40年近くも校服の裁断師に

40年近くも校服の裁断師に

姜成姫（カン・ソンヒ、カン・ソニ）：麗らかな春の日、新調の校服姿の子供達の幸せそうな姿が人々の目を惹きます。

笑いさざめく朗らかなその姿を皆が優しい眼差しで眺めています。

中には校服の生産に従事する平壌校服工場のリ・サンファさんもいます。

幼い時母に死に別れたリさんですが、国の思い遣りで毎年校服と学用品を供給され心に一点の陰りも無い幼少期を送りました。

その配慮に報いようとリさんは18歳の娘時代から今まで40年近くも裁断師を勤めています。

「一番嬉しい時は？」と訊かれる度にリさんは「体にぴったりの校服を着ている子供達を見る時だ」と答えます。

工場に行き来する時も体に合わない校服を着た子供を見ると、家や学校まで追って行って持ち歩く巻尺で体の寸法を測ったりします。

そして裁断での欠点を見出して対策を執る為思索に耽ります。

作業班の先頭に立って合理的な裁断方法を取り入れては製品の質と速度を共に高め、作業過程に出る端切れをリサイクル化して増産に役立てるリさんを模範労働者として工場の誰もが尊敬しています。

リさんは「自分が裁断した校服に名札を付ける時は、明るく笑う子供達の笑顔が目の前に浮かぶ」と言います。

校服の裁断師という並々ならぬ誇りを胸に、自分の仕事にこの上無い生き甲斐と喜びを感じるリ・サンファさんです。

（文化―くらし）