青い森のために

青い森のために

共和国のピョンアン北道*1のウンサン郡*2森林経営所には、青い森を育てるのに全てを尽くしている人がいます。功労森林監督員の称号を受けたチーフ森林官カン・ヨンスさんです。

経営所のリ・ヒャンスクさんのお話です。

「今のように青い森に移り変わったのは、ただの自然のお陰だとは言えません。生まれ育った故郷を暮らしよい所に築こうとのカンさんのような愛国者の手によって育てられたものです」

カンさんは、27年間も軍隊に勤めて帰郷した除隊将校です。カンさんの胸の中には、「森はさやぐ」という劇映画で森づくりに励む主人公の原型となる人物で、共和国初の功労森林監督員の称号を受けた父の思い出が大切にしまわれています。

軍隊服務の時、父の玉の汗が秘められた故郷を一時も忘れたことのないカンさんでした。それで、帰郷後、父のように一生を生きることを心に決めて、森林官になりました。手始めに、山々を登って、受け持つ区域の隅々にまで漏れなく目を配り、実情を具体的に把握しました。それに基づいて、植林計画を綿密に立て、森林造成と保護を日程どおりに進めました。祝日や休日返済で熱心に働きました。

春になると率先して良質の有機肥料を育苗場に運び、夏は炎天下で作業班の人たちと共に苗木畑の除草作業をしました。昼は森を育てるのに忙しく、夜はまた森林関係の書籍に読みふけりました。家族も森作りに積極的に参加するようにしました。そして、作業班のみなが愛国心を持って、苗木の肥培管理と植樹に真心を尽くすよう導きました。

妹のカン・ボムスンさんのお話です。

「ここは岩肌が目立つやせた土地なので、苗木の活着がとても難しいところでした。丹念に移植した苗木がしおれる時は、やるせない気持ちになって、すっかり落ち込んでしまいました。その度に、兄は私たちにこんな話をしました。私たちの真心が足りないので、苗木が根を下せないのだ、決して土地のよしあしには関係ない、とですね」

カンさんは、身がそのまま一本一本の苗木を肥やす滋養分となって、青い森を育てる一念で、率先して担当区域の山々をしきりに登り、丹誠を凝らして木を植え、育てました。石の上にも3年といいますが、カンさんの懸命な努力によって、長い歳月、岩肌が露出していたところにも木々が強く根を下しました。カンさんにとって、青い山は国土の一部分であり、代を継いで育てるべき国の富でした。

カンさんが受け持っているウンサン郡プクチン労働者区*3の山々には、五葉松林が青々と生い茂っています。山の所々に設定された動物保護区には、ノロじかなど多くの動物が生息し、小鳥のさえずりが森の情緒を引き立てています。屋外の挿し木場や森の間には、数十万本のチャンソン・カラマツなどの苗木が育ち、森の中の数万ヘクタールの薬草畑ではヒカゲツルニンジン、シロキキョウなど数十種の薬草が栽培されています。

カンさんのお話です。

「これからも植林に精を出して、人民生活の向上に大いに寄与する黄金の山、宝の山に造るつもりです。私たちが住んでいるプクチン労働者区だけでなく、郡内の全ての山にも近い将来、青い森が生い茂るようにするため全力をあげたいと思います」

このように一生懸命、森を育てる人たちによって、国中の森づくりのビジョンは着々と進んでいます。