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色とりどりの可愛い花々が咲き誇るある丘にもんき蝶*1とその友達が仲良く住んでいました。
お利口で勤勉な蝶々達は花園をきれいに手入れしました。
ところが、ある日、意地悪の雄鶏が襲い掛かり、恐ろしい爪と尖ったくちばしできれいな花々を踏みにじりました。
雄鶏が大きな翼で叩きのめしたので段だらの蝶々が地面に落ちてしまいました
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もんき蝶は段だらの蝶々を踏み潰そうとする雄鶏に怒鳴りました。
「うちの段だらに手を付けるな！」
「なんだと？この俺に大きなことを言うんだな」
怒った雄鶏は、今度はもんき蝶に襲い掛かりました。
もんき蝶は、高い木の枝にふわりと座りました。
雄鶏は、今すぐにでももんき蝶を襲うように飛び上がりましたが、すぐ石ころのように落ちてしまいました。
それ以上、飛び上がるすべがなかったのです。
（そうだ！、あいつの翼は大きいけれどよく飛べないんだ）
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友達のところへ帰ってきたもんき蝶が、力を合わせて雄鶏をひどい目に合わせようと言うと皆は小首を傾げました。
「でも、どうやって？」
もんき蝶はいらいらしました。
「私たちには、雄鶏よりもっとりっぱな翼があるんだ、私に考えがある」
立ち向かう決心を固めたもんき蝶は、威張り散らす雄鶏の前に行きました。
「ははは、こいつ、俺を倒すことができるならやってみろ」
「は、小さい奴、だれに刃向かうんだ」
雄鶏は、かっとなって、もんき蝶をはね飛ばしました。
でも、羽の間をそっと抜け出したもんき蝶は、雄鶏の頭の上で踊りました。
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雄鶏は、自分を弄んでばかりするもんき蝶を捕まえようとバタバタ飛び跳ねては「ドブン」と小川にはまりました。
すると蛙が喜んでからかいました。
はあはあ喘ぐ雄鶏を眺めながらもんき蝶は考えました。
（あいつをそのままにして置いてはまた隙を狙って襲うだろう・・・そうだ、崖っぷちに誘き出そう）
段だらの蝶もアゲハも皆がいよいよ勇気を出して勢ぞろいしました。
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一方、くたくたになって息を取り戻した雄鶏は白々しく言いました。
「お前は、本当に踊りがうまいな、どうか、ちょっとおれの近くに来て踊らないか」
「やあ、踊りがそんなに好きだと知ったなら、はじめから近くで踊ったのに」
下心を読み取ったもんき蝶は、ゆっくり踊りながら雄鶏のとさかの上にそっと座りました。
「へへへ、お前の踊りにおれの肩もむずむずするな」
雄鶏は楽しそうに翼を広げて踊り始めました。
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悪賢い雄鶏は、目玉を光らせて翼をそっと狭めました。
そして、頭の上の蝶々を瞬く間に襲いました。
でも、もんき蝶はするりと逃げ去り、雄鶏の尻尾を掴んでぶらりぶらりとブランコ乗りをしました。
頭に来た雄鶏は尻尾にぶら下がったもんき蝶を捕まえようと、ぐるぐる回りました。
その間にすばやく飛び上がったもんき蝶は段だらの蝶に囁きました。
「あいつを崖っぷちまで誘き出すには・・・分かっただろ？」
「うん、分かった」
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もんき蝶は休む暇も与えず、じらしました。
「ふん、お前みたいな奴は十、百でも掛かって来い！」
「何だと？これはまた我慢できない、お前たちを八つ裂きにしてやるぞ」
連続ひどい目にあって腹が立った雄鶏は、もんき蝶をとことん追いかけました。
気が狂いそうに走っていた雄鶏は、急に岩にぶつかりました。
気がぼうーっとなった雄鶏の前には大勢の蝶々が飛び交っていました。
「これはなんだ、蝶々の山だ」
でも、それは自分の体から抜けて飛び散る羽だったのです。
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このとき、段だらの蝶の慌てた声がしました。
「これはこれは大変だ、もんき蝶が羽を怪我したよ」
それを聞いた雄鶏は、正気に戻りました。
（なんと？そいつが怪我した？）
「もんきや、しっかりと掴まれよ、早く」
「みんな、この手を離して、そうしたら皆が死んじゃうよ」
もんき蝶と友達は互いに手を引っ張りだこして叫びました。
雄鶏は「ふふふ、もう間違いなく捕まえたな」と喜びました。
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雄鶏は「こいつ！」と叫んでばたばたと飛び上がって、もんき蝶に襲いました。
瞬間、蝶々はいっせいに空中に飛び上がり、雄鶏はくらくらっと崖下に逆さに落ちてしまいました。
雄鶏は、「どぶんー」と深い川底に沈んでしまいました。
もんき蝶は喜ぶ友達に言いました。
「自分の力を信じて頭を使えば、いくら強い敵も打ち倒すことが出来るんだよ」
みなは美しい花園を自分たちで守ろうと固く誓いました。
（コンテンツ―本）
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