あからさまな平和破壊行為

あからさまな平和破壊行為

日本が新型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア*1」を、何としても配備しようと必死になっています。イージス・アショアの配備は自民党内でまで、その必要性が疑問視されています。巨額の予算を要するイージス・アショアを朝鮮半島に平和ムードが漂う今、配備する必要があるのかという事です。

ところが日本の支配層は頑なに「誰某の脅威」を云々し、イージス・アショアを何としても配備しようと目論んでいます。日本首相が「如何なる事態にも対応出来るよう配備に万全を期するのは当然だ」と気炎を吐く中、防衛相が直接イージス・アショア配備の候補地を見て回ろうとしています。

一方、日本は共和国監視が目的の偵察衛星まで打ち上げました。それこそ緊張緩和と平和に向かう朝鮮半島の情勢を逆戻りさせようとの醜悪な妄動です。

これまで朝鮮半島で緊張が高まったのは、軍事的対決政策と軍事装備の大量投入の為だというのは誰にも明白な事実です。朝鮮半島の情勢激化の責任は日本にもあるだけに、日本は地域の情勢が戦争に至るのを望まないなら力による朝鮮押し潰し政策を全面的に見直し、情勢の安定を図る方向に出るべきです。

にも拘らず日本は、従来の軍事的対決と武力増強から一歩も引かないでいます。これは日本が平和ではなく緊張激化を望んでいる事を明白に実証しています。

再侵略を夢見て軍事大国化を狙う日本にとって緊張激化は、その軍事大国化策動を正当化出来る唯一の名分だといえます。実際の所これまで日本は、「誰某の脅威」の名目で軍事大国化に拍車を掛けてきました。

ところが最近、朝鮮半島に醸し出された平和ムードは、これまで北と南の対立と朝鮮半島の情勢激化から漁夫の利を得て来た日本を困らせています。朝米首脳会談でアメリカ南朝鮮合同演習の停止が協議された後、「予期していなかった」と難色を示し不安に駆られた事だけを見ても、日本が朝鮮半島の軍事的対決と情勢の緊張激化をどんなに渇望しているかをはっきりと見せています。

日本は軍事大国化の合法的名分が失せている今、反平和勢力の本性を尽く曝け出し軍事大国化策動に拍車を掛けています。先日、日本防衛相が「朝鮮に対する評価は変わらない。警戒態勢を怠らない。駐日米軍は北東アジアの安全保障で極めて重要であり、駐日米軍と自衛隊の役割を強めるのは不可欠だ」と並べ立てたのが、これを実証しています。

国際社会が新しい未来を思い描いている時、再侵略の野望に囚われて消えていく対決の火種を燃えさせようと必死になる日本は、再侵略に現を抜かした歴史の反動だと言えるでしょう。

日本の行動は朝鮮半島の情勢に逆らう事に止まらず、周辺諸国を由々しく脅かし、朝鮮半島と北東アジアの平和を望む国際社会に真っ向から挑むもので、世界の懸念は日増しに深まっています。

（時事評論）