三度もアジア選手権を獲得したマラソン選手

三度もアジア選手権を獲得したマラソン選手

話題の主人公は共和国の人民スポーツマンの称号を受け、三度もアジア選手権を獲得したキム・グムオク選手。

「ありがたいこの国を金メダルで輝かしたかったです」

キム選手が金に輝いた秘訣はまさにこの言葉に凝縮されています。

キム・グムオク選手はピョンヤン市*1マンギョンデ区域*2のテピョン*3というところの労働者の末娘に生まれました。小学校時代にマンギョンデ区域の青少年スポーツ学校で陸上を学びました。陸上のインストラクター・ペク・トンナムさんはキム選手の初の恩師です。

「選手選考のため、テピョン小学校に行ったとき、そこでキム・グムオクさんに初めて会いました。10歳とはいえ、ほかに比べて背も低く、体も弱いほうでした。しかし駆け足では自分より大きい子供達を追い越すために歯を食いしばって走りました。結局、一番先に入ってきたのです。そのとき、負けず嫌いのその気質がすっかり気に入ってキムさんを選んだわけです」

キムさんの両親は末子がマラソンを志望した時、驚いたといいます。

「スポーツも親譲りの子達が成功するんじゃないですか。しかし、家門にスポーツを専門にした人もいなければ、私と妻もスポーツには別に関心がなかったんです」
「親ほどわが子を知っている人はいないでしょう。甘えん坊の末っ子で、ほかの子より体質も弱いもんで、何日か付きまとっていて、やめるだろうと思っていました。まあ、最初から信じなかったんです」

両親は反対しましたが、ペク先生はキムさんにマラソンの基礎を教えました。

「訓練がだんだんハードになるほど、キムさんも力に余るのか、欠席する日も多くなりました。それがかわいそうで親たちも反対しました。それもそのはず、まだ小さいですから、私が求める訓練課題を全部受け入れることはできないでしょう。しかし、マラソン選手としてのキムさんのその才能の芽を葬ることはできなかったのです」

4月25日スポーツ団のチーフ・コーチ、キム・イルスンさんがキム・グムオク選手を受け持ってからはや10年になりました。

「ペク先生がキムさんをスポーツ団に連れてきた時、訓練をさせてみました。そのとき、スポーツ団で2、3年、訓練を受けた選手と同じ水準で、円満に、また、余裕を持って当たるのでした。とりわけ、気に入ったのは強い意志でした。42キロを走るマラソンでは選手たちの精神力、強い意志が勝負を決めるといっても過言ではありません。本当に嬉しかったです」

基礎がしっかりしているキムさんですから、その発展も目に見えて早いものでした。一年後、キムさんは国家代表チームに選ばれ、国際競技で次々と優勝しました。それを見ますと、

• 2006年の第10回アジアマラソン選手権大会で優勝。
• 2007年の第24回ユニバーシアード・ハーフマラソンで優勝。
• 2008年の第11回アジアマラソン選手権大会で優勝。
• 2009年の第5回東アジア競技大会ハーフマラソンで優勝。
• 2010年の国際陸上連盟、第23回「マンギョンデ賞」マラソン大会で優勝。
• 2011年の第5回世界軍隊総合スポーツ大会マラソンで優勝。
• 2013年の第14回アジアマラソン選手権大会で優勝。

三度もアジア選手権を獲得した人民スポーツマン・キム・グムオクさんのお話を聞いてみましょう。

「才能の芽を探し出して育ててくれ、押し立ててくれるこの国あって私も堂々たるマラソン選手になりました。この国がありがたく、又国の配慮に報いたく、世界にこの国の名を馳せたい思いでいっぱいでした」