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ファン・チョルさんは朝鮮の演劇界にれっきとした足跡を印した名優です。
朝鮮が日帝の植民地支配下にあった時、生まれたファンさんは10歳にもならないうちに両親に死に別れ、涙の中、成長しました。芸術の面では天賦の才能を持っていたファンさんは民族色の濃い演劇を創造しましたが、それらの作品は光を見ることが出来ませんでした。
偉大な金日成主席が国を解放した後のチュチェ37（1948）年から当時の国立劇場専属の俳優として活躍し、演劇俳優の名を馳せました。ファンさんは男らしい体格に優しく、流暢で魅力的な声の持ち主だったので、なかなかの演劇の役者と認められました。
そのファンさんが帝国主義連合勢力の侵略を退ける朝鮮人民の祖国解放戦争の時、敵機の空爆で不幸にも右腕を失いました。しかし、ファンさんは舞台と演劇を離れた自分の人生について片時も考えたことがありませんでした。
右手に劣らず、左手でも字を上手に書くので優れた腕前だと評価され、見事な演技で人々に愛されたのは、情熱に燃えるファンさんの血のにじむ努力の結果でした。
国立演劇団の団長、労働英雄の称号を受けた人民俳優リ・ジヨンさんのお話です。
「ファン・チョルさんは並々ならぬ芸術の才能と話術で、数十篇の演劇作品で主役に抜擢されただけでなく、そのすべての作品で個性があり、円熟した役をこなしました。代表作として演劇『リ・スンシン将軍』を上げることが出来ます。作品の主人公の役を受け持って人一倍レッスンに励み、リ・スンシン将軍の役目をとても自然に、おおらかに、見事にこなしました」
ファンさんは名優であるばかりか、貫禄ある舞台監督でもありました。ファンさんが監督に当たった演劇「幸せな私たち」、「私たちの村」、「密林」など多くの作品が人々に評価されました。
ファンさんは才能のある俳優を多く育てただけでなく、「舞台話術」、「メーキャップ論」のような論文を著し、チュチェ50（1961）年に不治の病で亡くなる直前まで脚本を書きました。ファンさんが脚本を書いて創作にも手をかけた「フンブとノルブ」と言う人形劇は第3回国際人形劇のフェスティバルで高く評価されました。
ファンさんは最高人民会議代議員、教育文化部門の責任者の1人として活躍し、演劇芸術の発展に大いに貢献しました。その功労が買われてファンさんは初の人民俳優に、祖国統一賞の受賞者になりました。金日成主席と金正日総書記はファンさんを深く信頼し、配慮の限りを尽くしました。
リ・ジヨンさんのお話です。
「金日成主席はファンさんについて何度も高く評価し、回顧録『世紀とともに』でファンさんのことを熱く思い起こしました。金正日総書記もファンさんは片方の腕がなかったが、見事な演技をこなした、才能ある立派な俳優だったと思い起こしました」
朝鮮の演劇界の名優ファン・チョルさんはその作品とともに人々の記憶に残るでしょう。
（芸術）
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