戦争参加者の老教授

戦争参加者の老教授

金日成総合大学ピョンヤン医科大学には、教育と医科学の発展に尽くしている老教授がいます。1950年代、アメリカの侵略を退ける朝鮮人民の祖国解放戦争の時、軍医として活躍した戦争参加者のペク・ソッキュさんです。当時、医科専門学校の3年生であったペクさんは、戦争が起きると真っ先に前線に志願しました。ペンを取っていた手に銃を取って最前線に立ちました。

ペク・ソッキュさんのお話です。

「戦争の時、私たち軍医は、薬剤も医療器具も足りませんでしたが、負傷兵たちに対する治療は絶対放棄せず、あくまで行ってみなを再び前線に立たせました。条件にかこつけて退く所がなかったわけです。試練に立ち向かって負傷兵たちを必ず蘇生させなければ、という思いだけでした。それで、何もかも足りなく、また、困難なこともありましたが、これをあくまで克服し、負傷兵たちを蘇生させて再び前線に送り出しました」

戦火の日々、ペクさんは戦闘と患者の治療での功労によって勲章を授かりました。戦後、ペクさんはピョンヤン医科大学に入学し、卒業後、この大学の教員になりました。その時から数十年間、新しい世代の教育に尽力して来ました。教え子の中には、学界で名を馳せている有名な学者が多くいます。

医科学の多くの参考書がペクさんによって執筆されました。ペクさんの功労は高く評価され、多くの勲章とともに深い配慮に浴しました。ペクさんは、昨年7月に開かれた全国戦争参加者大会に参加しました。

今、ペクさんは80歳です。しかし、ペクさんは相変わらず教育と科学研究に情熱の限りを尽くしています。ペクさんは、常に戦争の時のように生きているのかと自問自答し、気持ちを引き締めています。自分にとって教壇はすなわち戦争の時、自分が守っていた塹壕だと思っています。

砲声の鳴らない教壇ではあっても戦争の時のように教育者の良心と実力を持ってより多くの医学の人材を育てて人民の健康増進と国防に役立ちたい、というのがペクさんのゆるぎない信条です。

講座長のキム・スングクさんのお話です。

「ペク教授は、常に新しい世代に、患者の生命を救うか否かと言うことより、まず患者を革命の同志、肉親だと思って治療に当たれば十分助けることが出来るという深い真理を教えています」

戦争参加者のペク・ソッキュさんは、さらなる研究の成果で祖国解放戦争勝利60周年を迎える一念に燃えています。