私はシンチョンの103番目の子供だった

私はシンチョンの103番目の子供だった

シンチョン博物館*1の名誉館長チュ・サンウォンさんの手記をお送りします。

「私は1950年代の祖国解放戦争の戦略的な一時的後退の時、故郷のシンチョン*2を占領したアメリカ侵略者の虐殺現場で辛うじて生き残った者です。

チュチェ39（1950）年12月初めのある深夜、私は母におぶられて兄たちと一緒に栗の木の谷にある火薬倉庫へ引っ張られました。そこには既に多くの人たちが閉じ込められていました。5歳だった私は、母の胸に抱かれて夜を明かしました。

ところが、その日が母の胸に抱かれる最後の日になるとは。ヤンキーどもは、母と子供が死ぬまで一緒にいるのは余りにも幸せなことだ、母と子供を離れ離れにして肝をつぶして死なせるべきだとし、別々の倉庫に監禁しました。

アメリカ侵略者は、一週間も子供たちに食べ物を与えませんでした。食べ物を探して倉庫をさまよう子供たちの爪は擦り切れ、膝からは血が流れて床を濡らしました。アメリカ侵略者は、このように子供たちを凍え死にさせ、飢え死にさせたことも飽き足らず、退却する時、倉庫にガソリンをかけ、火を付けました。文字通り、子供たちは動く火の塊となりました。倉庫の片隅にいた私は、他の子供たちに敷かれ、煙に窒息して意識を失いました。

胸苦しく息が詰まるようで目を開けて見ると上に重なった子供たちの死体が私を重く抑えていました。目も当てられないこのむごたらしい死体の間を四つんばいになって歩きながら全身を震わせていたことが今も忘れられません。アメリカ侵略者は、母たちにもガソリンをかけ、手榴弾まで投げて無残に虐殺しました。

このように、アメリカ侵略者によって、上の倉庫では子供たちが、下の倉庫では母たちが無残に虐殺され、102人の子供の墓と400人の母の墓が生まれました。そこには、私の母と二人の兄が安置されています。

私がこのように生き残ることが出来なかったならそこは103人の子供の墓になったことでしょう。私は、百倍、千倍、アメリカ侵略者に復讐する一念で銃を取って軍隊に服務し、除隊後、70歳が過ぎる今まで栗の木の谷の火薬倉庫の前を離れていません。

シンチョンの103番目の子供は数十年の間、このように日に何回も朝鮮人民と海外同胞、大勢の外国人の前でアメリカ侵略者の鬼畜のような行為を話しています。

今、栗の木の谷にある二つの火薬倉庫と二つの大きな墓は朝鮮だけでない世界に知られています。アメリカ侵略者がいくら罪を覆い隠そうとしてもこの地に残された血の痕跡は絶対消すことが出来ません」