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「リ・イジョン主任は40年余り、科学研究に勤めて多くの成果を収めました。そのどれもが国の発展に役立つものです。このような人が真の愛国者だと思います」
取材に行った時の、金日成総合大学地質学部のチョン・クムチョル学部長のお話でした。金日成総合大学地質学部の応用鉱物研究室のリ・イジョン主任は労働英雄、功労科学者称号の受賞者で博士、助教授です。リ主任の分厚い手帳にはこう書かれています。
「チュチェ70年、1981年、国内の岩石による酸素分離機の保冷剤生産。チュチェ78年、1989年、住宅用の防音材料とビニールクロスの国産化完成。チュチェ83年、1994年、国内に豊かな岩石による固体潤滑剤を生産。チュチェ94年、2005年、総合飼料添加剤の研究に成功、生産に導入」
手帳には有機農法研究の資料もありました。数年前、タニシによる有機農法の資料を読んだリ主任の考えは深まりました。
―有機農法は世界の流れとなっているが、暖かい所に住むタニシがわが国に住めるだろうか―
それは専攻の地質学とは程遠い分野でした。リ・イジョン主任のお話です。
「タニシによる有機農法を実現すれば穀物生産が増え、国が富強になると思いました。それでこれをテーマにして研究に取り組みました」
地質学者としての任務と共に新しい課題を進んで受け持ったリ主任は、ピョンアン北道*1ヨムジュ郡*2の農場にタニシ養殖場を作って研究を始めました。冬にも養殖を続けました。
チュチェ98年、2009年7月、偉大な金正日総書記はリ主任が研究をしていた協同農場を訪れました。総書記はリ主任に会って、有機農法をぜひ完成するようにといいました。
その言葉に力付けられたリ主任は、国の実情に適ったタニシの養殖、冬眠、餌の問題を解決し、理想的な有機農法の完成へと漕ぎ着けました。現在、この農法は多くの農場に導入されています。新年を迎えて農場の人たちから感謝の電話がかかって来ました。
「化学肥料を全然使わないので良いですね」、「土地が肥沃になりました」、「ヘクタール当たりの収量が前年の1.8倍、いや倍になりました」
リ主任の思いはただ一つです。
「科学者は人民に利益を与え、国の発展に寄与する時が一番嬉しい時です」
愛国の道に喜びを見出し、数十年間、ひたすらに励んで来たリ・イジョン主任の次の目標は何でしょうか。
「タニシによるサイクル生産システムの確立に力を入れて早い内に実益を得るようにすることです」
敬愛する金正恩元帥の新年の辞に接してすっかり興奮したリ主任は早速農場へ向かいました。
「英雄の称号を受けることより、その栄誉を輝かすことがもっと重要です。年を取っても心は衰えてはいけませんね。私の人生観、信念とも言えるものを詩に書いて見ました」
果てしなく遠い道
遠くても誉れある道
この身途中で倒れても
代を継いで行く
労働党についてあくまで行く
