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ピョンヤンのポトンガン区域*1のプルグンゴリ第2洞*2に住むキム・ギョンナムさんとキム・ヨンシルさん夫婦のことを周りの人たちは夫は詩人、妻は初の読者、と親しく呼んでいます。年寄り夫婦は詩がとても好きです。
夫のキム・ギョンナムさんのお話を聞いてみましょう。
「一般的に詩が好きで、詩を詠むのが趣味なら、詩を書いた人の叙情がそのまま、読者に移され、読者も同じ叙情に浸るものです。つまり、詩が人々に与える影響力と生命力は大きいと言うことです。それで私は人々が詩をたくさん詠んでみて、また詠むだけにとどまらず、詩も書いたら、と思っています。そうなると詩を書く私もすこぶる満足するでしょう」
キム・ギョンナムさんは専門の教育を受けた詩人ではありません。80の峠を間近にしているキムさんが今まで文を綴るのは、誰かにさせられて、さらには報酬を望んでやっていることではありません。生活がそのまま歌、詩である現実を詠いたく、定年退職後、詩の創作をもっぱらの仕事と見なしています。キムさんが手がけた詩は160編近くに達します。
妻のキム・ヨンシルさんも人一倍詩に愛着を抱いています。夫が詩を書けば一番先に詠んでみるとのことです。そういう過程が繰り返され、今は詩に対するビビッドなイメージを持っています。詩想が沸かず、夫が悩むたびにいつも助け舟を出すのは妻のキム・ヨンシルさんです。見事に綴られたのはどこの部分で、まだ足りないのは何である、と言ったふうに、読者の立場で指摘しています。夫に言わせますと、その時は手厳しい評論家みたい、とのことです。
年寄り夫婦はいつも同じ思いで詩の創作に当たっています。生活の隅々で感じたことを交わしたりして、詩にそのまま託そうとしています。このような生活がキムさん夫婦には喜び、幸せです。
詩人と初の読者、住民の間ではありふれたこととなっているこの言葉に、キムさん夫婦の多情多感な情操が映えているのではないでしょうか。
（今日の朝鮮）
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