アンギョンと昔の絵「夢に見た山」

「夢に見た山」は15世紀の朝鮮の代表的な風景画のひとつです。当代の有名な画家であるアン・ギョンが描いたものです。

社会科学院歴史研究所の研究者リ・ジンソンさんのお話です。

「アン・ギョンは人物画と動物画もさることながら、特に山水画を見事に描きました。アン・ギョンは自然の風景をリアルに描くのに深い注意を向けました。その作品にはリアルな表現力と力強く美しいタッチ、豊かな情緒がそのままこめられています。それでアン・ギョンの作品は当代の画家の間で人気が上がり、朝鮮の絵画の発展にも大いに寄与しました」

代表作として「夢に見た山」、「龍」、「初冬」、「夕暮れの漁村」、「漁夫」などがあります。中でも有名なのは「夢に見た山」です。この絵は当時の王子リ・ヨンが夢に見たと言う桃の山の景色をそのまま描いたものです。アン・ギョンはこの絵をただの3日間で完成しました。

自然の春景色を美しい情緒で見せているこの絵は近景と中景、遠景が見事に生かされ、伝統的な朝鮮画の技法である集約と含蓄、省略が表現性豊かに描かれています。それで山の景色がまざまざと浮かび、渓谷を流れる水の音が今にも聞こえるようです。まるで現実を見るような錯覚まで起こします。

夢の話を再現したこの絵には神秘的なところが多少含まれていますが、当代の朝鮮のどこでも見られる農村風景がリアルに描かれています。絵の左側には当代の有名な文人学者であるチョン・リンジ、パク・ヨンなど22人が自筆で絵について書いた文があります。絵は豊かな想像力と個性的な手法で朝鮮民族の豊かな情緒と自然を愛する感情をそのまま表しています。

昔の絵「夢に見た山」は15世紀、朝鮮の風景画の発展振りを見せるものです。

2014年の記事
アンギョンとその絵
 
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