世界食料の日を迎えて

世界食料の日を迎えて

10月16日は『世界食料の日』です。

1979年11月に行なわれた第20回国連食糧農業機関総会では10月16日を『世界食料の日』に制定し、毎年この日を記念する事にしました。『世界食料の日』を制定した目的は世界の各国・人皆に食糧問題の重要性を正しく認識させる一方、食糧生産を増やして貧困と飢餓を無くす事をはじめ、世界的な食糧問題の解決の切迫さとその方途に関する国際的な協議を深める為です。

食糧問題の解決の為の国際的努力は続いていますが、食糧危機は依然として人類の生存と発展を脅かしています。

国連は6月の時点で「世界的に少なくとも8億2000万人が飢えに苛まれているものと推計される」とし、「その内2億4400万人が5歳以下の児童だ」と懸念しました。特に「今年末まで“アフリカの角（つの）”と呼ばれる地域で約5060万人が食糧難に苦しみ、西部と中部地域で約1540万人の5歳以下の児童が栄養失調にかかるだろう」と推算されています。

世界食糧計画事務局長は、「大飢餓が発生する実際の危険な可能性がある。世界は深刻な飢餓危機に直面している」と指摘しました。

世界各地で頻発する大水と台風等の自然災害も食糧の安全を破壊する重要な要因となっています。

中国で8月の1ヶ月間だけでも各種の災害で3千55万8000ヘクタールの農作物が台無しになりました。インドとパキスタン、バングラデシュをはじめアジア諸国でも農作物に甚大な被害が出ました。南部アフリカ地域では旱魃と大水等自然災害の影響と経済不振の為嘗て無い食糧不足に直面し、4500万人が食糧の緊急援助を必要としています。イタリアの各地も雹と豪雨に見舞われて農業生産に大きな支障を来たしました。アフリカとアジア地域を襲った嘗て無い“砂漠イナゴ”群による災難は、食糧危機を一層悪化させました。数年続きの内戦でイエメンでは2000万人以上、アフガニスタンでは1000万人以上、シリアでは930万人が食糧難に苦しんでいます。南スーダンでも人口の半分以上にあたる650万人が食糧不足に喘いでいます。東部地域でも最近武力紛争で6万人が飢餓の危機に晒されました。

国連事務総長は「全世界が食糧不足の緊急事態に直面している」と警告しました。このように各種要因で食糧危機は悪化し続け、人類の栄養と食糧の安全が由々しく脅かされています。

共和国でも最近大水と豪雨・台風に見舞われて農作物が台無しになり、農業土地が流出する等大きな被害に遭いました。自然災害の脅威から人民の食糧問題を解決する為の実質の対策が講じられています。

食糧安全・栄養安全を保障する為の人間の努力は続くでしょう。

（世界と朝鮮）