ロ・スヒ（盧修煕）

盧修煕

盧修煕（北朝鮮：ロ・スヒ、南朝鮮：ノ・スヒ）

祖国統一汎民族連合（汎民連）南側本部の盧修煕副議長が５日、板門店分離線を越えた。盧副議長は、金正日総書記の逝去１００日追慕行事に参加するため３月２４日、平壌入りした。１５時、統一旗を手にした盧副議長は、悲壮な覚悟をもって分離線を越えた。私服を着た人たちが、盧副議長を強制的に連行してあたふたと姿を消した。歓送する群衆は「李明博逆賊一味を打倒しよう！」「自家に帰る盧修煕先生の道を開け！」「米国と南朝鮮保守当局は盧修煕副議長の前途を阻む反人権行為を即時中止しろ！」と叫びながら盧副議長を激励した。

祖国統一事業と韓国

2012年07月10日
テーマ：南北問題関連

7月5日、怒号と泣き叫ぶ声が入り交じる騒然とした雰囲気の中、祖国統一汎民族連合南側本部（韓国側）の盧 修煕（ロスヒ）副議長が、板門店を越え韓国（南朝鮮）へと戻った。北の大地で「祖国統一」を唱えた彼を、南の大地が待ち受けていたのは、逮捕であった。

遡ること3月24日、盧 修煕副議長は、金 正日総書記逝去100日の追悼集会に参加するため、韓国政府の許可を得ずに朝鮮（北朝鮮）を訪れた。彼は訪朝期間中、錦繍山太陽宮殿などを訪れ、祖国統一のメッセージを、世界に向けて発し続けた。其れを観た韓国政府は、「彼は敵を称賛したので、帰ってきたら国家保安法違反で捕まえます。」と、其れを実行した。

盧副議長が板門店を越える数分前まで、彼の手には「花束」と「統一旗」が握り締められていた。北の同胞より、「共に心と力を合わせ、祖国の統一を成し遂げましょう。」との願いで贈られたものだ。

数分後、板門店南側で盧氏を待ち構えていた国家情報院（旧 安全企画部・アンギブ）の職員らは、彼が境界線を越えるや否や、彼の手から「花束」と「統一旗」を毟り取り、投げ捨て、抵抗する彼を羽交い絞めにして、挙句の果てには家畜でも扱う様に連行して行った。

その国家情報院の職員は、日本にも居る。韓国大使館や領事館などに外交官を装い着任し、虎視眈々と在日同胞の動向を睨みつけている。韓国渡航へのビザ発給の際、「少しこちらへ来ていただけますか。」などと、別室に呼ばれたら要警戒だ。

李 明博政権になってからというもの、盧 修煕副議長に限らず、朝鮮の地を訪れた統一人士が韓国へと戻れば、悉く捕まり投獄されている。祖国統一を願う者が、ソウルのど真ん中で、「心を合わせて祖国を統一しましょう。」などと一声叫べば、忽ち国家情報院の皆様に捕まり投獄されてしまう。なので私は韓国には行かない。行きたいとも思わない。最近、「韓国は片方の我が祖国」という韓国に対する私の感情は、だいぶ怪しくなって来ている。

李 明博大統領が就任してからと云うもの、祖国の統一を叫び、投獄された統一人士は、いったい何人に上るのか。韓国にとって朝鮮とは、其れ程までに憎むべき敵国なのだろうか。韓国の民は、祖国の統一をいったいなんだと思っているのか。

私は、盧 修煕氏に対する韓国政府の蛮行を目の当たりにし、祖国統一の為に、私にはいったい何が出来るのかを、心底考えてみた。

大したことは出来ない。身を投げて戦う統一人士になど、怖がりの私には成れる筈も無い。そんな無力感の中で導き出された答えは、盧氏の姿から目を逸らさずに、彼の様な勇敢な統一人士が居ることを記憶に留め、彼の行動を語り継いで行く事であるとの、考えに及んだ。

国家情報院の職員に拘束され、連行され行く盧氏の眼差しには、統一された祖国をはっきりと見据えた「信念の光」が宿っていた。己が朝鮮民族（韓民族）の一員であるとの自覚を持つ者ならば、彼の眼差しから決して目を逸らしてはいけない。

韓国の民はこれ以上、祖国を愛する統一人士を侮辱してはならない。民族の分断をこれ以上続けてはならないと、韓国の民は自覚すべきだ。朝鮮民族（韓民族）に不幸を齎す祖国の分断を一日も早く終焉させる為の方法論を、韓国の民は真剣に考えるべきだ。

今の韓国を見渡せば、私以上の至近距離で盧 修煕副議長を眺め得る立場の韓国の民が、盧氏をどのような想いで見詰めているのか、其の事に想いを巡らせれば、行き着く場所はいつも「幻滅」である。

全ては、李 明博大統領の大罪だ。

盧 修煕副議長を見送る朝鮮人民

盧氏を待ち構える国家情報院の職員

盧氏を拘束する国家情報員の職員、統一旗を踏み付ける韓国軍兵士

担ぎ上げられ連行される盧 修煕副議長

南北境界線に残された花束と統一旗

盧氏を罪人として扱う韓国政府

盧修煕副議長に実刑判決、「国家保安法」違反容疑で

2013.02.11 (13:21)

板門店の分離線を越えて南朝鮮に帰還する盧副議長 （写真中央、2012.7.5、朝鮮中央通信）

南朝鮮政府の承認を受けずに北を訪問した祖国統一汎民族連合（汎民連）南側本部の盧修煕副議長（69）が、実刑宣告を受けた。

ソウル中央地裁は9日、盧副議長の訪北が、国家保安法上の「讃揚・鼓舞等」、「会合・通信等」の罪に当たるとして、懲役4年と資格停止4年を言い渡した。また、盧副議長の訪北を支援した容疑で起訴されていたウォン・ジヌク事務局長（39）には、懲役3年、資格停止3年を言い渡した。

盧副議長は金正日総書記の逝去100日追悼行事に参加するため昨年3月24日に平壌に到着し、その後104日間滞在しながら平壌や地方の各所を参観した。7月5日、板門店を経由して南に戻ったが、国家保安法違反の容疑で当局に拘束・起訴された。

判決を受け、汎民連南側本部は同日、裁判所前で行った記者会見で「盧修煕副議長の弔問は、民族の大国喪に深い哀悼の意を示し、北の同胞たちと悲しみを共に分かち合い、民族の和解と団結、統一の道を開いていくという意志に基いて行われた」と強調した。

また「今回の宣告は、司法部が憲法精神に基づいた独立的権限を自ら放棄し、反統一公安勢力の代理人であることを自認したことを意味する」とし、さらには「朴槿恵次期政府の基本的性格を露わにしたものである」と非難した。

また「司法部が分断の主犯である米国、南北対決、公安弾圧の元凶である李明博政権、そして朴槿恵次期政府の権力の侍女として、汎民連南側本部と統一人士らに何らかの罪を着せるのであれば、歴史の審判を免れることはできない」と主張した。

今回の判決に対し、汎民連北側本部は10日、スポークスマン談話を発表。盧副議長と事務局長に対する蛮行は民族の団結と統一への願いを愚弄する行為であり、北に対するもう一つの挑戦だとして糾弾した。また、国家保安法を撤廃し、盧副議長をはじめとする統一人士らを直ちに釈放しなければならないと強調した。