ペクトゥ山

白頭山

ペクトゥ山*1は、朝鮮の北部、リャンガン道*2のサムジヨン郡*3にそびえています。標高2750メートル、朝鮮の最高峰です。

ペクトゥ山は100万年前の溶岩の噴火で出来ました。山頂の噴火口に水が溜まって火口湖の天池*4、天の池が出来ました。その周囲は14.4キロメートル、面積は9.16平方キロメートル、最大水深は384メートルです。

ペクトゥ山の万の景色のうち、一番美しい景観は日の出です。そそり立つ奇岩絶壁と天池のエメラルドグリーンの水面を一瞬にして赤く染める日の出の神秘さと壮快さは、実に筆舌に尽くしがたいものです

何度もの噴火と進化の過程を経て出来たペクトゥ山の自然環境は、独特そのものです。ペクトゥ山の頂には、標高2000メートル以上の峰々の断崖絶壁が屏風のように天池を囲んでいて、壮大な山岳美を誇っています。

ペクトゥ山は朝鮮で一番寒く、気候も千変万化します。黒い雲が押し寄せてくるかと思うといきなり晴天になり、降っていた雨が一瞬にして雹に変わったりするなど、実に変化に富んでいます。それで、昔からこの一帯の気候現象を天池の業と呼んできました。

ペクトゥ山地区は、動植物も多様です。地域によって生態環境が異なり、クロテン、カワウソ、トラ、ヒョウ、ジャコウジカ、シカなど多くの希少動物が生息しています。ペクトゥ山固有の植物は、雪の中で香りを放ちながら美しく花咲くキバナシャクナゲです。

ペクトゥ山の森林限界線の2000メートルの下には、太古の原生林が果てしなく広がっています。標高差によって植物の分布が変わり、山を登りながら、温帯から亜寒帯、寒帯までの植物をほとんど見ることが出来ます。

ペクトゥ山には20世紀初めに建てられた「竜神碑閣」と言う石碑があります。当時は日本帝国主義の侵略により、朝鮮が亡国の悲運に閉ざされた時でした。石碑は、天からペクトゥ山に国と民族の尽きない繁栄を守る偉人が下りることを渇望した民族の願いを込めて建てられました。その願いは叶い、偉大な金日成主席はペクトゥ山一帯で抗日革命闘争を勝利へと導いて国の解放を達成しました。

ペクトゥ山には、また、偉大な金正日総書記の生家があります。

父祖の山、ペクトゥ山は朝鮮革命の聖なる山、太陽の聖地として一層名を馳せています。

（観光）

昔から「山麗しく水清い、錦織り成す三千里の山河、鮮やかな朝の国」と呼ばれる朝鮮は、山の多い国です。ペクトゥ山*1、クムガン山*5、ミョヒャン山*6、チルボ山*7、クウォル山*8等、多くの名山がありますが、その中でもペクトゥ山は朝鮮第一の名山です。

白頭山八景

朝鮮人民は誰もが、ペクトゥ山という名を聞いただけで厳かな気持ちにひたります。山といいますと、自然の景観を称えて名山と呼ばれる事はあっても、聖なる山と呼ばれるのは稀です。

タングン*9の朝鮮から、コグリョ（高句麗）、パルヘ（渤海）、コリョ（高麗）、朝鮮封建王朝にいたる5千年の歴史の中で、祖先はこの国の全ての山脈がペクトゥ山から南海のクジェ峰まで繋がったといって、ペクトゥ山を父祖の山、聖なる山と呼びました。

資料によりますと1769年、朝鮮全土の山脈分布を記した「山経表」では、ペクトゥ大山脈を朝鮮の基本の山脈と規定し、全ての支脈がこの大山脈から枝分かれしたとしています。そしてペクトゥ山を「民族の尊厳、朝鮮の気概だ」とし、「叡智に富み、勇猛勇敢で綺麗な民族の魂はこのペクトゥ山に生まれた」と書きました。

ペクトゥ山が聖なる山と呼ばれるのは、そのユニークな形成過程と自然の美しさという一般の言葉では言い表せないほど壮大で神秘、且つ多彩で独特な地帯の構成を抜きにして考えられません。100万年前の地球の火山活動は、世界の多くの所に歴然とした跡を残しました。何回もの噴火作用とその進化発展の過程に成されたペクトゥ山の自然環境は、とてもユニークな様相を呈しています。年中殆どが雪に覆われ、また軽石に覆われているので、四季折々白く見えるという意味もこめられたペクトゥ山。

ペクトゥ山は標高2750メートルです。ペクトゥ山にはカルデラ湖のチョンジ*4があります。水深384メートルのチョンジを頂いているので、山水は調和し、色彩はコントラストを成して、ペクトゥ山はそれこそ素晴らしい芸術作品の主人公となりました。また60度以上の絶壁を成して屏風のようにチョンジを取り囲んでいる、標高2500メートル以上の20余りの峰々と形も様々な岩があります。

一般的に自然の景色は季節によって異なりますが、ペクトゥ山は昨日と今日、また1年365日が全く同じでない、変幻自在の異彩を放つ風景です。片方では雪が降り、他の一方では雨が降ります。少し前までも嵐が吹き荒れていたのに、突然美しい夕焼けが映えるペクトゥ山のこの不思議な自然現象は、誰も予測出来ない、またどこの山でも見られない壮観な眺めです。それで昔から祖先はこの一帯の気候変化を指して、「風雲調和の美、天地神明の調和」と呼びました。

噴火作用によって出来た地質と地形、高山地帯の自然環境に適した動物と植物、土壌等、ペクトゥ山の自然は朝鮮の他の地域では見られない、独特な変化発展を見せています。ペクトゥ山のキバナシャクナゲと万年茸をはじめ2700種以上の植物と数千種の動物、太古の原生林、これら全てはペクトゥ山ならではのものです。ペクトゥ山にはカルデラ湖に端を発し、季節によって特異な景観を呈する色々な滝があります。

朝鮮の朝はペクトゥ山から明けて来ます。ペクトゥ山の日の出はどこでも見られない眩しさと美しさで、広く知られています。ペクトゥ山の日の出、これは未来に対する楽観と遠大な抱負、必勝の信念を持たせるペクトゥ山の不思議の一つ、朝鮮一の眺めものに数えられています。それで朝鮮人民は壮大で美しいペクトゥ山の絶景を、ペクトゥ山八景と名付けました。

革命の聖地

ペクトゥ山について語る時、朝鮮人民誰もが親しみを感じている呼び名があります。「心の故里」という呼び名です。ペクトゥ山は栄えある革命伝統が生まれた革命の聖地です。偉大な金日成主席が導く朝鮮人民革命軍が、完全武装した日本帝国主義者と国の解放の為の血みどろの戦いを繰り広げた所も、ここ、ペクトゥ山地区です。

百戦百勝の鋼鉄の総帥金日成将軍の栄えある抗日革命闘争の歴史と、抗日革命家達の足音が印されたペクトゥ山は、また一人の偉人が誕生した革命の聖地として名高い所です。ペクトゥ山の秘密のベースキャンプのこの質素な丸太小屋で、偉大な指導者、偉大な人間、不世出の聖人である金正日総書記が、チュチェ31年（1942）2月16日、誕生しました。

卓越した思想理論の叡智、抜きん出たリーダーシップ、千里眼の軍事の洞察力、熱い人間愛、人間の知性を超えたこれら全てを併せ持つ金正日総書記。総書記はペクトゥ山の精気を一身に担って偉大な革命家に育ちました。

この一帯はソベクス谷*10、ここにだけ見られるユニークな風景をソベクス谷の八景と呼んでいます。このようにペクトゥ山は、聖なる山としての資格と地位を充分に持っている尊厳ある山、真の山です。

白頭山の名勝

ペクトゥ山には山と原生林だけがあるのではありません。歴史の試練を乗り越えて来た、抗日の先達の魂が脈打つペクトゥ山の革命戦跡地は、朝鮮人民だけでなく世界の多くの人々の関心を集めています。

ムサン地区戦闘勝利記念塔はチュチェ91年（2002）5月23日、除幕されました。ムサン地区戦闘勝利記念塔の偉大な金日成主席の銅像は、厳しい抗日大戦（抗日対戦？）の時、片手に双眼鏡を握り、もう一方の手を高くかざして攻撃命令を下す姿です。ムサン地区戦闘を勝利へと導く青年将軍の尊い姿が、そのまま現れています。

サムジヨン*11、漢字で三つの池の淵と書きますが、昔ここには川が流れたとの事です。それがペクトゥ山の噴火作用によって川が堰き止められ、3つの池が生まれたといいます。サムジヨンはペクトゥ山の原生林と峰々、サムジヨン大記念碑が一つにとけ合ったすばらしい景観を成し、これまたペクトゥ山の名勝となりました。サムジヨンは偉大な金日成主席がチュチェ28年（1939）5月、ムサン地区へ行軍する途中小休止し、朝鮮人民革命軍の隊員達を勝利へと励ました所です。

チョンジの水が流れ出て、ここへ来ては数十に分かれて流れ落ちるこの滝もまた、ペクトゥ山の自然が織り成す業とはいえ、溜め息の連発、名所に数えられて当然です。リミョンスの谷の右側の絶壁に絹の反物を垂らしたようなこの滝*12は、9条の本筋の流れの合間を無数の流れが数珠繋ぎになって流れ落ちるもので、春と夏、秋、冬、其々異なった風景を成し、自然の美しさを威張っています。

チュチェ26年（1937）6月4日のポチョンボ戦闘の歴史的な意義は、何人かの日本軍の兵士を射殺した事ではなく、「朝鮮人は死なずに生きており、日本帝国主義と戦えば勝利出来る」という信念を与える革命の曙光を照らした処にあります。

ペクトゥ山はハイカーはもとより、マラソンと自転車観光、スキーを楽しむツーリストの為の全ての条件が完備しています。またペクトゥ山の高原地帯に育つジャガイモの、言わば芋焼きとジャガイモの澱粉の冷麺等、異色の食べ物で来客は舌鼓を打ちます。

偉大な金正日総書記の誕生日2月16日の光明星節には、アイス彫刻祭典と花火の夜会等が盛大に行われ、ペクトゥ山地区は一層異彩を放ちます。

朝鮮の日の出

明るい黎明を呼び寄せる、朝鮮人民の強い闘いの精神と創造気風そのままのペクトゥ山は、訪れる人皆を抱き寄せてはその澄んだ空気で浄化し勇猛な気概を与える、朝鮮の聖なる山だけではなく世界的な名山です。

朝鮮人民誰もがいつも思いを馳せる聖なる山、ペクトゥ山。

朝鮮が知りたいなら、朝鮮人民が知りたいなら、ここペクトゥ山に登って下さい。

ペクトゥ山に登って、朝鮮の爽快な日の出を迎えて下さい。

（観光）