくらけだものだって、命の恩人にそ...
トラがしきりに哀願するので、お坊さんは戸をあけてやりまし...
「おかげさまで命拾いをしました。このご恩をどうお返しした...
頭を地面にすりつけて礼を言ったトラは、森に向かって歩き出...
「お坊さま、もう一つよいことをしてください」&br;
「よいこととはなんのことじゃ」&br;
「ほとけさまにお仕えするお坊さまが、それをおたずねになる...
トラは本性を現して、ぬけぬけと言い放ちました。
「恩知らずめ。畜生とはいえ、恩を仇で返すとはなんと恥知ら...
あっけにとられたお坊さんは、声をあらげて叱りました。
トラは、たけだけしく言い返しました。
「このおいぼれめ。ほとけの教えを守ろうというのがなんで悪...
#ref(ike240620003_001.jpg,wrap,around,right,165x120)
トラは真っ赤な口をあけて、お坊さんに噛みつこうとしました。
せっぱつまったお坊さんは、トラに言いました。
「ひもじいだろうが、わたしを食べてもたたりがないか、誰か...
たたりと聞いてトラは、背すじがひやりとしました。
「それもそうだな」
さきほど、かるはずみなことをしてわなにかかったトラは、用...
お坊さんは、そばのツタに声をかけました。
「わなにかかったあのトラを助けてやったら、わしを食い殺す...
ツタは体をよじらせて、にくにくしげに答えました。
「坊主なんか、見ただけでもむなくそが悪くなるわ。人間ども...
トラはツタの答えを聞くと、きばをむきだしてお坊さんに飛び...
お坊さんは、もういちど頼みました。
「それはツタの思いちがいだ。今度はあのウサギに聞いてみよ...
お坊さんは、ウサギにたずねました。
「わなにかかったトラを助けてやったら、わしを食い殺すとい...
横からトラが口をはさみました。
「ひもじいものに食べ物をほどこせというのは、ほとけさまの...
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ウサギはけげんそうに耳をかしげて、たずねました。
「話を聞いただけでは様子がわからないな。どんなふうだった...
トラとお坊さんは、そうすることにしました。檻に向かってか...
「じゃ、戸はどのようにしまっていたんだい？」
お坊さんは、元どおり戸をしっかりしめました。
それを見てウサギははじけるような声で笑いました。
「わかったよ。さあ、助けるなり、かみつくなり、好きなよう...
「ウォーッ」
トラは檻の中でほえましたが、あとの祭でした。
「どうもありがとう」
あやうく虎口を逃れたお坊さんは、ウサギの頭をなでました。
「悪者になさけをかけてはいけない、ということを忘れないで...
「もう、お前のような恩知らずを助けてくれる者はいないぞ」
ウサギは、ピョンピョンと森へかけていきました。
檻の中のトラは、それ以上、クムガン山見物もできず、狩人の...
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（コンテンツ―本）
RIGHT:'''2024.07.03の記事'''
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