ひとつの思いで

ひとつの思いで

「病気で体が痛むのは耐えられます。しかし、私のために捧げる熱い真心、それには感謝の涙を抑えることができませんでした」

これはこの前、ピョンヤンのキムマンユ病院*1で入院治療を受けたある機織工の娘が言ったことです。

その娘の名前はアン・ミギョンさん。21歳のアンさんは3年前、金正淑ピョンヤン紡織工場で働くことになりました。アンさんはスキルアップに励んで、毎年、誰よりも先に人民経済計画を達成しました。今年は上半期の計画を工場で一番先に達成しました。

アンさんのように、国の繁栄に尽くしている勤労者のため、共和国の医療従事者たちは職場を訪ね歩き、出張ケアを行っています。この2月初め、アンさんの工場にキムマンユ病院の医師たちが訪ねて来ました。

病院の腎臓内科研究室のチェ・ウンチョル主任のお話です。

「アン・ミギョンさんは1メートルの布でももっと織り、人民の衣服の問題を解決しようと時間を惜しんで働いた模範労働者です。私たち出張ケアチームが工場の従業員に対する定期検診を行ったとき、アンさんの病気が見つかりました。それで、病院と連携のもと救急でアンさんを入院させ、治療対策を講じました」

治療の日々が流れました。患者の健康を早く取り戻せる治療法が数回のカンファレンスを通じて確立され、担当医のリ・ヨンホさんと担当の看護士であるソン・イルファさんの真心こもるケアにより、アンさんの病状は快方に向かい始めました。体の痛みは次第に取れましたが、アンさんは物寂しさを感じました。遠く地方から来たアンさんは肉親の情が懐かしくてならなかったのです。

しかし、その夜、アンさんに注がれる熱い肉親の情が病院内に溢れていました。チェ・ウンチョル主任と医師のユ・グァンヒョク、チェ・ビョルイさんを初め、研究室の医師、看護士みなが薬草を入れて蒸した鶏のような栄養食品などを作るため夜を更かしていたのです。

翌朝、約束でもしたかのように朝食時間に合わせて病室に入ってくる医師、看護士の姿にアンさんは涙を抑えることができませんでした。隣の患者に見舞いに来た8歳の少女が優しく呼んで赤いトマトを勧めるときも、母と同じくらいの年の患者の面白い冗談に心が楽しくなったときも、アンさんは感謝の涙で目を潤ませました。

（みながひとつの家庭、ひとつの家族であるわが国、ありがたいこの国、ありがたいこの人たちのために仕事にもっと励もう。そうするためには時間が足りない。なのに…）

入院12日目の日、退院を申し出るアンさんとそんなアンさんを引き止める担当医との喧嘩ならぬ喧嘩がありました。その日の夜、帰宅の時間がだいぶ過ぎても研究室の医師たちの話し合いは続きました。国のためより多くの仕事をしようとする健気なアンさんのことを手助けしよう。今の健康状態では働きながら治療を受けることもできる。私たちが訪ねて行って治療に当たろう。こうしてアンさんは職場に復帰することが出来ました。

機織工の娘たちは毎日のようにアンさんを訪ねて来るキムマンユ病院の人たちを見ることになりました。

（今日の朝鮮）

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