偲ぶ思いは募ります

偲ぶ思いは募ります

ピョンヤン市*1チュン区域*2のソムン*3という町に住むムン・ジェチョルさんのお話です。

「12月です。天のように信じていた偉大な金正日総書記の急逝という訃報に接して、国中が涙にくれていたその時から早や、9年が発ちました。12月ともなりますと、『恋しい』と言う歌の文句を作った時のことが昨日のことのように思い浮かびます。私はチュチェ98（2009）年、遠い外国でこの歌の文句を書きました。私はその国で治療を受けていました。対外関係部門に勤めていた私は職業がら、たびたび外国に出張しましたが、そのたびに祖国が懐かしく、金正日総書記の優しい姿が偲ばれてなりませんでした。なかんずく、治療のため外国に行っている時だったのでそれはなおさらのことでした。

私に対する治療対策は総書記自らが取ってくれました。国と人民のための寸秒を争う仕事のため、いつも時間が足りなく、一秒が一時間にならないことをもどかしく思っている総書記でした。絶え間ない思索と探求、現地指導のためひどく疲れ苦しんでいました。それなのに総書記は私の不便な体を気にして、治療対策まで講じたのでした。総書記は人民皆をこのように父の思いで顧みました。その許で私のような農民の息子も大学で勉強し、対外部門の活動家になりました。総書記の恩愛と信頼に報いることが出来ず、病床にいると思うと、病気による痛みより、現地指導の道を歩み続ける総書記が偲ばれて夜も眠れませんでした。

この恋しさは詩人でも、作家でもない私にペンを取らせました。私は総書記を偲ぶ私の気持ち、いや私だけでない人民皆の気持ち、総書記を熱く敬慕する世界の人々の気持ちをそのまま書き表そうと思いました。こうして未熟ながらも一字一字書き下ろしましたが、それがそのまま歌の文句となりました。翌年に曲がつけられ、発表されましたが、それが大きな反響を呼ぶとは、私もつい知らなかったのです。周りの人たちは、この歌を聞いていると、人民のために生涯のすべてを蝋燭のように燃やしつくす総書記が偲ばれて、目頭が熱くなると言いました。

ところがこの歌が永遠の恋しさの歌になるとは想像も出来ませんでした。人民の願いを全てかなえて上げながら、無事を祈る人民の切なる願いだけは一度も受け入れなかった総書記でした。それで毎年12月ともなりますと、国中の人民は金正日総書記への偲ぶ思いを募らせているのです。私は金正日総書記の願い通りに、敬愛する最高指導者金正恩委員長の導きに従って社会主義強国を必ず建てるために献身するのはこの国の公民なら当然の本分だと思います。70の峠を越え、家で休んでいるとはいえ、生涯を閉じるまで自分の本分を全うするつもりです」

（フィーチャー）