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ピョンヤン市*1テソン区域*2のコサン初級中学校に生徒と父兄に親しまれる乙女の教師がいます。名前はチ・リョンヒさん、25歳、チさんは、ここ数年間、片方の足のない生徒のキム・ジョンホさんを姉のように顧みています。
チ・リョンヒさんのお話です。
「教師と言うこともあって、私は道を歩く時は、生徒たちを注意深く見ています。ある日、出勤の道で、杖をつく1人の生徒が先生と友達と一緒に学校へ行くのを見ました。それからと言うもの、その生徒に何度も出会いました。ところが、私が新しく受け持ったクラスに小学校から上がったその生徒がいるのでした。手間隙かけて助けてやり、もっと努力を傾けなければ、と思いました」
キムさんは小学校に通っていた時、不慮のことで片方の足を失いました。初級中学校に進学するので、自分を心から思いやっていた小学校の受け持ちの先生と別れなければなりませんでした。キムさんはこれを非常に寂しく思っていました。また、新しいクラスメートに見くびられはしないかという思いで、少々縮こまっていました。
キムさんの両親を通じてこのことを知ったチさんは、キムさんの小学校の受け持ちの先生に代わらなければと思いました。しかし、これは容易なことではありませんでした。
定年が過ぎてもキムさんを卒業させた後に教壇を下りた小学校の受け持ちの先生は30年余り、数百人の生徒を卒業させた豊富なキャリアの教師でした。ところが、チさんは教壇にたって間もないばかりか、クラスを受け持つのも初めてでした。チさんの母もそうだし、他の教師たちも子を育てたことのない乙女には手に余るのでは、と心配しました。
しかし、チさんは実の弟のように思えばできるだろうと思いました。チさんは、朝早く、キムさんの家に行って一緒に学校に通い、雨や雪の日は自転車に乗せて通いました。学校に通いながらキムさんに歌を教えたり、簡単な数学の問題も訊いたりしました。
キムさんは次第に明るくなっていきました。知りたいことがあればためらうことなく聞いてみ、友たちとも親しくなりました。チさんは見学や自然観察の時、いつもキムさんと連れ立ち、喉自慢にも出演させ、スポーツ競技にも参加させました。クラスメートも先生を見習って、キムさんといっそう親しくなりました。キムさんは活気を取り戻すようになり、成績も目に見えて上がりました。
キム・ジョンホさんのお話です。
「私は先生とクラスメートが好きです。私を思いやり、面倒もよく見てくれます。私は先生のおっしゃる通り、勉強に励んで立派な生徒になるつもりです」
姉の思いでキムさんを暖かく抱き込んだチ・リョンヒさん。それは実に暖かいものでした。
スポーツに素質のあるキムさんは国旗を揚げる選手になりたがりました。しかし、キムさんの両親も、キムさん自身も片方の足がないので、ただの夢とばかり思っていました。けれどチさんは、社会主義のこの国では誰もが自分の夢を叶えている、決心すればやれないことなどないと勇気付けました。
そして、キムさんの夢を叶えてあげようと、人知れず苦労をしています。
「教師としてはそれが本分で義務だと思っています。キムさんが少しのかげりもなく、他の生徒同様に育つよう情熱の限りを尽くすつもりです」
（今日の朝鮮）
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