30代の女性工学博士（1）

30代の女性工学博士（1）

選択

キムチェク工業総合大学*1の金属工学部の研究者であるキム・ヘシムさんは朝鮮の製鉄分野で輩出した30代の初の女性工学博士です。今年36歳で、教員、研究者の歴は11年しかありません。女性として並大抵でない人生の目標を30代で達成したその秘訣はいったいなんでしょう。

2004年、当時のピョンアン北道*2ウンサン郡*3のウンサン第1中学校の生徒だったキムさんは、全科目で学校のナンバーワンで、英才と呼ばれました。わけても、文学が大好きで、作文が得意でした。それで、卒業を控えて志望校の届け書に「金日成総合大学の朝鮮語文学部」と書き入れました。

キムさんの学力から、ゆうに叶えられる夢でした。しかし、選択は変りました。父の頼みがあったからです。キムさんの父は、新たな金属材料の研究に身を投じ、持病のため研究を諦めた人でした。

女流記者が夢の娘に父はこう言いました。

「誰にも選択の権利はある。しかし、国が最も関心を持って解決を待っている差し迫った問題を解決するための選択、これが真の意味での選択ではないか。今、どこでも鋼材を求めている。それで私も金属材料を選んだが、もうそれが続けられない。私が届けなかった道をお前に続けてもらいたい。もちろん、坦々たる道じゃない。一生を台無しにするかも知れない。と言って、みなが安易な選択だけをするなら、国の前進はそれだけ遅れる。私はお前が金属工学を選んで欲しい」

父の頼みを受け入れてキムさんは自分の選択を変えました。それで、キムチェク工業総合大学の金属工学部を志望しました。

大学に入学する日、キムさんは心にこう決めました。

―父の後を継いで国の金属工業の発展に清らかな心を捧げる！―

（文化―科学技術）

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