朝鮮民話「不思議な筆」 をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
|
ログイン
]
開始行:
*朝鮮民話「不思議な筆」 [#h4e9a0b1]
ある山里にチョンドンというひとり者の下男が住んでいました。
かれは絵を描くのが好きでしたが、貧しくて筆が買えませんで...
こうして3年の間、熱心に腕をみがいたかいがあって、かれの描...
それで村人たちは、かれのところへ紙を持ってきては絵を描い...
#ref(ike240621002_001.jpg,wrap,120x120)
「筆があったらなあ」
チョンドンは筆が欲しくてたまりませんでした。
そんなある日、山へ柴刈りに行ったかれは、木にもたれて休ん...
「チョンドン！ 何をそんなに心配しているの」&br;
「母さん、村人に絵を描いてあげたいのですが、筆がないので...
「それは感心ね。しばらく待っておくれ」
こう言って姿を消した母は、まもなく筆を持ってきました。
「さあ、これ」
母は金色の筆をさし出しました。
#ref(ike240621002_002.jpg,wrap,120x120)
「やー、筆だ」
チョンドンは歓声をあげました。その拍子に夢がさめ、母の姿...
「母さん、ありがとう」
あの世でも自分を思ってくれる母がありがたくて、チョンドン...
村に帰ったチョンドンは村人に頼まれた絵を描きました。最初...
#ref(ike240621002_003.jpg,wrap,120x120)
つぎはツルを描きましたが、筆をおくがはやいか空に飛び立っ...
そのとき、中二階で寝そべっていた地主がその光景を目にして...
（下男のくせに、あんな宝をもっているとはけしからん）
地主の胸に、よこしまな考えがむらむらと起こりました。
#ref(ike240621002_004.jpg,wrap,320x120)
「こら、筆をどこで手に入れた。こっちへよこせ！」
地主は部屋の中へ入ってわめきました。
「いやです。これはお母さんがくれたんです」
チョンドンは奪われまいと筆をしっかり握りました。
「ウソつけ！死んだ母がどうやって筆をくれるのだ」
地主はやにわに筆を取り上げようとしました。チョンドンは部...
「待て！」
地主はものすごい見幕で追いかけてきます。チョンドンは村外...
チョンドンはすばやく金色の馬を描きました。
「ヒヒーン」
金色の馬は高くいななくと口から火を、耳から煙を吐き出しま...
「待て！…」
地主はチョンドンを追いながら怒鳴りました。チョンドンは矢...
「ヒューン」
額に矢が突きささった地主は、悲鳴をあげて馬から落ちると、...
農民は牛やすきがないので鍬で畑を耕し、子どもたちは服がな...
チョンドンは気の毒な村人たちのために、筆を取り出すと絵を...
牛のない家には雄牛を、すきのない家にはすきを、米の切れた...
ところである日、村に立ち寄った行商人が、そのうわさを広め...
「チョンドンを捕らえてこい」
王さまの命令でチョンドンは宮殿に引き立てられました。
「うわさによれば、お前は動く絵を描くそうだが、どれ、ここ...
王さまが言いました。
チョンドンは筆を取ってガマを描きました。すると、うす気味...
「あの不届き者を牢屋にぶちこめ」
臣下が駆け寄って筆を取り上げ、チョンドンを牢屋に入れてし...
金色の筆を手に入れた王さまは、ひげをなでながら何を描こう...
「うーむ、世の中でもっとも尊いものは金じゃ。金塊を描くと...
王さまはどんぶりほどもある金の塊を描きました。ところがど...
「これはきっと、絵がうまく描けなかったからにちがいない。...
足をもみながら王さまはつぶやきました。
王さまはくねくねと曲がった木を描きました。するとそれはヘ...
「ひゃー」
びっくりした王さまは、体をひるがえして逃げ出しました。三...
「わしの言うことをよく聞けば、宮殿でぜいたくに暮らせるよ...
「どんな湖ですか」&br;
「湖のほとりに柳が茂り、清い水をたたえた湖を描くのじゃ」
チョンドンは霧の立ちこめた広い湖を描きました。王さまは満...
「魚がなくちゃものたりん。魚も描くのだ」
チョンドンは筆を取って湖にいくつも点を打ちました。すると...
王さまはまた、満足そうにひげをなでおろしました。
「湖を見たら船遊びがしたくなった。湖に船を浮かべるのだ」
チョンドンが筆をふるうと湖に船が浮かびました。船にのって...
「波が立たないので興がわかん。船がゆれるようにせよ」
チョンドンが筆を振りまわすと湖にさざ波が立ちました。
「波がおだやかでおもしろくない。もう少し波を高くするのだ」
そこでチョンドンは勢いよく筆を振りまわしました。すると山...
#ref(ike240621002_005.jpg,wrap,150x120)
チョンドンは金色の馬にまたがって村に帰り、勤勉な村人たち...
（コンテンツ―本）
RIGHT:'''2024.07.11の記事'''
LEFT:[[朝鮮民話（一覧）>た行#id174c41]]
#br
----
#include(vok_navi01,notitle)
//（コンテンツ―本 2024.07.11）
終了行:
*朝鮮民話「不思議な筆」 [#h4e9a0b1]
ある山里にチョンドンというひとり者の下男が住んでいました。
かれは絵を描くのが好きでしたが、貧しくて筆が買えませんで...
こうして3年の間、熱心に腕をみがいたかいがあって、かれの描...
それで村人たちは、かれのところへ紙を持ってきては絵を描い...
#ref(ike240621002_001.jpg,wrap,120x120)
「筆があったらなあ」
チョンドンは筆が欲しくてたまりませんでした。
そんなある日、山へ柴刈りに行ったかれは、木にもたれて休ん...
「チョンドン！ 何をそんなに心配しているの」&br;
「母さん、村人に絵を描いてあげたいのですが、筆がないので...
「それは感心ね。しばらく待っておくれ」
こう言って姿を消した母は、まもなく筆を持ってきました。
「さあ、これ」
母は金色の筆をさし出しました。
#ref(ike240621002_002.jpg,wrap,120x120)
「やー、筆だ」
チョンドンは歓声をあげました。その拍子に夢がさめ、母の姿...
「母さん、ありがとう」
あの世でも自分を思ってくれる母がありがたくて、チョンドン...
村に帰ったチョンドンは村人に頼まれた絵を描きました。最初...
#ref(ike240621002_003.jpg,wrap,120x120)
つぎはツルを描きましたが、筆をおくがはやいか空に飛び立っ...
そのとき、中二階で寝そべっていた地主がその光景を目にして...
（下男のくせに、あんな宝をもっているとはけしからん）
地主の胸に、よこしまな考えがむらむらと起こりました。
#ref(ike240621002_004.jpg,wrap,320x120)
「こら、筆をどこで手に入れた。こっちへよこせ！」
地主は部屋の中へ入ってわめきました。
「いやです。これはお母さんがくれたんです」
チョンドンは奪われまいと筆をしっかり握りました。
「ウソつけ！死んだ母がどうやって筆をくれるのだ」
地主はやにわに筆を取り上げようとしました。チョンドンは部...
「待て！」
地主はものすごい見幕で追いかけてきます。チョンドンは村外...
チョンドンはすばやく金色の馬を描きました。
「ヒヒーン」
金色の馬は高くいななくと口から火を、耳から煙を吐き出しま...
「待て！…」
地主はチョンドンを追いながら怒鳴りました。チョンドンは矢...
「ヒューン」
額に矢が突きささった地主は、悲鳴をあげて馬から落ちると、...
農民は牛やすきがないので鍬で畑を耕し、子どもたちは服がな...
チョンドンは気の毒な村人たちのために、筆を取り出すと絵を...
牛のない家には雄牛を、すきのない家にはすきを、米の切れた...
ところである日、村に立ち寄った行商人が、そのうわさを広め...
「チョンドンを捕らえてこい」
王さまの命令でチョンドンは宮殿に引き立てられました。
「うわさによれば、お前は動く絵を描くそうだが、どれ、ここ...
王さまが言いました。
チョンドンは筆を取ってガマを描きました。すると、うす気味...
「あの不届き者を牢屋にぶちこめ」
臣下が駆け寄って筆を取り上げ、チョンドンを牢屋に入れてし...
金色の筆を手に入れた王さまは、ひげをなでながら何を描こう...
「うーむ、世の中でもっとも尊いものは金じゃ。金塊を描くと...
王さまはどんぶりほどもある金の塊を描きました。ところがど...
「これはきっと、絵がうまく描けなかったからにちがいない。...
足をもみながら王さまはつぶやきました。
王さまはくねくねと曲がった木を描きました。するとそれはヘ...
「ひゃー」
びっくりした王さまは、体をひるがえして逃げ出しました。三...
「わしの言うことをよく聞けば、宮殿でぜいたくに暮らせるよ...
「どんな湖ですか」&br;
「湖のほとりに柳が茂り、清い水をたたえた湖を描くのじゃ」
チョンドンは霧の立ちこめた広い湖を描きました。王さまは満...
「魚がなくちゃものたりん。魚も描くのだ」
チョンドンは筆を取って湖にいくつも点を打ちました。すると...
王さまはまた、満足そうにひげをなでおろしました。
「湖を見たら船遊びがしたくなった。湖に船を浮かべるのだ」
チョンドンが筆をふるうと湖に船が浮かびました。船にのって...
「波が立たないので興がわかん。船がゆれるようにせよ」
チョンドンが筆を振りまわすと湖にさざ波が立ちました。
「波がおだやかでおもしろくない。もう少し波を高くするのだ」
そこでチョンドンは勢いよく筆を振りまわしました。すると山...
#ref(ike240621002_005.jpg,wrap,150x120)
チョンドンは金色の馬にまたがって村に帰り、勤勉な村人たち...
（コンテンツ―本）
RIGHT:'''2024.07.11の記事'''
LEFT:[[朝鮮民話（一覧）>た行#id174c41]]
#br
----
#include(vok_navi01,notitle)
//（コンテンツ―本 2024.07.11）
ページ名:
![[PukiWiki]](image/pukiwiki.png "[PukiWiki]")
