古典小説「シムチョン伝」

「シムチョン伝」は18世紀に創作されたものと知られています。当時の人々の間で広く読まれた代表的な古典小説です。

「シムチョン伝」は民間に伝わる朝鮮の女性の親孝行を語る説話に基づいて、最初はパンソリ*1、これは朝鮮の言葉ですが、演技者1人が鼓の拍子に合わせて演ずる朝鮮の民族音楽に固有な劇的内容を持つ歌です、このパンソリの台本として創作され、後に小説化されました。

社会科学院のチュチェ文学研究所の室長であるリ・ソンさんのお話です。

「古典小説『シムチョン伝』は朝鮮の民族文学史で重要な位置を占めています。小説は孝行娘の主人公シムチョンと目の不自由な父を通して、封建時代の朝鮮人民の生活境遇ときれいな精神・道徳、幸せな生活への願いを表しています。『シムチョン伝』は唱劇、これもパンソリとセリフからなる伝統的な演劇です、これと映画、演劇、舞踊劇など様々なジャンルを経て今に伝えられています」

作品のあらすじを見ますと、早くして母に死に別れ、目の不自由な父の下で困難な生活をしてきたシムチョンが、その父の目を治してあげようと、わが身を供え物にする涙ぐましい話からなっています。

小説は当代の社会で貧しい人々に強いられる不幸と朝鮮人民のきれいな道徳と人情のなんたるかをリアルに表しています。また、人々の希望で念願である幸せな生活をファンタスティックながら伝えています。

（芸術）

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*1 パンソリ（판소리）は、朝鮮の伝統的民俗芸能。19世紀に朝鮮で人気のあった音楽であり、口承文芸のひとつである。1人の歌い手（ソリックン 소리꾼）とプク（太鼓）の奏者（鼓手 コス 고수）によって奏でられる物語性のある歌と打楽器の演奏である。パンソリのパン（판）は、多くの人々が集まる場所を意味し、ソリ（소리）は音を意味する。2008年、パンソリはユネスコの無形文化遺産に登録された。（Wikipedia）
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