取り戻した光（リ・ウンホン）

取り戻した光

「見えます、先生、目が見えます！」

この前、ピョンヤンのリュギョン眼科総合病院*1で、ある年寄りが何年ぶりに視力を回復しました。ピョンヤン市*2モランボン区域*3のピパ第2洞*4に住む71歳のリ・ウンホンさん、2度と見えないと思ったその目にまぶしい光とともに人々の顔がはっきりと映ったのです。

医師と看護士、夫と子達、いとしい孫たち・・・周りの人たちを抱きいれ、年寄りは感激のあまり泣き、また笑いました。

若い時、リさんは指折りの芸術団体の歌手として活躍し、人民の絶賛を博しました。その日々に功労俳優の称号も授かりました。舞台を下りてからはマンギョンデ学生少年宮殿*5で、10年余りも前途有望な歌手の卵を育てるのに情熱を傾けました。

定年後は、檜舞台で観客の絶賛を浴びる教え子たちの姿から喜びを感じました。それに、母譲りなのか、息子も歌手、孫娘また歌が上手で、家の窓辺からは歌声が絶えませんでした。

リ・ウンホンさんは語ります。

「5年前から視力が衰えはじめ、失明にまでに至りました。そのときは本当に先が真っ暗でした。人が千両なら目は８百両だという言葉もありますね。目が見えないと思うと、もうだめだと完全に絶望しました」

幸せだった時を振り返り、あまりにも幸福で失明という「不幸」に見舞われたのでは、と考えるくらいでした。しかし、社会主義保健医療制度の恩恵が隅々まで行き届くようにとの医療従事者の真心により、その「不幸」は過ぎし日のことになりました。

病気の治療で基本は自信することだ、必ず治ると力づけ、真心を尽くした医療従事者たち、その人たちにとって年よりは決して他人ではなく肉親も同じでした。

「ソソン区域*6チャンギョン総合診療所*7とリュギョン眼科総合病院の先生たちの真心と医術によって、私は願ってやまなかった光を取り戻しました。体験してみますと、社会主義のこの国の無料治療制がどんなにありがたく、共和国がどんなに良いか実感できます。そのご恩にどう報いてよいやら、目頭が熱くなるばかりです」

（今日の朝鮮）