ヤクサントンデ

薬山東台

ヤクサントンデは、ピョンアン北道*1ニョンビョン郡*2にある名勝です。昔から景色が美しく、展望がよいことで広く知られ、歌にも歌われています。

ヤクサンとは薬の山と言う意味ですが、この山に薬草が多く、人の体にいい湧き水があることに由来しています。人の体にいい湧き水、つまり、鉱泉のことを朝鮮語でヤクス、薬水、薬の水といいます｡そしてトンデとはこの地方の東、ニョンビョンの東にある丘、という意味です。

さほど険しくない奇天烈な峰々や岩場、鬱蒼とした森と満開の花が溶け合い、季節ごとに異なる景色が満喫できます。特に、春の景色は売り物で、つつじが咲き乱れ､山中が淡いピンク色に染まる風景はヤクサントンデならではのものです。また、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色も見る人をうっとりさせます。

ヤクサントンデの一番の見ものは、チェイル峰、トンデ、ハクピョルです。標高488メートルのチェイル峰は、ヤクサントンデの最高峰で、展望台にもってこいの場所です。美しいクリョン川*3やはるか前方に見えるリョンムン山*4の雄大な佇まい、昔の城址に囲まれたニョンビョン郡の所在地や肥沃な田野が絵のように広がっています。

チェイル峰に連なるトンデは、亀の形など真っ白な岩場が見ものです。中でも目を引くのは亀の岩で、二匹の亀を思わせます。変わったこの岩は、天然記念物に指定されています。ハクピョルは、絶壁を挟んで聳える岩の峰で、奇岩怪石を誇る名所です。まるで白い絹を垂らしたようです。

ヤクサントンデには祖先の英知宿るチョンジュというお寺とリュクスンという東屋など古跡もあり、風致を引き立てています。ヤクサントンデは、共和国政府の人民的な政策により、人民の憩いの場にさらに立派に作られました。広い車道やハイキングコースが作られ、景色のよいところに食事の場や休息の場が作られました。また、架け橋や展望台も自然にマッチして作られました。

昔から名勝として名高いヤクサントンデは、憩いの一時を送る人たちでいつも賑わっています。