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*北朝鮮の政治情勢 [#wb31be29]
'' 南北朝鮮政党・大衆団体代表者連席会議でおこなった報告''&br;
'''1948年4月21日'''

''金日成''


代表のみなさん！

私は北朝鮮の情勢について報告をおこなう前に、この会議の政治的意義について若干ふれたいと思います。

このたびの会議は、国内的にも国際的にも大きな意義をもっています。この会議の意義はなによりもまず、祖国が日本帝国主義の植民地支配から解放されて以来、南北朝鮮の政党、大衆団体の代表が初めて一堂に会したことであります。南北連席会議の意義はまた、アメリカ帝国主義者が祖国の南半部を占領して植民地化しようとする企みが公然化している状況にあって、すなわち祖国分裂の危険が迫っている重大な時期に開かれたことであります。

この歴史的な会議で、我々は南北朝鮮の政治情勢を忌憚なく討議し、民族分裂の危機を打開する根本的な対策を講じるべきであります。

みなさん！

現在、祖国の政治情勢は、極めて複雑かつ先鋭化しています。アメリカ帝国主義者は、親日派、民族反逆者の支持を受けて朝鮮民族を分裂させ、朝鮮を植民地化しようと画策しています。かれらは、この凶悪な野望を実現するために「国連臨時朝鮮委員団」の監視下で、南朝鮮に「全民族的政府」をつくるための単独選挙を実施しようと画策しています。３千万朝鮮民族には、再び奴隷化の危険が迫っています。こうした情勢のもとで、アメリカ帝国主義者の植民地政策に反対する朝鮮人民のたたかいは空前の高まりをみせています。南朝鮮の「選挙」劇に反対し、統一独立の民主朝鮮を建設しようというスローガンのもとに、アメリカ帝国主義者の植民地従属化政策に反対して起こった朝鮮人民のたたかいは大きな威力を発揮しています。

祖国の政治情勢における特異な点は、５千年の長い歴史をもつ３千万朝鮮民族が３８度線を境にして人為的に分断されていることであります。朝鮮人民は南北に分断された状況にあって、祖国の栄誉と自由、独立をめざしてたたかっています。

北朝鮮人民は、国を民主的に再建する歴史的大業で、すでに大きな成果をおさめています。

しかし南朝鮮人民は、アメリカ軍に操られる反動分子の過酷な支配のもとで日本帝国主義支配当時と変わらぬ悲惨な境遇に陥っています。

我々は36年間、日本帝国主義者の植民地支配下で暮らしてきました。この36年間は、朝鮮民族にとって耐えがたい奴隷生活の日々でありました。日本帝国主義者は朝鮮に若干の工業を建設しましたが、それは朝鮮民族のためのものではなく、朝鮮の資源を収奪し朝鮮人民を搾取して、アジアにおける侵略戦争を準備するためのものでした。

当時、朝鮮人民は、日本帝国主義略奪者から過酷な搾取と抑圧を受けました。かれらは、朝鮮民族を「劣等民族」として扱い、朝鮮人を工場、企業所および国家機関の管理に参加させませんでした。

人民から離脱し、日本帝国主義の忠実な手先となった一握りの親日派、民族反逆者だけが日本帝国主義者の庇護を受けました。

日本帝国主義者は朝鮮人民の民族的自覚を麻痺させるために、５千年の長い歴史をもつ朝鮮の民族文化を抹殺しようと企て、日本の言語、風習、文化、「神道」などを朝鮮民族におしつけました。

1945年８月、祖国が日本帝国主義の支配から解放された結果、朝鮮民族の骨身にしみる蔑視と奴隷生活の時代は終わりを告げ、朝鮮人民には新しい生活の大道が開かれました。

アメリカ帝国主義侵略軍は、全く戦いもせず、戦争が終結してから南朝鮮に上陸しました。アメリカ政府とソ連政府は戦時協定にもとづき、朝鮮の国土を北緯３８度線を境界にして、北はソ連軍、南はアメリカ軍が、それぞれ責任をもつ地域に暫定的に分割したのであります。

このように３８度線は、ソ米両国間の戦時協定にもとづいて規定された暫定的な境界線でありました。

しかし現在、この３８度線は、暫定的な境界線であるよりは国境のように朝鮮を南北に分断しています。３８度線の北にソ連軍が進駐し、その南をアメリカ軍が占領したことは、南北朝鮮を相異なる方向に歩ませました。

周知のように1945年の末に、ソ連とアメリカがともに署名した朝鮮にかんするモスクワ３国外相会議の決定が採択されました。

私は、この問題について詳しく述べようとは思いません。しかし、必ず指摘すべきことは、北朝鮮にいるソ連軍はこの決定を一貫して実現させる方針をとっていますが、それとは逆に、南朝鮮を占領したアメリカ帝国主義侵略軍は、この決定を破綻させる方針をとっている事実であります。

南朝鮮の情勢については、南朝鮮から来た代表のみなさんが目撃した多くの事実を踏まえて詳しい発言があることを期待し、私は一つの実例だけを述べたいと思います。

日本帝国主義の植民地支配から祖国が解放された直後、南北朝鮮には全国各地に人民委員会が創設されはじめました。人民委員会は、人民の創意によって人民自身の手で樹立されました。これは、解放された祖国の政権機関を自分の手で組織し、秩序と生活の安定を早急に回復しようという人民の当然の要求を反映したものでありました。こうして組織された人民委員会の代表が、ソウルで全朝鮮人民委員会大会の開催をはかったことも周知の事実であります。

しかし、そのような趨勢はアメリカ帝国主義者から歓迎されませんでした。朝鮮を植民地化する悪辣な計画を実現しようと企むアメリカ帝国主義者には、政権が人民の手中にではなく、祖国と人民を裏切って帝国主義者に忠実に奉仕する民族反逆者と反動分子に掌握されることが必要でありました。そこで、かれらは、南朝鮮で乱暴きわまる方法で人民委員会を解散させました。

こうして、アメリカ軍政当局は、南朝鮮人民から主権を完全に奪い取り、モスクワ会議の決定の実行はおろか、その破綻をねらって各方面から策動しました。

南朝鮮では、人民の創意的運動によって人民政権を樹立し、祖国を民主的に再建することが不可能になりました。「国連臨時朝鮮委員団」の一代表さえも認めざるをえなかったように、南朝鮮はアメリカ帝国主義者に従属する警察「国家」となりました。

**１　北朝鮮の情勢 [#hdbe6de5]
北朝鮮の情勢は、南朝鮮のそれとは根本的に異なります。北朝鮮に進駐したソ連軍は、朝鮮にかんするモスクワ会議の決定を忠実に実行して、北朝鮮人民に広範な自由を与えました。こうして、北朝鮮人民は、みずから政権機関を組織することが可能になりました。

北朝鮮では、人民委員会が南朝鮮でのように解散させられたのではなく、広く自由な活動範囲をもつようになり、国の秩序を確立して人民生活の安定をはかれるようになりました。人民委員会の指導のもとに産業・運輸、逓信および商業を復興する壮大な建国事業が進められました。

この建国事業で人民委員会は、すでに1945年と1946年に大きな成果をおさめ、広範な人民大衆のあいだで高い権威をもつようになりました。

人民のなかから生まれた新しい幹部は、北朝鮮人民政権機関や政党、大衆団体での実際の活動過程で訓練され成長しました。人民委員会を創設するときに活動した多くの活動家が、いまではすべて人民政権機関の有能な幹部に成長しています。

日本帝国主義の支配機構を粉砕し、新しい政権機関を樹立する過程で、実際の活動を通じて点検されたこの人民政権形態が、我が国の条件に最も適した政権形態であることは、人民委員会の権威が日増しに高まっていもことによって実証されています。

北朝鮮の政治・経済・文化生活が日増しに発展するにともない、北朝鮮人民はこの政権形態を法的に固定化するために、1946年末に道・市・郡人民委員会選挙を実施し、1947年の初めには、面・里人民委員会の選挙をおこないました。

この各級人民委員会の選挙は、一般、平等、直接の原則にもとづき、秘密投票の方法で徹底して民主的に実施されました。この選挙は、朝鮮の歴史で、最も広範な人民の、自由を意思表示にもとづいた最初の民主選挙でありました。この選挙を準備し実施する活動には、北朝鮮の各階層の人民の代表や政党、大衆団体の代表が積極的に参加しました。道・市・郡人民委員会の選挙の際には、８万470名に達する人が選挙委員会に参加しました。そのうち婦人選挙委員が９％をしめました。初選挙の際、選挙規定にしたがって選挙に参加できなかった者は4387名にすぎませんでした。かれらは、親日派、精神病患者、または裁判によって選挙権を奪われた者でした。これは、選挙人総数の1000分の１にすぎません。

選挙は、全有権者の政治的熱意がもり上がるなかで実施されました。各級人民委員会の初の選挙には、有権者総数の99.6％が参加しました。これは、人民大衆のあいだで人民委員会の権威が極めて高いことを示すものであります。

道・市・郡・面・里人民委員会の選挙の結果、７万217名の委員が当選しました。この数字は,北朝鮮でいかに広範な人民大衆が政権機関に参加しているかを十分に示しています。

人民委員会は、労働者、農民、事務員、知識人、商人、企業家、宗教者など各階層の人民の代表で構成されました。人民委員会は、北朝鮮の民主的政党、大衆団体代表で構成され、選出された人民委員のうち婦人は13.5％をしめました。

1947年２月に人民委員会大会が開かれましたが、この大会は秘密投票によって北朝鮮人民政権の最高機関である北朝鮮人民会議を選挙しました。人民委員会と同様、人民会議も北朝鮮の各階層人民の代表と各政党、大衆団体の代表で構成されました。このように北朝鮮では、人民委員会の選挙が下級から上級にいたるまで徹底して民主的に実施されました。これらの選挙は、人民政権機関を法的にかためました。

各級政権機関の選挙が施行されてからすでに１年がすぎました。この１年間に人民委員会はさらに強固な組織体になりました。人民政権の幹部は、民主建設を通して豊かな経験をつみ、国の政治・経済・文化生活の複雑な問題を十分解決できる立派な才能を発揮しました。この厳然とした事実は、朝鮮民族が無能で、まだ自力では国家の管理ができないとうそぶくアメリカ帝国主義者の悪辣な宣伝を粉砕しました。

人民委員会は各方面で大きな成果をおさめましたが、なかでも最大の成果は北朝鮮で実施した民主改革であります。民主改革は、広範な人民大衆の積極的な支持のもとに人民政権によって実施されました。

民主改革の実施は、北朝鮮人民大衆の愛国的熱意を高度に高めました。人民は、みずから組織した人民委員会が、人民の念願を最も忠実に実現してくれることを現実を通じて認識するようになりました。

長いあいだの日本帝国主義の植民地支配は、民族経済と文化に悪結果を残しました。

日本帝国主義者は、朝鮮の農村に封建的関係を温存して農業の発展を阻害しました。朝鮮の農民は、日本帝国主義者と朝鮮人地主の二重の抑圧と搾取を受けました。農民は、各種の過酷な税金と略奪的な供出制度のもとで苦しみ、過酷な小作料によって破産しました。小作料は収穫高の50～90％におよびました。日本帝国主義者が発表した資料によっても、1944年に北朝鮮の穀物総収穫高216万7163トンのうち、農民は130万298トンを収奪されました。

北朝鮮の農家総数は100万4600戸でありましたが、そのうち地主は４％にすぎませんでした。このわずか４％の地主が114万4900ヘクタール、すなわち北朝鮮総耕地面積の58.2％の土地を小作に出していました。約80％の農家は土地をもたない農家で、かれらは農奴にひとしい条件で地主の土地を小作していました。したがって、解放された朝鮮の農民が土地改革を緊切に要求したのは至極当然なことであります。

北朝鮮臨時人民委員会は、1946年３月に土地改革法令を発布しました。土地改革の実施によって100万325ヘクタールの地主の土地が無償で没収され、耕作する農民に無償で分与されました。分与した総耕地面積98万1390ヘクタールのうち、２万2387ヘクタールは雇農に、60万3407ヘクタールは土地をもたない小作農に、34万5974ヘクタールは土地を少ししかもたない農民にそれぞれ分与し、9622ヘクタールは他郡に移住して農業にたずさわる地主に与えられました。土地改革の結果、70万戸以上の農家が地主の従属から解放されました。

北朝鮮臨時人民委員会は農業を発展させ、農民の生活を改善するために農業現物税にかんする法令を発布しました。

土地改革は、農民の物質・文化生活水準の急速な向上を可能にする条件をもたらしました。土地改革以後、農民の生活状態がどれほど改善されたかは、次の事実がはっきり示しています。

土地改革を実施してから1947年６月末までのわずか１年のあいだに、平安南道だけでも１万740戸の家屋が新築され、7000戸の農家が改築されましたが、新築家屋のうち7795戸は、日本帝国主義支配当時に極貧の暮らしをした元小作農の家であります。

また土地改革以後、農業生産力は急速な発展を見せています。1947年６月まで、平安南道の農民は、4766頭の牛と1880台の脱穀機をはじめ、約１万730余の農機具を購入しました。北朝鮮の農村各地で広く灌漑施設工事がおこなわれ、1947年の１年間に、２万余ヘクタールの田を灌水する55か所の灌漑工事が完成しました。

土地改革後に実施された産業、運輸、逓信、銀行の国有化は、北朝鮮における反動分子と親日派の経済的土台を除去しました。経済分野で支配力を失った反動分子と親日派は、政治的影響力もおのずと喪失しました。これは、人民大衆がたたかいとった最も重要な勝利の一つであります。

経済の命脈が人民に掌握されるようになった結果、労働者と事務員のあいだでは、我が国の歴史にかつてなかった大規模な愛国的生産運動が起こりました。

工場、企業所、鉱山、炭鉱で労働者の労働生産性がいちだんと高まりました。1947年に工業部門の労働生産性は、1946年に比べ151％に高まりました。

北朝鮮の労働者、事務員は、工業における日本帝国主義支配の悪結果を成功裏に取り除いています。

北朝鮮の労働者は、すでに1947年の初めに、日本帝国主義支配当時には生産できず日本から移入していた各種の旋盤、変圧器をはじめ、70余種の工業製品を生産しましたが、1948年にはモーター、各種電気部品、農業機械、鉱山機械をはじめ、100余種の新しい工業製品を生産するでありましょう。

日本帝国主義支配当時に、朝鮮の労働者は過酷な搾取を受けました。工場、企業所の労働者は、１日に12ないし14時間の力に余る労働を強制されました。女性労働者と未成年労働者の境遇は、さらに悲惨でした。

日本帝国主義者は、朝鮮民族の新しい世代を肉体的な不具者にかえました。労働者、事務員にたいする労働保護や社会保険制度は皆無でした。

北朝鮮臨時人民委員会が発布した労働法令によって労働者、事務員は、生活状態と労働条件を根本的に改善し、その基本的権利の保障を受けられるようになりました。

この労働法令によって労働者、事務員には、８時間労働制が実施され、有害労働をおこなう労働者には７時間労働制が実施されました。14歳から16歳までの未成年労働者には５～６時間労働制が実施され、14歳未満の少年労働は法律によって禁止されました。労働者と事務員には、１年に２週間、未成年労働者には１か月間の有給休暇制が実施され、社会保険と労働保護にかんする諸対策が講じられています。

人民経済のすべての部門が急速に発展するにともない、北朝鮮では失業者が一掃されたばかりでなく、かえって労働力の不足を感ずるようになりました。

男女平等権法令が実施された結果、北朝鮮の女性は男子と同等の権利をもって、国の政治・経済・文化生活に参加しています。9522名に及ぶ女性が人民委員として活動しており、34名の女性が人民会議代議員として活動しています。こうして、北朝鮮の女性のなかから多くの立派な社会・国家活動家が生まれています。

日本帝国主義支配下で、朝鮮民族は無知と蒙昧のなかで暮らしてきました。朝鮮総督府が発表した統計によれば、1942年に北朝鮮では1339校の小学校で63万の児童が学んでいましたが、これは全学齢児童の58％にすぎないものでした。こうして、毎年約40余万名の学齢児童が就学できませんでした。かれらは、もちろん貧しい家の子弟でありました。1942年に北朝鮮では、わずか43校の男女中学校で9560余名の生徒が学んでいましたが、貧農と労働者の子弟はほとんどいませんでした。例えば、1942年に平壌西門（ピョンヤンソムン）高等女学校の全校生647名中、労働者の娘はわずか１名、貧農の娘は２名にすぎませんでした。

教育部門で民主改革が実施された結果、広範な勤労大衆の子弟に勉学の道が開かれました。いま北朝鮮の学生総数の４分の３は、労働者や農民の子弟であります。こうして、人民教育分野でも悪どい日本帝国主義の残りかすは次第になくなりつつあります。学校網が拡げられ、教育の内容が質的に改善されています。

現在、北朝鮮の人民学校数は3008校で、就学児童数は134万余名に達しています。これは、1942年に比べ２倍以上の増加を示すものです。中学校数は629校で生徒数は25万余名に及んでいます。これは、日本帝国主義支配当時に比べ26倍以上の増加となります。

日本帝国主義支配当時には、北朝鮮に３つの中等技術専門学校と６つの師範専門学校しかありませんでしたが、いまでは44校の技術専門学校と13校の師範専門学校があります。日本帝国主義支配当時に北朝鮮には大学が１校もありませんでしたが、いまは総合大学をはじめ、１つの工科大学、１つの医科大学、３つの教員大学があります。

人民政権は、学生の学業の保障に深い配慮を払っています。北朝鮮人民委員会の決定にもとづいて、すべての大学、専門学校の学生の半数以上が国家の奨学金を受けています。人民政権が朝鮮語で書かれた教科書を出版するために大きな力を傾けた結果、1946年には400万部以上の各種教科書が出版され、1947年には753万8000部に達する75種の教科書が出版されました。

かつて、勉学の道を奪われた広範な勤労者のあいだでは日増しに知識欲が高まっています。現在139万4000余名の勤労者がハングル学校と成人学校で学んでおり、1947年にすでに80万名以上の人々が文盲から脱しました。このほかにも現在、我々は95校の成人中学校を運営しています。

日本帝国主義支配当時、北朝鮮には図書室がわずか７つしかなく図書館は１つもありませんでしたが、いまでは103の図書館と7780の民主宣伝室があります。これらの民主宣伝室は、北朝鮮の農村の各地で大衆文化のセンターとなっています。また、いたるところにクラブが建てられています。日本帝国主義支配当時、北朝鮮にはクラブが１つもありませんでしたが、いまではそれが168もあります。劇場や映画館も増えました。解放後、北朝鮮映画撮影所が新設され、すでに４、５編の記録映画を制作し、今年は劇映画を制作するはずです。北朝鮮ではこのように民族文化が急速に復興発展しています。

北朝鮮で実施された民主諸改革は、人民経済の復興発展に必要な条件をもたらしました。自立的民族経済の土台をきずき、富強な祖国を建設するための北朝鮮人民のたたかいは、1947年の生産実績にはっきりあらわれています。

1947年の主な工業製品の生産高は、1946年に比べ石炭は238％、銑鉄は233％、鋼鉄は12倍、化学肥料は195％、カーバイドは217％、日用品は116％、織物は196％にそれぞれ増えました。こうして、1947年度の人民経済復興発展計画は超過完遂されました。

さきに北朝鮮人民会議は、1948年度人民経済発展計画を承認しました。今年の第１・四半期の実績は、この計画も遂行される見通しを与えています。

人民経済がこのように発展した結果、人民に食糧と生活必需品を円滑に供給できるようになりました。労働者と事務員は、極めて廉価な生活必需品の供給を受けており、生産計画を超過遂行した労働者は追加配給まで受けています。

商業と地方産業は、人民への生活必需品の供給で大きな役割を果たしています。商業と地方産業の発展のために国営企業や消費組合ばかりでなく、法令によって企業の自由を保障されている私営商工業者も活躍しています。

1947年末に実施された貨幣交換は、労働者、事務員の実質賃金の向上に大きく寄与しました。

1948年３月に、主な生活必需品の価格は、1947年12月１日に比べて大幅に引き下げられました。

米は５升で750円（ウォン）から230円前後に、粟は５升で700円から200円前後にそれぞれ値下がりしました。

国営商業と消費組合商業、国営地方産業の発展なしには市場物価の調整はとうてい不可能であり、したがって、労働者や事務員の実質賃金が市場物価に影響されるのを防ぐことができません。それで我々は、国営商業と消費組合商業、そして国営地方産業の発展に少なからぬ関心を払いました。

北朝鮮人民委員会は、保健医療事業の改善にも深い関心を払いました。解放後２年半のあいだに国立病院は7.7倍に、そのベッド数は7.6倍に増加しました。その間、診察所と治療所は14倍も増加しました。保健医療事業のこうした発展にともなって、各種伝染病がはるかに減少しました。

解放後、極めて短いあいだに、北朝鮮人民委員会はこうした立派な業績をつみあげました。

今年の２月初めに北朝鮮人民会議は、憲法制定委員会を組織し、そこで起草した朝鮮臨時憲法草案を全人民の討議にかけることに決定しました。現在進行中の憲法草案の討議過程で注目すべき点は、北朝鮮はかりでなく南朝鮮でも絶対多数の人民が朝鮮臨時憲法の草案に熱烈に賛成していることです。それはもちろん、理由のないことではありません。それは、憲法草案が北朝鮮ですでに実施された民主諸改革を法的に固定化し、南朝鮮人民の進路を明示しているからであります。

現在、憲法制定委員会には、５万5000通の感謝文と憲法草案を支持する決議文、建議文が寄せられています。このことは、全朝鮮人民が民主憲法の制定に深い関心をもっていることを示しています。臨時憲法草案に全朝鮮人民が賛成している事実は、かれらが北朝鮮で実施された偉大な民主改革を支持しており、北朝鮮人民委員会の活動を全面的に支持していることを示しています。

みなさん！

北朝鮮の情勢にたいする正しい評価をくだすためには、北朝鮮の人民が民主主義的自主独立国家を建設するたたかいで、いかにかたく統一団結しているかについて触れる必要があります。北朝鮮人民の政治的統一は、強固な基盤をもっています。北朝鮮人民は、自己の政権機関である人民委員会を支持する基礎のうえで統一しており、民主改革を支持する基礎のうえで統一しています。

北朝鮮人民の政治的統一の結晶体は北朝鮮民主主義民族統一戦線であり、これには北朝鮮のすべての政党、大衆団体が参加しており、各階層の人民が結集しています。現在、北朝鮮民戦傘下には３つの政党と16の大衆団体、17の産業別職業同盟が結集しています。

北朝鮮の政党、大衆団体は、基本的な政治問題について同一の見解をもっています。かれらは、人民委員会と民主改革を支持し、ともに統一的民主主義自主独立国家の建設をめざしてたたかっています。北朝鮮民主主義民族統一戦線は、その傘下に600余万の組織大衆を擁しており、すでに大きな力と不抜の団結を誇示しています。それは人民委員会選挙の際、民戦が推薦した立候補者を広範な人民大衆が熱烈に支持したことに明白にあらわれています。

これらの事実は、北朝鮮のすべての人民が民主主義的自主独立国家を建設する闘争に奮起していることを物語っています。

みなさん！

北朝鮮の情勢は、要約して次のように評価することができます。

第１に、北朝鮮では政権が人民に掌握されており、人民は政治・経済・文化生活のすべての分野で完全な主人となりました。解放後の有利な条件を利用して、北朝鮮人民は自己の政権機関である人民委員会を組織し、強化発展させました。

第２に、北朝鮮では広範な人民大衆の利益に合う民主改革を実施した結果、反動の基盤が一掃されました。

第３に、北朝鮮で実施された民主改革は、人民経済の復興発展の強固な土台をきずきあげました。すでに人民経済の発展で立派な成果が達成され、人民の物質・文化生活水準が著しく向上しました。

第４に、北朝鮮でかちとられたこれらの輝かしい成果は、北朝鮮人民を人民の政権機関である人民委員会のまわりにかたく結集する強固な物質的土台となりました。

祖国の半分の領土である南朝鮮では、これとは全く異なる情勢が生まれています。南朝鮮では、権力がアメリカ帝国主義者に掌握され、人民は国を管理し、統治する可能性を奪われています。南朝鮮では民主改革が実施されず、人民の長年の宿願が成就されていません。最近アメリカ軍政当局は、南朝鮮で「農地改革」を実施すると騒いでいますが、これは南朝鮮の農民を愚弄し欺瞞するための術策にすぎません。

南朝鮮の経済は破綻し、人民生活は悪化の一途をたどっています。アメリカ軍政当局の庇護を受ける南朝鮮の反動勢力は、自由と独立、生活改善を要求してたたかう民主勢力にたいして気違いじみた攻撃を加えています。現在、南朝鮮は白昼テロリズムの乱舞する無法地帯となりました。アメリカ帝国主義者は、南朝鮮を永遠の植民地に、アジア侵略の軍事基地に変えようと画策しています。

いまや祖国は、アメリカ帝国主義の侵略のいけにえにされる重大な民族的危機にさらされています。北朝鮮人民は、３８度線の南にいる父母兄弟の運命を日夜案じており、アメリカ帝国主義者の侵略に反対し、祖国の自由と独立をめざして愛国的救国闘争を展開している南朝鮮人民に熱い同胞愛こもる声援を送っています。

北朝鮮人民は、南朝鮮人民とかたく団結し、民主主義的自主独立国家の建設をめざすたたかいに全力を尽くすでありましょう。

**２　朝鮮の分割をはかるアメリカ帝国主義者との闘争 [#w08831ea]
みなさん！

アメリカ帝国主義者は、南朝鮮に上陸した当初から悪どい侵略的目的を公然と追求してきました。

上述したように、1945年12月、モスクワで開かれたソ米英３国外相会議は朝鮮にかんする共同決定を採択しました。モスクワ３国外相会議の決定は、祖国を民主的基礎に立って自主独立国家に再建することを予定しました。しかし、この決定は実現されませんでした。２回にわたるソ米共同委員会は決裂しました。

朝鮮人民は、その原因をよく知っており、それが誰のせいであるかを明確に知っています。ソ米共同委員会が決裂した状況で1947年９月26日、ソ連政府は1948年の初めに朝鮮からソ米両国軍隊の同時撤退を提案しました。こうして、朝鮮人民には自国の問題をみずから解決する新しい道が開かれたのです。言いかえれば、自主的に最高立法機関を選挙し、統一的民主政府を樹立し、民族軍隊を創設し、いかなる外国の干渉も受けることなく、国の政治・経済生活を民主的に再建する可能性が与えられました。

全朝鮮人民は、ソ連政府のこの提案を熱烈に支持し、ソ米両軍を遅滞なく撤退させ、みずから祖国の統一問題を解決することを決心しました。

しかし、南朝鮮からアメリカ軍が撤退すれば、反人民的・売国的行為がつづけられなくなることを知っている南朝鮮の親日派、民族反逆者は、必死になってこの提案に反対しました。李承晩一味は、アメリカ軍の撤退に反対することによって、かれらがアメリカ帝国主義の忠実な手先であり、売国奴であることを重ねて内外にさらけだしました。

是が非でも、朝鮮を植民地化しようとするアメリカ帝国主義者も、やはりソ連政府の提案を拒否しました。アメリカ政府は、朝鮮問題が戦後処理問題の一つであって、国連の権限外の問題であるにもかかわらず、それを不法に国連総会に持ち込み、そこで自分に有利に朝鮮問題を処理しようと画策しました。

アメリカ政府は、国連でアメリカ独占資本家に経済的、政治的に従属させられている国の投票機を操って、朝鮮からソ米両軍を同時に撤退しようというソ連の提案を拒否し、アメリカ帝国主義の朝鮮侵略計画を庇護する不当な決議を採択させました。

周知のように、国連総会の決議にもとづいて「国連臨時朝鮮委員団」が組織されましたが、この「委員団」は朝鮮で選挙の実施、政府の樹立、民族軍隊の創設などを監視しようと企てています。朝鮮人民は、国連総会のこの決議を承認しなかったし、今後もそれを絶対に承認しないでありましょう。昨年末、国連総会でこの不当な決議が採択されたとき、南北朝鮮各地ではそれに反対する大々的なデモと大衆集会がおこなわれました。

朝鮮人民は国連総会で朝鮮問題が討議されるとき、当然、朝鮮人民の代表が招かれるものと期待しました。

国連総会でソ連代表は、朝鮮代表を参加させることなしに朝鮮問題を討議することはできないと主張しました。ソ連代表団のこの主張は、多くの民主諸国代表の支持を受けました。しかし、朝鮮における植民地従属化政策の暴露を恐れたアメリカ代表の強制によって、国連総会は朝鮮人民の代表の招請を拒否しました。これは、朝鮮人民の民族的権利を無視した不当な行為であります。

朝鮮人民は、自分の代表の参加なしに自分の運命が決定されるのを許すことができませんでした。朝鮮人民は、国連総会で朝鮮問題がこのように不法に討議されたことにたいし、民族的憤りを禁じえず、強く抗議せざるをえませんでした。

問題は、国連総会が朝鮮問題を不当な方法で討議したことだけにあるのでなく、アメリカ帝国主義者に強いられて朝鮮人民の利益に反する決議を採択したことにあります。

なぜ、このような事態が生じたのでしょうか。どうして国連総会は、朝鮮から外国軍隊を直ちに撤退させ、朝鮮民族政府の樹立を朝鮮人民自身に任せるようにという最も正しい提案を拒否し、朝鮮人民に敵対する「国運臨時朝鮮委員団」を組織する決議を採択したのでしょうか。それは、国連総会がアメリカ帝国主義の拡張政策の完全な道具になりつつあるためであり、アメリカに従属させられた国がアメリカ帝国主義者の意のままに操られているからです。

以上述べましたように、朝鮮から自国の軍隊を撤退させることは、アメリカ帝国主義の侵略政策に合致しないのであります。アメリカ帝国主義者は、朝鮮を永遠に分裂させ、南朝鮮に単独政府をうち立てようと画策しています。「国連臨時朝鮮委員団」は、朝鮮にたいするアメリカ帝国主義者の侵略政策を「合法化」し、「選挙」劇を演じて南朝鮮に単独政府を樹立しようとするアメリカ帝国主義者の侵略道具にすぎません。

朝鮮人民は「国連臨時朝鮮委員団」の目的と企図を見抜いているために、それを公然と敵視しています。朝鮮人民は、「国連臨時朝鮮委員団」が朝鮮から早急に退去することを強く要求しています。

我々は外国の干渉を受けることなく、自主的に統一的民主主義民族政府を樹立する可能性が与えられるべきだと主張します。

「国連臨時朝鮮委員団」は、全朝鮮人民が南朝鮮の単独政府樹立に絶対反対していることを目撃し、朝鮮を分断した責任から逃れるために「国連小総会」に今後の活動にたいする指示を求めました。「国連小総会」はアメリカ帝国主義者の強制によって、南朝鮮だけでも選挙を実施することを認めるようにという「国連臨時朝鮮委員団」の勧告を受け入れ、南朝鮮で単独選挙をおこない、単独政府を樹立することを決議しました。この決議は２か国の反対、11か国の棄権、31か国の賛成で採択されました。

アメリカは、「国連小総会」の構成メンバーにソ連代表と東ヨーロッパ民主諸国の代表が入っていないことをよいことにして、自国案の全面的な支持をとりつけるためにあらゆる策動をおこないましたが、「小総会」でもこの決議を全会一致で可決することはできませんでした。

「国連小総会」で朝鮮問題にかんする決議を討議した際、スウェーデンとノルウェー代表は南朝鮮における単独選挙の実施に反対しました。スウェーデン代表ゲホレブはその声明で、南朝鮮の単独選挙に反対するのは朝鮮の情勢にたいする公式資料がないばかりでなく、国際連合機構が戦後処理問題の討議の場として創設されたものではないからであると述べました。ノルウェー代表ピョン・モエは、「国連小総会」がアメリカの決議案を採択することは、国連総会が「小総会」に与えた権限を乱用するものであると主張しました。

ひいては「国連臨時朝鮮委員団」の一代表でさえ、南朝鮮で単独政府の樹立を支持する者は、アメリカの忠実な手先李承晩と朝鮮人の親日派大地主や大企業家によって結成された、金性洙の支配している韓国民主党だけであると述べました。かれはまた、南朝鮮の単独選挙による「民族政府」の樹立は、左翼や中間派ばかりでなく、多くの右翼指導者も反対していると告白せざるをえませんでした。

「国連臨時朝鮮委員団」の内部でも、南朝鮮単独選挙実施の問題について票決する際、８か国代表のうち賛成したのは４か国代表だけで、２か国代表は反対し、２か国代表は棄権しました。

しかし、「国連小総会」で主人顔のようにふるまっているアメリカ代表は、これら多くの国の代表の反対を抑えました。アメリカ帝国主義者は、仮面をかなぐりすて、南朝鮮で植民地支配を維持しようとする真の目的をさらけだし、かれらの侵略計画に有利な決議を採択するよう「国連小総会」に圧力をかけました。

現在、南朝鮮でアメリカ軍政当局は、「国連臨時朝鮮委員団」の看板のもとに南朝鮮単独選挙の準備を積極的に進めています。

**３　統一的民主政府の樹立をめざす朝鮮人民の闘争 [#iad06622]
1948年５月10日に南朝鮮で実施されようとしている単独選挙は、祖国を永遠に分断し南朝鮮をアメリカ帝国主義者の完全な植民地に、軍事基地にかえる結果をもたらすでありましょう。５千年の歴史をもつ朝鮮民族として、どうして、こうした反動的、反人民的なアメリカの侵略計画の実現を座視できるでしょうか．南北の全朝鮮人民は朝鮮にたいする外国の干渉に反対し、朝鮮からの「国連臨時朝鮮委員団」の退去を強く要求しています。南朝鮮の多数の労働者と事務員は、「国連臨時朝鮮委員団」を排撃してストライキを決行しています。それは、すでに「国連臨時朝鮮委員団」が、朝鮮の国土に足を踏み入れた当日である今年の１月８日から始まっています。

周知のように、今年の１月８日にソウルの多くの工場の労働者と事務員がストライキを断行しました。１月19日には京城（キョンソン）電気会社の労働者をはじめ、多くの労働者がストライキを起こしました。２月初旬には、南朝鮮全域で逓信・鉄道従業員の大規模なストライキが起こりました。ソウルの「朝鮮通信」の伝えるところによれば、このストライキで南朝鮮一帯の交通と通信連絡が途絶しました。

ストライキに参加した労働者は、南朝鮮駐屯アメリカ軍司令官ホッジ中将に「国連臨時朝鮮委員団」の退去とアメリカ軍の撤退を強く要求しました。

ソウル駐在のアメリカ人記者たちも、南朝鮮で「国連臨時朝鮮委員団」に反対する人民の大規模なデモがおこなわれ、警察との流血的衝突が頻発していることを報道せざるをえませんでした。

こうしたストライキは、いまでもつづいています。これについては、南朝鮮から来られたみなさんの方がもっとよく知っていることと思います。労働者ばかりでなく農民、都市の小市民、青年・学生、知識人をはじめ、南朝鮮の各階層の人民が、祖国の統一と民主的統一政府の樹立をめざしてたたかっています。

南朝鮮から来られた代表のみなさん！　祖国の分裂に反対するみなさんの英雄的な闘争にたいして、北朝鮮の全人民は熱烈な兄弟の声援を送っており、全力を尽くして支持しています。

北朝鮮人民は、南朝鮮人民とは全く異なる状況にあります。北朝鮮人民は、政権の主人となり、かれらには土地と産業が掌握されています。北朝鮮は、ゆるぎなく民主的発展の道に踏み出しており、すでに大きな成果を達成しています。

しかし、まだ南北朝鮮が統一されず、統一的民主政府が樹立されていないことは、これらの成果をさらに発展させるうえで障害となっています。

北朝鮮人民は、南朝鮮の父母兄弟とかたく団結し、南北朝鮮がひとしく民主的発展の道を歩み、南北朝鮮人民がともに自由と幸福を享受するために力強くたたかうでありましょう。

南朝鮮単独政府の樹立は、南朝鮮人民を再び植民地奴隷の境遇に陥れることになります。

北朝鮮人民は、南朝鮮単独政府の樹立に断固反対し、南北朝鮮の統一を達成するためにねばり強くたたかいつづけるでありましょう。

北朝鮮人民は、同じ血筋の南朝鮮人民とともに、朝鮮の分断をはかるアメリカ帝国主義者の侵略計画を破綻させるために、民族あげての共同闘争の展開を最も緊急な課題として提起しています。

南朝鮮で準備されている反人民的な亡国選挙を拒否し破綻させることは、現在、朝鮮民族の最大の政治的課題であります。

北朝鮮人民は、南朝鮮で強行されている「国連臨時朝鮮委員団」の犯罪的行為に反対する強力なデモや大衆集会で、また、朝鮮問題にたいする外国の干渉に反対する多くの抗議文、決議文、宣言などを通じて断固とした態度を表明しています。

北朝鮮の人民大衆は、南朝鮮の兄弟に向けて、南朝鮮の単独選挙を拒否し、祖国の自由と独立をめざす救国闘争に断固決起するよう呼びかけています。

南朝鮮から来られた代表のみなさんは、北朝鮮人民が南朝鮮の兄弟と生死苦楽をともにしながら単独選挙、単独政府に反対して、最後までたたかうであろうことを確信してもよいでしょう。

現在、南朝鮮単独選挙の実施を支持する者は、かつての宋秉畯（ソンビョンジュン）、李完用（リワンヨン）よりも極寒非道な売国奴であり民族反逆者であります。

私は、すでに売国奴李承晩について述べたことがあります。李承晩は、約40年にわたりアメリカ帝国主義者によって手なずけられた、かれらの忠実な手先であり、全民族の憎悪の的となっている売国奴であります。かれは、主人アメリカの指示であれば、どんなことでもあえてしようとしています。

我々は、こうした民族反逆者を暴露、孤立させ、全民族がかれらを憎み敵視するようにすべきであります。

それとならんで、南朝鮮単独選挙の反人民的、反民族的本質を人民のあいだにねばり強く解説すべきです。愛国者は、この単独選挙が南朝鮮を不可避的に滅亡のどろ沼に陥れ、アメリカの植民地に変えるであろうことを必ず認識しなければなりません。

心から祖国を愛する人であれば、誰もが亡国的単独選挙を断固拒否すべきであります。この民族あげての闘争で祖国と民族の運命を憂慮するすべての人は、党派や宗教の所属、政治的見解のいかんを問わず必ず団結しなければなりません。

団結こそが、我々の勝利の裏付けであります。我々は、この会合で全民族的勢力の統一と団結をかちとり、民主的統一政府樹立の歴史的大業を成就するためにいかにたたかい、なにをなすべきか、その対策を必ず講じなければなりません。

北朝鮮の政治情勢にかんする総括と当面の朝鮮民族の最も緊切な問題は、およそ以上のとおりであります。この会議で我々は、必ず祖国の政治情勢について胸襟をひらいて忌憚なく討議し、朝鮮を永遠に分裂させようとする「国連臨時朝鮮委員団」の策動と南朝鮮の単独選挙に反対してたたかう共同対策を講じるべきであります。

我々は南北朝鮮のすべての愛国的勢力を結集し、アメリカ帝国主義者の侵略的企図を破綻させるべきであります。

祖国が分裂の危機にさらされたこの重大なときに団結してたたかわず、アメリカ帝国主義者の侵略を退ける一大救国対策を講じないならば、我々は民族と子孫に永久につぐなうことのできない罪をおかすことを知るべきです。

我々は、全力を尽くして統一的自主独立国家を建設し、民主的原則を踏まえて統一政府を樹立する民族あげての闘争をくりひろげるべきであります。

民主主義統一戦線万歳！

「国連臨時朝鮮委員団」は朝鮮から退去せよ！

アメリカ帝国主義侵略者に反対して身をささげて戦っている愛国者と全朝鮮人民に勝利と栄光あれ！

北朝鮮で実施された偉大な民主改革万歳！

'''出典：『金日成著作集』4巻'''

RIGHT:'''（小林よしおの研究室）'''
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