遺伝子治療技術のパイオニア

遺伝子治療技術のパイオニア

朝鮮では医療科学の研究に力が入れられています。この分野の科学者たちは国の前に担った責務を果たすため鋭意努力しています。その中には金日成総合大学ピョンヤン医科大学の遺伝医学研究所実験遺伝研究室の研究者たちもいます。

研究室主任キム・イルスさんのお話です。

「研究室では医学分野の先端技術の一つである遺伝子治療技術の研究を深めています。この技術の基礎となる問題の解決に主眼を置いて研究を進めました」

研究室で遺伝子治療の研究に取り掛かったのは10数年前からでした。遺伝子治療が国の医療科学の発展で重要な位置を占めることが分かったからです。遺伝子の選択、それを運搬体に乗せて細胞に移す工程、温度や湿度、光度をコントロールする組織培養…数十万倍の電子顕微鏡で観察できるミクロの世界を紐解くことは容易ならぬものでした。

しかし、研究者たちは探究の道がどんなに険しくても、この道に国の医療科学の飛躍の土台が作られると言う事をよく知っていました。度重なる失敗にめげず、研究者たちは目標めがけてひたすら前へ前へ進みました。

やがて初の遺伝子培養に成功した研究者たちは、次は遺伝子を高い効率で細胞に入れる技術と遺伝子の大量製造工程を確立しました。そればかりか、心筋梗塞と癌など難病にも遺伝子治療がとても効果的であることを確証しました。

キム・イルスさんはこう続けます。

「私たちはこれから遺伝子治療の研究を深め、その成果を臨床に取り入れて人民の健康増進に役立たせるつもりです」