仕事の誇り

仕事の誇り

馬子にも衣装、といいますが、洗練された身なりは人々の目を引きます。ところが、そこに捧げられた裁断師の努力について考える人は少ないでしょう。

ピョンヤンのチュン区総合洋服店の支店であるチョンロ洋服店*1の裁断師キム・ボクヒさんは自分の職業に強い愛着を抱いて30年を頑張っています。

「自分の手で作った服を着てみたい、と言う思いで裁断師になりました。仕事を始めて3年目の年に開かれた衣服展に出品したことがありますが、偉大な金正日総書記がその展示場を訪ねましてね。その時、総書記は私が作った服が上出来だと高く評価しました。それを伝え聞いて私は裁断師になって本当に良かった、と思いました。また熱い人民愛を持っている総書記なのでこのように衣服展まで見に来たのだと思いました。私は人々に見栄えのする服を着させるのに一役買うことを決心しました。それで頑張りましたが、私が裁断した服を着て喜ぶ人々を見るたびに誇りを感じたものです。いつしか、それも３０年になります」

服の設計と裁断、と言いますと、それ自体が一つの創作であるので、裁断師は片時も思索と探求を疎かにしてはならない、キムさんはいつもこう思っていました。

日進月歩の今の時代の感覚に合わせようと、人民大学習堂を訪ねたり、また、雑誌とスタイルブックなどで合理的な裁断の仕方を得たりしました。そして年季の入ったデザイナーと被服の専門家からデザインの作り方を教わり、女性たちの体と骨格、顔の形についても掘り下げて研究しました。

道を行く時も女性たちの身なりに関心を払い、新しいデザインを考えました。見事なデザインも人のシルエットに合わせて裁断してこそ生かされるものです。やわらかく、繊細な裁断、これがキムさんの特技だそうです。

キムさんが裁断した服はいずれも斬新で体にぴったり合うので人々の好評を博しています。キムさんは毎年、行なわれる衣服展にハーフコート、ツーピース、ワンピース、洋服など様々な種類のユニークな女性の服を出品してその才知を認められました。

チュチェ100(2011)年、キムさんは功労裁断師の称号を授かりました。

「この功労裁断師の称号は人民が与える高い表彰で、そこにはこれから仕事にもっと励んでほしいと言う人民の信頼と期待が込められていると思います。私は一生涯、人民のために献身的に尽くすつもりです」