いたわりの気持ち

昨年10月、咸鏡北道*1穏城郡*2の1人の青年が不慮の事故で足を怪我しました。応急手当を受けたものの中々快方に向かいませんでした。再び歩けないという診断が下されると、青年は胸の中に秘めていた希望まで諦め落ち込んでしまいました。でも青年はそこまでは気付きませんでした。自分が涙に暮れている時、周りの多くの人達が青年の先々が気になって心を痛めている事を。

クォン・ジンミョン、28歳。クォンさんは国が格別関心を持って大事に育てた孤児の1人でした。この2月、足を怪我したクォンさんを負ぶって1人の女性が清津市*3第1人民病院に駆け付けて来ました*4。

チョンジン市第1人民病院の医師　キム・テヨン

「患者がお母さんと呼んだので、私たちはその女性を患者の母親と知っていました。しかし、実は母親でなく、患者と一緒に働いている分組長の奥さんのムン・ソンオクさんでした」

分組長夫婦はこの10年間、クォンさんの親代わりになってその生活に心を配りました。分組の同僚達もクォンさんの兄弟も同じでした。このようにクォンさんには父親も母親もいて、その健康を案じる親しい兄弟もいました。病院ではクォンさんの足を治す為の医者達のカンファレンスが真摯に行われました。

チョンジン市第1人民病院の医師、博士　ムン・ドンイル

「患者が病院に運ばれてきた時は、ことすでに遅しでした。関節が硬直して、運動不能で、足が立たなくなりました。難治の病でした」

カンファレンスの末、有能な医者・看護士で治療チームを組みました。多くの医学技術データを分析し何回もの模擬手術も行い、隣接科と協力してリハビリの方法も見付け出しました。「1パーセントの可能性でもあれば必ず回復させなければならない」、「1人の青年の将来を守ってあげよう」、これが医師・看護士皆の思いでした。