祖国は人生の住処

祖国は人生の住処

ピョンヤン市*1モランボン区域*2のインフンという町に住むチェ・ユングクさんの手記をお送りしましょう。

祖国は人生の住処

「朝鮮人民が祖国解放の喜びに満ちて声を限りに万歳を叫んでいた時からもはや70年以上が過ぎました。日本帝国主義に国を奪われ、数十年もの間、奴隷の運命を強いられなければならなかった朝鮮人民が祖国解放を迎えたチュチェ34（1945）年8月15日！　声を限りに万歳を叫んでいた父と母の姿が今も目に浮かぶようです。

私の生まれ故郷はハムギョン南道*3タンチョン市*4です。日帝植民地支配の下で両親は土地がなくて地主の小作暮らしでその日その日を生き長らえていました。ところが、ある年の暴雨で家が流失し、野宿する境遇におかれました。父は生きるすべを求めて家族を連れて故郷を後にしました。行く手もなく彷徨う中、住み着いたのが中国東北地方のある山間部でした。

しかし、ここにも凶悪な日帝の手が伸びて家計に苦しまなければなりませんでした。日がな一日、苦役にさいなまれましたが、お粥一杯食べるのもままならない有様でした。両親の顔から笑いは消え去り、いつも不安と心配の色だけが漂っていました。天があり、土地はあっても、人生の住処、生存の権利まで奪われた朝鮮人民が生きる所はどこにもありませんでした。

このように悲しみや涙に暮れていたわが家に再生の希望を抱かせたのは抗日遊撃隊についての話でした。神妙な戦法で日帝を打ち破った抗日遊撃隊の勝利のニュースは私たちの心の中の希望の灯台も同じでした。待ちに待っていた祖国解放の日が訪れて始めてわが家は懐かしい祖国、生まれ育った故郷へ戻ることができました。解放された祖国は我が家に土地と新居を与えました。

新しい朝鮮での幸せに満ちた５年間は朝鮮人民に人生の尊さと尊厳の何たるかを教えてくれました。それで朝鮮人民は貴いこの幸せのために祖国解放戦争で血と生命を惜しみなく捧げて戦ったのです。私は息子や娘、そして新しい世代に良くこう言っています。偉大な金日成主席が奪われた祖国を取り戻し、人民が主人となった真の人民政権を打ち立てたので私たちの幸せな今があると。正に祖国は私たちの人生の住処です」