#author("2020-07-27T17:02:12+09:00","default:pop hok","pop hok")
*「朝鮮の声」郵便箱 2020.07.26 [#q8f017c1]
''呉英淑''（オ・ヨンスク）：「朝鮮の声」放送へようこそ。

''シン・ヨンイル''：「朝鮮の声」放送へようこそ。

''呉英淑''：平壌はどんよりとして雨が降ったり曇りがちの日が多いですが、皆さんの地方では如何ですか？

''シン・ヨンイル''：そうですね。雨の日は日中の気温が平年より3度位低くて、時には肌寒く感じる時もありますね。

''呉英淑''：はい。東京都のおかだしんやさん、おかだしんやさんは訪朝印象を伝えるお手紙に、こうお書きになった事があります。
>「この度の訪朝を通じて、敵対勢力の前代未聞の孤立押し潰し策動の中でも自分が選んだ道に沿って力強く前進する朝鮮の姿を、またもや目の当たりにする思いでした。今回金剛山&note{:クムガン山、금강산};に行った時、目の前に広がる351高地についての解説を聞きました。1950年代の朝鮮人民の祖国解放戦争の時、前線東部の戦術的要衝である351高地を人民軍の勇士達がたったの15分間で占めたという解説を聞いて、自ずと『その日の15分』という歌の歌詞が頭に浮かんで来ました。で、今日は牡丹峰楽団で2014年に作った歌『その日の15分』をリクエスト致します。『お望み音楽』の時間にお掛け下さるようお願いします」

''呉英淑''：おかだしんやさんのお手紙を拝聴してスタッフはすぐさま[[「お望み音楽」の時間>朝鮮の声放送2020年7月#onozomi200723]]に「その日の15分」という歌をお掛けしまして、次の機会に351高地の攻撃戦闘についてご紹介するという約束をしています。という事でこのコーナーでは、その日の351高地の戦闘に参加した平壌市&note{:ピョンヤン市、평양시};万景台区域&note{:マンギョンデ区域、만경대구역};に住む''チュ・ジェヒョン''&note{名前:聞き書きなので名前は間違えているかも知れません。};さんのお話をお送りしましょう。

**敵軍の「不撤退ライン」、「不落の要塞」は15分間で崩れた [#ic001e3e]
>「私は1950年代の祖国解放戦争の時多くの戦闘に参加しましたが、その内、1953年6月2日にあった351高地の攻撃戦闘&note{:朝鮮人民軍の一区分隊が祖国解放戦争第4段階の最後の時期に断行した戦闘である。351高地は江原道高城から南方に約5km、朝鮮東海岸から西方に約3km離れた所に位置している。1951年から351高地を占めた敵は、2年以上堅固な防御陣を構築し、「ソウルを明け渡すようなことがあっても351高地は渡さない」と喧伝しながら、この高地を「不落の要塞」、「不退転の線」と豪語した。朝鮮人民軍の一区分隊は、敵に対する強力な打撃戦を展開するという金日成主席の作戦的方針に従って、351高地に対する攻撃戦闘を行った。351高地を占領し堅持する任務を受けた区分隊は、チュチェ42（1953）年6月2日夜、火砲の強力な支援のもとに猛撃を開始してわずか15分の間に占領した。この戦闘で3名の戦闘員が火を吐く敵のトーチカをわが胸で塞いで区分隊の突撃路を開いた。主席は351高地の攻撃戦闘で区分隊の戦闘員たちが立てた偉勲を高く評価して祝賀文を送った。祝賀文を受けた区分隊の戦闘員たちは、およそ50日間にかけて敵の反撃をことごとく粉砕し、高地を誇らしく守り抜いた。南江村の人民をはじめ高城郡内の人民も351高地の勇士を支援して英雄的にたたかった。人民軍戦闘員はこの期間に、8500余名の敵兵を殺傷し、多くの戦闘技術機材を破壊、またはろ獲する戦果を収めた。351高地戦闘で偉勲を立てた14名の戦闘員に朝鮮民主主義人民共和国英雄称号が授与された。'''（Naenara）'''};についてお話しようと思います。351高地の頂点に立って北の方を眺めますと金剛山の外金剛と湖の三日浦&note{:サムイルポ、삼일포};等、海金剛が一望に出来、南の方を眺めますと敵軍が占めている12キロ余りの防御陣地が望めます。そして東の方には351高地よりやや低い無名の高地が聳えています。ざっとこう見ても351高地が戦術の面でとても重要な山である事が分かりますが、その為敵軍は「ソウルを明け渡すような事があっても351高地からは退かない」と言って2年間も堅固な防御陣地を築き、「不撤退ライン、不落の要塞」と豪語しました。

>広い塹壕とその上に丸々と張り巡らされた鉄条網、塹壕に沿って設置された20数個のトーチカ、人民軍の陣地から見上げるとすっかり蜂の巣のようでした。高地の上には坑道と結ばれた中隊長の監視所があり、塹壕の前の3条の鉄条網には照明装置と空き缶が設置されました。そして鉄条網の前と高地全体に、1平方メートル当たり3つ以上の対人地雷が埋設されていました。特にこの高地は敵軍の地上の砲部隊と飛行隊、艦砲射撃の支援を受けていました。ならば、このように敵軍の力が倍加した351高地を必ず奪い取らなければならない理由は何でしょうか？

>それは第1に、人民軍が防御に有利な位置を占める為でした。第2に、351高地を出発の拠点として攻撃を開始し、通川&note{:トンチョン、통천};から上陸する部隊と合流して人民軍部隊を包囲掃滅し、金剛山を無条件に占めようとの敵軍の腹黒い企図を徹底的に粉砕する為でした。第3には、停戦後も高城&note{:コソン、고성};の人々の安全な生活条件を保障する為でした。高地から見下ろしますと高城川原が一目で見渡せました。そこで偉大な金日成主席は351高地を必ず占める事を命令し、その栄誉の任務が私が属していた大隊に降りました。

>戦闘命令を受けた私達は任務を見事に果たす為1ヶ月間、実践さながらの強度の訓練を行ないました。6月1日、訓練を終えた私達は戦闘の為の出発陣地に着きました。私達は労働党の公開総会を開き主席の命令を無条件で実行する事を決意しました。中隊は22時頃に攻撃の準備を整えました。当時私は通信兵として戦闘に参加しました。中隊の攻撃戦闘は次のような順番で行われました。

>6月2日0時50分、砲兵の準備射撃が10分間行なわれ、次に中隊長の突撃命令によって突撃が開始されました。敵軍は照明弾を撃ち上げ、左側のトーチカは火を吐きました。戦友達は弾雨の中、少し少し前へと進みました。そうした時、敵弾が中隊長の心臓を貫通しました。私の膝元で中隊長が戦死した後、兵士達は『決戦の道へ』という歌を歌いながらまた前進し始めました。この時、連隊の工兵の''シン・ジェヨン''&note{名前:};さんが鉄条網を重症の身で覆いました。10数人の兵士達は血の涙を流しながら戦友の身を踏んで、遮断物を1つ1つ克服し始めました。敵軍の左側のトーチカが狂ったように火を吐き続けましたが、そこまでの距離は10数メートルしかありませんでした。

>第1小隊の副小隊長で労働党の党員から成る突撃隊の隊長であった''キム・インテク''&note{名前:};さんが、トーチカを我が身で塞ぎました。キムさんの軍服の中には共和国の旗がありました。こうして左側のトーチカは息が絶えましたが、今度は右側のトーチカが火を吐き始めました。右側のトーチカは私が属した戦闘序列から8メートルしかありませんでした。一番前に腹這いになっていた''キム・リョンテク''&note{名前:};さんが、我が身でそのトーチカを塞ぎました。このようにキム・インテクさんとキム・リョンテクさんは肉弾となって敵軍のトーチカを塞ぎ、突撃路を切り開きました。また突撃を開始しました。この時、高地の上でまた一つのトーチカが現われましたが、人民軍の前進を食い止める事は出来ませんでした。私達は弾雨の中、抵抗する敵軍を掃滅し高地目掛けて突進しました。そして15分間で高地を完全に占めました。私は断ち切られた通信線を結び直し、15分間で351高地を占めた事を大隊指揮部を経て最高司令部に報告しました。

>351高地の攻撃戦闘の歴史的勝利はこのように15分間でもたらされました。敵軍が難攻不落の要塞と豪語しましたが、人民軍軍人達の猛攻で351高地は15分で崩れてしまいました。351高地の攻撃戦闘の勝利は金日成主席の卓越した用兵術と、主席が人民軍軍人達もたせた思想と信念、胆力によって成されたものだと、堂々と言えるでしょう」
RIGHT:'''声：シン・ヨンイル'''
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''呉英淑''：只今まで、平壌市万景台区域に住む参戦老兵のチュ・ジェヒョンさんのお話をお送りしました。では皆さん、今日はこの辺で。次のこの時間にまたお会いしましょう。

（「朝鮮の声」郵便箱）

RIGHT:'''2020.07.24 サイト音声の聞き書き、2020.07.26 短波ラジオで放送'''
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//（「朝鮮の声」郵便箱 2020.07.24）
//[[朝鮮の声郵便箱200726]]　敵軍の「不撤退ライン」、「不落の要塞」は15分間で崩れた
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