#author("2019-09-07T17:07:07+09:00","default:pop hok","pop hok")
*日増しに表面化するロ米の軍事的対立 [#c39dc20d]
先日アメリカが、カリフォルニア州の或る島で地上発射型巡航ミサイルの発射実験を行いました。射程500キロ以上のトマホーク巡航ミサイルは地上の移動式発射台から発射されて、所定の目標に着弾しました。これはアメリカが中・短距離ミサイル廃棄条約から正式に離脱した後、初めて行われた発射実験です。

巡航ミサイルの発射実験をアメリカ国防総省が「欧州にミサイルを新たに配備する計画は無い」と説明しましたが、ロシアはこれに敏感な反応を見せています。ロシアのプーチン大統領は「アメリカの地上発射型巡航ミサイルはルーマニアに続きポーランドに配備される、欧州ミサイル防衛システムの構成要素であるMk.41ミサイル発射台から発射された」とし、「欧州にアメリカのミサイルが新たに配備される場合、傍観しないだろう」と警告しました。

一方プーチン大統領はロシア国防省と外務省をはじめ関係機関に、アメリカの巡航ミサイル発射実験が招く脅威を正確に分析し対応の措置を執る事を支持しました。アメリカのミサイルがどこに配備されようが潜在的な核攻撃の標的となり、これからも自国の安全保障の為必要な措置を執るというのがロシアの立場です。

実際上ロシアはアメリカの軍事的動きに対応措置を執っています。

ロシアは先頃、S-400高射ロケット総合隊の実弾射撃訓練を行いました。訓練で敵の最新鋭巡航ミサイルを想定した、2000キロ以上の時速で飛来する目標8機が撃ち落とされました。現在ロシア軍は53個のS-400高射ロケット総合隊大隊を持っており、来年まで56個に増やす事を計画しています。ロシア国防省は、「アメリカの巡航ミサイル発射に対応する事についてのプーチン大統領の指示が実行に移った。ロシア軍の戦力向上に引き続き拍車を掛ける」と強調しました。

アナリストは表面化するロ米の軍事的対立に懸念を表わし、「今後戦略的優位に立つ為の双方の対決が一層厳しくなるだろう」と評しています。

（時事評論）

RIGHT:'''2019.09.06 サイト音声の聞き書き'''
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